アゲラタム 季節の花-初夏から秋にアザミに似た花を咲かせる-イパネマおやじ

  • アゲラタム (Floss Flower) は、花色は青、紫、白、ピンクなどで開花期は初夏から秋で、アザミに似た姿をしています。性質は丈夫で、雑草化したものも見受けられます。メキシコやペルーなどの熱帯アメリカ原産の多年草ですが、寒さに弱いので国内では、冬には枯れる春まきの一年草として扱われています。国内では、奄美大島の一部地域に帰化しています。
  • アゲラタムとはカッコウアザミ属の学名だが、園芸流通上ではムラサキカッコウアザミ(Ageratum houstonianum)を指すのが一般的です。

キク科の草花

春まき一年草

分類:キク科カッコウアザミ属 / 原産地:メキシコ、ペルー

和名:オオカッコウアザミ

別名:アゲラータム、アゲラツム

学名:Ageratum houstonianum

英名:Floss flower、Ageratum

園芸分類:非耐寒性多年草(国内では一年草扱い) / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)

草丈・樹高:15~80cm(矮性種20cm程)

タネまき:4月中旬~5月

苗の植え付け:4月~6月(育苗後または市販の苗が流通する)

挿し芽:5月~7月上旬

開花期:5月~11月

栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)

注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。

※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。

  • 近縁種
  • コニゾイデス(A.conyzoides)→和名はカッコウアザミ、日本には明治の初期に渡来した。草丈25~80cm、切り花や花壇用として栽培されている。
  • ホウストニアヌム(A.houstonianum Mill.)→和名はムラサキカッコウアザミ、メキシコなど中南米が原産で明治20年頃に渡来しました。名前の通り、葉や花が大型で草丈は15~60cm、園芸品種が豊富にあり広く栽培されている。一般的にアゲラタムと呼ぶのは、この品種のことをいう。
  • 特徴
  • 夏花壇に植えると爽やかなブルーの花が映えます。育てやすいので初心者にも向いています。
  • 南米原産の1年草で、日当たりと水はけがよい場所であれば、土質を選ばないので非常に育てやすい品種です。
  • 生育温度は20~25度、真夏の蒸し暑さが苦手なので暖かい地域では、夏期の開花は控えさせて、株元に敷きワラなどを施し地温を下げる工夫をしましょう。

アゲラタムは一年草です

暑さと湿気が苦手

  • 用土
  • 水はけのよい土が栽培に適しています。コンテナ・鉢植えの場合、赤玉土6:腐葉土3:ピートモス1の割合で混ぜ合わせた土を使います。
  • 地植えの場合、よく土を耕して土壌改良用の牛ふん堆肥か腐葉土を2割程混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。
  • 肥料
  • コンテナ・鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。苗を定植後の追肥は、開花後から1週間に1回、液体肥料を施すか、1ヶ月に1回固形肥料を株元に置肥します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。苗を定植後の追肥は、開花後から1週間に1回、液体肥料を施します。
  • チッ素分を控えたバランスのよい追肥を施すことで、晩秋まで咲き続けます。チッ素分が多いと花つきが悪くなります。

アゲラタムはメキシコ原産です

  • タネまき 
  • 適期は、4月中旬~5月です。発芽適温は20~25℃です。タネは非常に細かいので、ハガキなど厚紙を使って叩きながら、少しずつ落としてタネが重ならないようにまきましょう。タネは好光性なので覆土はしないでください。
  • 箱まき(セルトレーが便利)かポリポットまきにします。箱まきの場合は本葉が2~3枚になったらポリポットに仮植えします。ポリポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。ポリポットまきも同様に、本葉が5~7枚になったら、花壇や鉢に定植します。(株間は20~25cm間隔で植え付けます)
  • 植え付け
  • 適期は、4月~6月です。
  • コンテナ・鉢植えの場合、鉢底石を敷き、定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと3株が目安)
  • 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は20~25cmで植え付けます)
  • 挿し芽
  • 適期は、5月~7月上旬です。気温が15度以上あれば、何時でも可能です。水に挿しておくだけでも芽が出てきます。芽の先端を10cm位の長さに切り取り、水に挿したら直射日光の当たらない場所で管理すると、10日程で根が出てきます。夏の暑さを避けて、少し早期に7月頃に挿し芽して苗を作っておき、秋に備えます。
  • 水やり
  • コンテナ・鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと施します。過湿を嫌うので、毎日のように定期的に与えないようにしましょう。(回数を少なく、乾いたらタップリ)

オオカッコウアザミ

野菜・果実の仕切りライン大

水と肥料のやり過ぎに要注意

  • 手入れ
  • 病害虫→気温が高く、雨が少ない時期は、ハダニがつきやすくなります。ハダニが発生したら、葉が細かい斑点状に白っぽくなるのが特徴です。ハダニがつくと、樹勢が弱くなるので定期的な点検と、殺虫剤で予防散布をします。
  • 花がら摘み→枯れた花や葉は小まめに摘み取って、株を常に整えて手入れしておくと、秋まで長い間花を楽しめます。
  • マルチング→真夏の蒸し暑さが苦手なので暖かい地域では、夏場の開花は控えさせて、株元に敷きワラなどを施し地温を下げる工夫をしましょう。
  • 刈り込み→気温と湿度の高い環境を嫌うので、梅雨~夏の時期は、株が茂りすぎないよう枝を刈り取り、風通しをよくしましょう。株が蒸れると、下葉が腐ったり枯れ落ちてしまうので注意しましょう。
  • 切り戻し→夏の花後の、8月頃に草丈の1/2くらいで切り戻して、肥料を施しておくと秋になって再びよい花を咲かせます。
  • 冬前には、枯れてしまうので防寒対策は必要ありません。
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。ただし、真夏は暑さで株が弱るので、半日陰になる場所が理想です。

植物園の風景:

春のバラ園

野菜・果実の仕切りライン大