ウッドラフ(クルマバソウ) ハーブ-初夏に小さな白い小花を咲かせる-イパネマおやじ
ウッドラフ (woodruff) は、乾燥すると地上部に含まれる成分クマリンが甘い香りを放ちます。毎年、初夏になると花を咲かせる多年草で、本州の中部以北に自生しています。山林の中の、湿気のある明るい日陰で見かけることができます。スイートウッドラフとダイヤーズウッドラフの2種類がありますが、一般的に「ウッドラフ」と呼ぶのは、スイートウッドラフを指しています。
明るい日陰を好む性質
- 分類:アカネ科クルマバソウ属 / 原産地:南ヨーロッパ、北アフリカ、アジア
- 学名:Asperula odorata(ダイヤーズウッドラフ) Galium odoratum(スイートウッドラフ)
- 英名:Sweet woodruff
- 別名:クルマバソウ(車葉草)
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(やや弱い)
- 草丈・樹高:30~50cm
- タネまき:10月
- 苗の植え付け・植え替え:4月、秋は9月~10月
- 株分け:3~4月・秋が9~10月
- 挿し芽:3月~4月
- 開花期:5月~7月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 注:記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。タネまきや苗植えの適期を表示していますが、大まかな目安です。最近の気候変動により、地方別(関東地方、東北地方など)の適時期表示は難しくなっています。栽培地別の気候は、気象庁のページなどを参考にしてください。
- ※ 適期は発芽適温、生育適温などの数値を基準に判断してください。
- 特徴
- ドイツでは、メイ・デイ(5月1日)に飲むメイ・ボールという飲み物があります。これは、ウッドラフで香り付けされたワインのことで、春が来たお祝いの意味が込められています。乾燥すると、含有するクマリンによる甘い香りが増すので、ポプリや枕に詰めて香りを楽しみます。
- 国内では、本州の中部地方以北から北海道などの半日陰の湿った林の中で自生が見られます。地下茎が這うように伸びて繁殖します。車輪のように6~10枚の葉が茎を軸にして放射状に開きます。この様子からクルマバソウ(車葉草)という別名があります。毎年白い花を咲かせます。
- 近縁種
- スイートとダイヤーズの2種類があります。一般的にウッドラフというとスイートウッドラフのことを呼んでいます。ここでは、スイートウッドラフを説明しています。
- スイート・ウッドラフ(Asperula odorata=Galium odoratum)→当ページの記述
- ダイヤーズ・ウッドラフ(Asperula tinctoria)→ウッドラフより明るい場所で栽培できます。”染物屋の”という意味で、根が赤色の染料になるのが名前の由来です。
半日陰で白色の花を咲かせる
- 適応
- 駆風、利尿、消化促進、強壮、鎮静、鎮座
- 【成分】タンニン、葉や茎にクマリンを含む。
- ※胃痛:乾燥させた地上部のティーを、薄く入れて、1日数回飲む。注:ハーブの使用量は1日、15g以内にとどめること
- 料理・飲み物で楽しむ
- 生の葉と花は、サラダや冷たい飲み物の香り付けに。(乾燥させたものは薬用や、サシェに入れて香りを楽しんだりポプリや押し花にします。)
- 用土
- コンテナの場合、通気性の良い普通の土4:腐葉土4:ピートモス2の割合で混ぜ込んだものか、腐葉土4:赤玉土6の割合で混ぜた土を使います。やや湿り気のある状態を保つようにします。
- 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土や赤玉土などを混ぜ込んで水はけのよい土壌作りをしておきます。
- 肥料
- 肥料負けしやすいので、元肥はごく少量にしましょう。春~秋の間、月1回程度、規定濃度に薄めて液体肥料を施します。
- タネまき
- 適時期は10月です。
- 発芽は翌春です。萌芽したら暑くなる前の期間中は、生長を促すため水は多めに与え、規定濃度に薄めた液体肥料を、月間1~2回程度与えます。
- 株分け
- 適時期は、3~4月・秋が9~10月です。
- 挿し芽
- 適時期は3月~4月です、地下を這う根茎を切り取り、挿し芽にします。
- 植え付け・植え替え
- 適期は、4月・9~10月です。
- コンテナの場合、鉢の底から根が伸びてきたら一回り大きなサイズの鉢に植え替えするか、株分けをしましょう。
- 地植えの場合、基本的には植え替えの必要はありません。
育てるポイントは夏越しを上手に行う
- 水やり
- 適度な湿り気を好みます。地植え、鉢植え共に土の表面が白く乾いてきたら、タップリの水やりをします。
- 手入れ
- 梅雨時は、乾燥気味に管理しましょう。
- 早春から6月中旬までの育て方が、その後の生育に大きく影響するので、適度な湿り気を保ち、薄い液肥を月間2回程度は与えるようにしましょう。
- 病気→特になし
- 害虫→ハダニ 乾燥すると出やすいので、朝夕の葉水で予防します。
- 収穫
- 開花期に、茎ごと刈り取り乾燥させます。
- 日当たり
- 冷涼地向けのハーブで、日陰や北向きの場所でよく育ちます。薄日か木漏れ日が当たり涼しい風が通り抜けるような場所を好みます。
- 午後から強い日差しの当たる場所は避けましょう。