肥料の成分とその効果-2 成分別の肥料効果を理解する-イパネマおやじ
自然の環境にある、野原などで育つ植物は、肥料がなくても花が咲くのに、庭植えた鉢植えの草花はなぜ肥料が必要なのでしょう?
肥料の使い方・実技編
- 無機質肥料を使うと土が荒れる原因
- 土が荒れるのは、無機質肥料が原因ではなく、土中の有機物が不足するためです。
- 有機物には土を良質にする、さまざまな働きがあり、不足すると逆に肥料が流出する、土が固くなる、通気性が悪くなるなどで、これらを土が荒れるといいます。無機質肥料は分解などのかてぢが不要でスグに肥料効果が現れるため、多少土が荒れていても植物の生育に必要な養分を補給することができます。
- しかし、よい植物を育てるには、有機質に富んだよい土づくりが基本であることには変わりはありません。そのために、農家などでは家畜のふんなどを含む敷きわらを発酵させた堆肥や、ほかの有機物で作った堆肥を畑土に混ぜ、常に植物にとって好ましい土の状態を作る工夫をしています。
- 庭や花壇でも、堆肥や腐葉土を1~2年に1回は土に混ぜ、鉢でも、植え付けや植え替えの際には腐葉土などを使った用土を使用します。
肥料やけを起こした株の回復法はどうするの?
植物の生育が悪いからと、スグに肥料を施す前に生育不良の原因を確かめましょう。
- 鉢植えの生育不良の主な原因
- 肥料の施し過ぎ
- 水の与え過ぎ
- 水やり不足
- 病気や害虫の発生
- 置き場所が不適当(日当たり・温度管理)
- 肥料焼けの対策
- 土中の養分を洗い流すつもりで、鉢穴から流れ出るほどたっぷりと水やりをします。
- しばらくの間は、肥料を施さずに水やりのみにして、根や新芽が伸び始めてから肥料を与えます。
- 肥料焼けのサインは、生育が悪くなり、葉の色が、濃い、くすんだような緑色になります。
- 極端に肥料過多の場合には、土の表面に白い塩分の結晶があらわれます。
肥料の成分とその効果・シリーズ(ページリンク) 肥料の成分とその効果ー1|肥料の成分とその効果ー2
肥料の消費量は植物により異なる
- どの植物も同じように養分を吸収するわけではありません。成長の早さや生育期間のちがいにより、頻繁に花が咲き続けるのかそれとも年1回しか裂かないのか、原種に近い植物か品種改良種かなど、植物の種類、特徴によって吸収量が異なります。
- 通常は生長が早く、生育期間が長く、花数が多く、改良が進んでいるものほど、肥料を多く必要とします。しかし、一度に大量の肥料を施しても、植物が吸収しきれないのでは意味がありません。こまめに少量ずつ肥料を施していくことが、植物には好ましいのです。
- 火山灰土はリン酸を多く必要とするの?
- 赤玉土や鹿沼土、黒土などの火山灰土は、リン酸分を吸着して離さない性質を持っているので、火山灰土を主体にした配合土には、元肥でリン酸をタップリと施すのがよいでしょう。元肥で施すのは・リン酸分は流失しにくい。
- 火山灰土の中に含まれるアルミニウムや鉄などは、リン酸と結合して不溶性になり植物が吸収できなくなる、という理由からです。元肥にはリン酸成分が多めに含まれている山型の緩効性肥料が適しています。追肥では、液体肥料で施す場合、山型の製品が多いので、特に問題はありません。
水平型が多く見られる置き肥用の固形化成肥料を使用する場合は、液体肥料を併用するとよいでしょう。