ゴシュユ ハーブ-落葉高木で雌株は希少とされる-イパネマおやじ
ゴシュユ (Evodia fruit) は、日本へ渡来したのは江戸時代の享保年間で、小石川療養所薬園(現在の小石川植物園)で栽培されています。本種は、雌雄異株だが雌株のみが渡来したため、結実しても不稔性のため発芽しないので、挿し木により増やしていきながら、国内各地で栽培用に配布されました。6月~8月頃に咲く花に多くの蜜蜂が集まる、蜜源植物として、養蜂家に注目されている「イヌゴシュユ」と同様に利用されます。イヌゴシュユは株が大きく生長してから開花しますが、ゴシュユは小さくても早期に開花するのが特徴です。
漢方の呉茱萸の原料になる
- 分類:ミカン科ゴシュユ属 / 原産地:中国中南部、ヒマラヤ
- 漢字表記:呉茱萸
- 別名:カワハジカミ、イタチギ(ビービーツリーはイヌゴシュユのこと)
- 学名:Evodia rutaecarpa イヌゴシュユ(Tetradium rutacarpum)
- 英名:Evodia fruit
- 園芸分類:落葉小高木 / 耐寒性(強い)、耐暑性(中程度)
- 草丈・樹高:2~6m
- 苗の植え付け・植え替え:2月中旬から3月、秋が10月中旬から11月下旬
- 株分け:2月中旬から3月、秋が10月中旬から11月下旬
- 挿し木:4月~5月、秋は9月~10月
- 開花期:6月~8月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- 現在ではゴシュユは希少種といわれ、挿し木か挿し芽で増やさなければなりませんが、かっては九州などでは田んぼのハサ掛け用として植えられていたのが、農機具の導入により邪魔になるので、ほどんどが刈り取られました。最近では親木を探すのも大変だということです。
- ゴシュユの果実は熟すと紅色になり、味は辛くて苦味が強く独特な臭いがある。薬用にするには、11月頃に緑褐色をした熟する前の果実を採取して、湯通しをして、素早く天日干しで乾燥させます。これが、生薬の呉茱萸(ごしゅゆ)です。ミカン科の落葉小高木で、樹木全体に黄褐色の軟毛が密生している。葉は奇数羽状複葉で枝に対生します。小さい葉は約10cmで楕円形で縁部は全緑、先端部は尾状に尖っています。
- 5月から6月頃に株先に円錐花序を出して、緑白色の小さな花を多数つけます。花後に付ける果実は1cm程度の球形で秋に赤く熟する。雌雄異株だが日本にあるのは雌雄のみで、果実はできるが種子が出来ないので、繁殖は春に株分けをします。
果実が熟すと紅色になる
- 効能
- 健胃、利尿、鎮痛
- 呉茱萸を単体で用いる際に、新しいものは嘔吐しやすい等の、副作用をおこすことがあるので、採取後1年以上が経過したものが使用されています。
- 入浴用として、乾燥した果実を葉と共に浴槽に入れて入浴剤として利用する。民間療法・神経痛、肩こり
- 用土
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土と赤玉土などを(1㎡当たり2~3kg / 土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 地植えの場合、定植後の追肥は、2月~3月に寒肥として固形の骨粉入り油かす、6月~7月上旬に緩効性化成肥料を施しましょう。
- 植え付け
- 苗木の植え付け適期は、2月中旬から3月、秋が10月中旬から11月下旬です。
- 挿し木
- 適期は、4月~5月、秋は9月~10月です。(手順の詳細 コチラ)
高温期や乾燥が続いたらタップリと水やり
- 水やり
- 地植えにするので、自然にまかせます。植えつけ後、根づくまでの約1ヶ月は水を施します。真夏日などの、例外的な高温期は水を施してやりましょう。
- 手入れ
- 剪定→適期は、冬期の12月から3月下旬です。
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
収穫時期は果実が緑褐色になったら
- 収穫
- 収穫の適期は11月頃に、緑褐色をした熟する前の果実を採取して、湯通しをして、素早く天日干しで乾燥させます。これが、生薬の呉茱萸(ごしゅゆ)です。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。