コガネバナ ハーブ-7~8月に茎頂に濃青紫色の花を咲かせる-イパネマおやじ
コガネバナ (Baikal skullcup) は、山野草として愛好家に育てられことも多く、切り花としても利用されます。茎は直立するが下部が横に匍匐して増えます。花名は、根が黄金色になることからで、根の部分を「黄ゴン」として漢方薬に利用されています。
黄芩(オウゴン)とも呼ばれる漢方薬
分類:シソ科タツナミソウ属 / 原産地:中国北部、朝鮮半島、シベリア
学名:Scutellaria baicalensis
英名:Baikal skullcup
別名:コガネヤナギ、ヤマヒヒラギ、(漢字表記・黄金花)
園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(弱い)
草丈・樹高:30~50cm
タネまき適期:3月下旬~4月中旬
苗の植え付け:2月~3月、9月10月
植え替え:2月下旬~3月
株分け:2月~3月、9月~10月
挿し芽:6~7月、9~10月
開花期:7月~8月
栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- 江戸時代の享保年間(1716~1736年)に初めて、幕府の小石川御薬園で栽培されました。
- 種子が渡来したのは、享保11年(1726年)に朝鮮半島より取り寄せたとの記録が「薬草木書留」に残されている。
- 漢方薬として利用されているのは、2~4年経った黄色の根を秋に堀り上げて、よく洗ったものを刻んで乾燥したもので、黄芩(オウゴン)と呼ばれます。現在でも、血圧を下げる代表的な漢方薬である、三黄黄芩湯などに配合されています。
近縁種
タツナミソウ(Scutellaria indica)→シソ科タツナミソウ属の多年草です。平地から低山の草原や空き地などに自生しています。一般的に広く栽培されているのは、変種のコバノタツナミ(Scutellaria indica var. parvifolia)です。日当たりのよい乾燥気味の場所に自生しています。草丈10~15cmで、別名はビロードタツナミです。花色は、白、赤紫、ピンク、藤色で、開花期は5月~6月。
根を乾燥させて漢方の黄岑になる
- 適応
- 黄芩(オウゴン)は、各種の漢方処方に配合して利用される。
- 漢方の三黄瀉心湯(サンオウシャシントウ)は、黄芩(オウゴン)、黄連(オウレン)、大黄(ダイオウ)の三つの黄(オウ)のつく生薬が配合されているので、三黄(サンオウ)と呼ばれます。便秘がちで高血圧症状の、血圧を下げる代表的な漢方処方に利用されます。
- 料理・飲み物で楽しむ
- なし
- 用土
- コンテナ・鉢植えの場合、市販の草花用培用土、または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に市販の培用土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をします)
- 地植えの場合は、水はけがよく保水性のある土壌を好みます。植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土と赤玉土などを(1㎡当たり2~3kg / 土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナ・鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。(用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥の調整をしましょう)鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、生育期間中の5月~9月の間(真夏の7月~8月を除く)、1~2ケ月に1回少量の緩効性化成肥料を置肥、または規定量に希釈した液体肥料を月に2~3回施します。多くの肥料は必要ありません。
- 地植えの場合、特に必要ありません。
- タネまき
- 適期は3月下旬から4月中旬です。
- 播く種量は10a中り500mlが標準、約20万粒です。80cmの畝幅に3条の播き溝を作りタネを播きます。タネの上にうすく覆土をして軽くおさえておく。降雨によってタネの露出を防ぐため、切りワラを散布する。
- 苗丈が5~10cmの頃に2回程間引きを行い、株間は15cm位にする。
- 植え付け
- 苗の植え付けの適期は4月から5月上旬です。
- 苗丈が5~10cmの頃に2回程間引きを行い、株間は15cm位にする。
- 株分け
- 適期は、2月~3月、9月~10月です。植え替えの作業時に当時に行いましょう。
- 掘り起こした株の地下茎をナイフ等で、芽と根を付けて個々に切り離して株分けします。
- 挿し芽
- 適期は、新芽が固まった6~7月、9~10月です。新しい枝先を、6~8cmの長さで切り取り挿し穂にします。挿し床の用土は、清潔で栄養分の少ないものが適しています。市販の挿し木用土、または鹿沼土、パーライト、ピートモス、バーミキュライトなど保水性のよいものを使いましょう。挿し穂は、1時間ほど水に浸して水揚げしておきます。挿し床の用土は、事前に水をかけて湿らせておきます。
茎の下部が地面を匍匐して上部は直立する
- 水やり
- コンテナ・鉢植えの場合は、土の表面が白く乾いたらタップリと施します。
- 地植えの場合は、自然のままで育つ。水はけがよく保水性のある土壌を好む。
- 手入れ
- 萌芽期に、株元に腐葉土かピートモスのマルチングを施す。
- 梅雨時期の対策をする、開花後は早めに花穂を刈り取る。
- 夏は半日陰になる場所を選んで定植又は鉢の移動をしてやる。
- 収穫
- 2~4年の秋に、地上部が黄変した頃に刈り取り、根を傷つけないように堀り上げて水洗い後、竹べら等で皮を剥き乾燥させる。
- 乾燥した根は黄色~鮮やかな橙黄色になります。室内などに放置しておくと青緑色を帯びて劣化するので注意しましょう。
- 日当たり
- 温暖な気候を好むが、寒冷地でも栽培が可能です。夏は半日陰になる涼しい場所に定植する。
- コンテナ・鉢植えの場合は、季節に応じて場所を移してやります。