オレガノ ハーブ-夏に紅紫色の小花を咲かせる-イパネマおやじ
オレガノ (Oregano) は、ヨーロッパから東アジアにかけての、広い地域に自生している、多年草です。大別すると3種類に分けられ、一般的にオレガノというと「オリガヌム類」を指します。和名でハナハッカという別名もあります。茎が直立するタイプと、這うように横へ広がるタイプがあり、ミントに似た芳香をもっています。夏になると、細長く伸びた茎の先端に淡い紅紫色の小花を咲かせます。
料理に使われる風味あるハーブ
- 分類:シソ科ハナハッカ属 / 原産地:ヨーロッパ・アジア東部
- 学名:Origanum vulgare
- 別名:ワイルドマジョラム (和名・ハナハッカ)
- 園芸分類:宿根多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:30~90cm
- タネまき適期:4月~5月、9月中旬~10月中旬
- 苗の植え付け:4月~5月、9月中旬~10月中旬
- 植え替え:3月中旬~4月、9月中旬~10月中旬
- 株分け:3月中旬~4月、9月中旬~10月中旬
- 挿し芽:3月中旬~4月、9月中旬~10月中旬
- 開花期:6月~8月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- オレガノの仲間は、ヨーロッパ~北アフリカ、南西アジア~中央アジアに約20種が分布するシソ科ハナハッカ属の多年草です。紀元前より薬用として愛用されてきましたが、現在では食材としての利用が中心になっています。
- セージやタイム、マジョラムと同じシソ科の多年草で、香りもよくにています。特に同属であるマジョラムとは外観も、非常によく似ていて植物学上でも長い間混同されていました。マジョラムと比べるとさらに強く野性的な香味をそなえているので、ワイルドマジョラムという別名が付いています。
- 独特の風味はトマトチーズなどと相性が良くイタリア料理やメキシコ料理には、欠かせない食材です。
近縁種
オレガノの仲間は形態により、オリガヌム類とマヨラナ類、アマラスク類の3種類に大別されます。
- オリガヌム類→耐寒性が強く丈夫な種。一般的にオレガノと呼ばれるワイルドマジョラムと黄葉種のゴールデンオレガノ、斑入りマジョラム、花の美しいオレガノ・ヘレンハウゼン、イタリア料理に最適のグリークオレガノなどが入ります。
- マヨラナ類→この仲間は、スイートマジョラム、ポットマジョラム、ワイルドマジョラムとの交配種のイタリアンオレガノ、シリアンオレガノ、オレガノミクロフィルムなどが含まれます。
- どれも香りが強く料理に使われます、スイートマジョラムは、古代ギリシア、ローマ時代から幸せのシンボルとされ薬用や料理にもっとも使われてきたハーブです。
- アマラクス類→この種は、半耐寒性で高温多湿に弱く、ギリシアからアジアに分布しています。
- 花や苞葉が美しいものが多く、花オレガノと呼ばれています。八花やドライフラワー、ポプリに向いています。オレガノデイタニーオプクリートやオレガノプルケルム、オレガノ・ケントビューティなどがあり、苞葉が発達して大きく、ホップライクフラワーと呼ばれます。花序、草姿ともに美しいのが特徴です。
セージやタイム、マジョラムと同じシソ科のハーブ
- 適応
- 消化促進、発汗作用、殺菌効果
- ※妊娠中にオレガノ・ハーブティは飲まないようにしましょう。
- 料理・飲み物で楽しむ
- パスタ、ピザ、肉の煮込み料理、ソース、ドレッシング、ハーブティートマトと相性が良いスパイスです。葉は生でもドライでも利用できますが、乾燥させたほうがより強い芳香を楽しむことが出来ます。
- 用土
- チッ素分の少ない肥料と水はけがよく肥沃な土壌を好みます。
- コンテナの場合、市販の草花用培養土に赤玉土(小粒)やパーライトを1~2割混ぜ込んだ土、または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます(1㎡当り150g)さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当り2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 多肥になると、葉が茂りすぎます。そして香りが弱くなるので控えめに施す。
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春と秋に、様子をみて1~2回少量の緩効性化成肥料を置肥します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、春と秋に、様子をみながら1~2回少量の緩効性化成肥料を置肥します。
- タネまき
- 適期は、4月~5月、9月中旬~10月中旬です。タネの発芽温度は15~20℃です。タネが粒状で非常に細かいので、厚まきにならないように注意して箱や鉢に蒔いて、薄く土をかけ、発芽まで乾かさないように水やりしながら、暖かい場所で管理します。
- 箱まき(セルトレイが便利)かポリポットまきにします。箱まきの場合は、弱い苗を間引きながら本葉が2~3枚になり茎がしっかりしたら、ポリポットに移して仮植えします。ポリポットまきの場合も同様に、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに定植します。
- 植え付け
- 適期は、4月~5月、9月中旬~10月中旬です。梅雨~夏期は避けます。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。土と根をなじませて定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。植え付け直後にタップリの水を施します。(株間は30~50cm)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。堆肥を底に敷いて、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は30~50cm)乾燥気味に管理して、高温多湿に弱いので梅雨期に入る前に充分根を張らせます。
- 植え替え
- 適期は、3月中旬~4月、9月中旬~10月中旬です。
- コンテナの場合、根がよく張るので1~2年に1回を目安に行いましょう。一回り大きな鉢に底石を敷き、根鉢を軽く崩して古い土を落とし、傷んだ根は切り取ってから植え付けます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え替え直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。広がり過ぎる場合、掘り上げてコントロールします。
- 挿し芽
- 適期は、3月中旬~4月、9月中旬~10月中旬月です。若いワキ芽の先端から10~15cmの長さで切り取り挿し穂にします。(サイト内詳細ページ)
- 挿してから、約2週間で発根します。それまでは乾燥しないように管理します。実生は香味にバラツキが出るので、スイートマジョラム以外は、よい系統を挿し芽にして増やします。
日当たりと風通しのよい場所を好む
- 水やり
- 年間を通して、やや乾燥気味に管理します。コンテナの場合は、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
- 手入れ
- 非常に丈夫で育てやすい植物ですが、多湿には弱いので梅雨時期から夏季は、風通しを良くして蒸れないようにしましょう。
- 切り戻し→葉茎が茂って密生してきたら刈り込んで、混み合った部分を間引いて風通しを良くしてやります。仮に蒸れて腐ったり枯れそうな茎は、他に移るので早めに取り除いてください。
- 日当たり
- 明るい日陰でも育ちますが、日当たりの良い場所で育てましょう。
- コンテナの場合、多湿を避けるために梅雨時期は雨の当たらない場所に移しましょう。
- 寒さには強いので防寒の必要はありません。寒冷地では株元に腐葉土やワラなどを敷いて簡単な防寒対策をしてください。