サンシュユ ハーブ-春を告げる花木で切り花や庭木に利用-イパネマおやじ
サンシュユ (Japanese cornel dogwood) は、朝鮮半島原産の、落葉小高木です。日本には江戸時代に薬用植物として果実が渡来しました。今では、春を告げる代表的な花木の一つとして親しまれています。早春になると黄色い小花が多数(小花が30個くらい集合して直径2cmくらいの小さな花房をつくる)咲きます。葉が開く前に開花するので、株全体が鮮やかな黄金色で輝くようになることから、ハルコガネの別名があります。
美しい樹木で果実は薬用に利用される
- 分類:ミズキ科サンシュユ属 / 原産地:朝鮮半島
- 学名:Cornus officinalis
- 英名:Shan zhu yu
- 別名:アキサンゴ、ハルコガネバナ、(漢字表記:サンシュユ・山茱庾)
- 落葉高木・耐寒性 / 樹高:6~7m
- 開花期:3~4月上旬 / 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター・可能だが難しい)
- 特徴
- 名前のサンシュユは、中国の山茱萸を音読みしたものです。
- 秋になり紅葉の時期には、サンゴのように鮮やかな赤い色の実がなります。これに由来して、アキサンゴの別名で呼ばれています。庭木や公園樹,切花などで利用され親しまれています。
- 果実の種子を取り除き、乾燥させたものを生薬に利用します。山茱萸(ヤマグミ)という生薬で、強壮、滋養、解熱、収斂などに効能があり、八味地黄丸、牛車腎気丸などの漢方方剤に用いられます。
- 市場などで、和山茱萸(わさんしゅゆ)と称したものが売られていますがこれは、アキグミなどを乾燥させたものであれば本物の山茱萸ではありません。
果実の種子を取り除き果肉を乾燥させた生薬が山茱萸
- 適応
- 強壮、滋養、解熱、収斂
- 料理・飲み物で楽しむ
- サンシュユ酒(果実から種子を取り除き果肉を酒に漬けたもの)
- 用土
- 水はけのよい土壌であれば、土の質は選びません。
- 肥料
- 2月頃に寒肥として、油かすに骨粉を4割混ぜたものを、そして花後と8月には緩効性の化成肥料を与えます。
- タネまき
- 10~12月に熟した果実を採り、タネを取り出したら果肉を取り除き水洗いして、すぐにタネまきします。
- 春にまく場合は、湿らせた砂の中に埋めて乾燥させないよう保存します。発芽までには、時間がかかります。実際に発芽してから苗が育って花が咲くまでには2年の歳月がかかります。
- 接ぎ木
- 種子から2~3年かけて育てた苗を台木として接ぎ木をします。
- 植え付け・植え替え
- 10月中旬の落葉後から4月中旬の開花中まで植え付けは可能です。
- 水はけの良い新しい土に入れ替えます、株元の土を盛り上げてできるだけ排水性をよくして、支柱を立てます。
- 大株を植え替える場合は、あらかじめ秋の内に、根回しをしておき翌年の2月頃に植え替えます。
- 根回し→株の根元の周囲を堀って太い根を切り、細根を出させておくことです。細根が出ることで根付きがよくなり、掘り上げによる植え傷みを抑えることができます。
- 水やり
- 地植えの場合は、植え付けて後に根づいてしまえば、後は特に手入れの必要ありません。
- コンテナ・鉢植えの場合は、生育期に土の表面が乾いてきたらタップリと与えましょう。
サンシュユの手入れは何をすればいいの?
- 手入れ
- 株元から勢いよく伸びる枝は、横に張って場所をとり、徒長気味になった枝には花芽が付きません。
- 剪定→目的は、樹形を整えること、短い枝を増やすことで花つきをよくすることです。長い枝を切り戻し、太くて短い枝を増やすことで花付きがよくなります。
- 花後に新芽が伸び始める時期に、徒長した枝や細くて弱い枝などで、混み合っていると日光をさえぎり生育を妨げるので、必ず切り戻しをしておきましょう。
- 手入れをすることで、株の内部まで日光が当たり生育や花付きを、良くすることが出来ます。5月から落葉期から12月の冬にかけて随時に剪定をします。
- 初夏から夏の剪定→新芽の伸びが止まり、充実した頃に剪定を行うと再び新芽が伸び始め枝数が増えます。7~8月までには、翌年の春の新芽が枝の内部で形作られるので、この時期までには作業を終わらせましょう。ただし1~2月の厳寒期は、切り戻しを避けましょう。
- 病気→うどんこ病・・葉に白色のうどん粉のようなカビが生え全体に広がるので発生したらスグに薬剤散布をしましょう。空気が乾燥した時や茎葉が茂りすぎたときに発生しやすいので注意しましょう。
- 害虫→特になし
※ ハーブの栽培手入れ⇒トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 収穫
- 10~12月に熟した果実を採り、タネを取り出したら果肉を取り除き水洗いして、すぐにタネまきします。春にまく場合は、湿らせた砂の中に埋めて乾燥させないよう保存します。
- 日当たり
- 日当たりの良い場所を好みます。日当たりが良いほど花付きと色あいもよくなります。