タイサンボク ハーブ-耐寒・耐暑・耐病性に優れ育てやすい花木-イパネマおやじ

タイサンボク Southern magnolia は、北アメリカ南部を中心にに分布する常緑性の高木です。街路樹として世界各地で目にすることができます。日本には明治の初期に渡来してきました。明治18年にアメリカ第18代大統領だったグラント夫妻が来日した折に、上野公園内に植樹をしたのが最初とされています。大領領はローソンヒノキ、婦人がホソバタイサンボクを植樹しました。

タイサンボクはモクレン科モクレン属

乳白色の大きな花をつけ芳香を放つ

  • 分類:モクレン科モクレン属 / 原産地:北アメリカ南部
  • 学名:Magnolia grandiflora
  • 別名:ハクレンボク
  • 常緑高木・耐寒性 / 樹高:20~30m
  • 開花期:5~7月 / 栽培方法:鉢植え、地植え(街路樹、庭園樹)
  • 特徴
  • 上野公園内のグラント将軍植樹碑と共に”グラント玉蘭”と名づけられて現在も見ることができます。世界的に広範囲に栽培されている樹木で、自然樹形は大型で広い場所を要するので、公園や街路樹として育てられています。
  • スペースが限定される場所で栽培するなら、雄大な魅力は半減しますが、剪定で樹高を2mくらいに抑えても開花するので、庭木としても栽培できます。晩秋から初夏にかけて、乳白色の大きな花をつけて芳香を放ちます。
  • 成木は10~20m以上になり、ゆったりと枝を広げた姿は雄大さがあります。常に葉は濃緑色で光沢があり長い楕円形で、15~20cmです。葉裏は淡い褐色の毛が密集して布地を貼り付けたようです。
  • 近縁種
  • 最も近い仲間の、ヒメタイサンボク(M.viginiana )は、花や葉が小型です。やや耐寒性は劣り、寒冷地では落葉することもあります。
  • ホソバタイサンボク(M. grandiflora var.laceolata)が広く栽培されています。ホソバの方が葉が細くて薄く葉の縁は波打ちしなくて、葉裏に生える毛が少なくやがて脱落します。まず見ただけでは、その違いは分かりにくいです。
  • 家庭用には樹高の低い園芸品種のリトルジェム(M.grandiflora ‘Little Gem’)が栽培されることが多いようです。

タイサンボクはアメリカ南部原産

  • 適応
  • 高血圧、鼻づまり、花粉症、頭痛
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • なし
  • 用土
  • すこし湿り気のある肥沃な土壌を好みます。やせた土地なら腐葉土を入れたり、他所の場所から肥えた土を移してくるなどです。
  • よい腐葉土とは→市販されている腐葉土には、品」質の差があります。購入する際に、熟度をよく確認しましょう。より熟しているものがよいのですが、
  • 未熟な腐葉土は十分に腐りきっておらず、葉の原型を残したものが多く混じっていたりします。それに、匂いも少々残っていて、樹脂成分の多い松などの針葉樹の葉が混じっている商品もあるので注意してください。
  • 完熟した腐葉土は、葉の断片が1~2cm程度で黒い色をしており、匂いが、ほとんどありません。
  • 肥料
  • よほどの痩せた土地でなければ、肥料は与えなくても問題ありません。
  • 大きく成長させたい場合は、3月頃と花後すぐに、油かすと化成肥料を同量混ぜたものを少量あたえると効果があります。

タイサンボクは常緑高木

大樹になるので地植えの場合は剪定をして2m程に

  • 接ぎ木で増やす
  • 適期は3~4月頃です。
  • 基本的に接ぎ木でふやします。タイサンボクはタネの発芽率が低く、タネでの増殖が難しいので、流通しているものはほとんど接ぎ木で増やされています。
  • コブシを台木にして接ぎますが、慣れなければ難しいです。
  • 植え替え
  • タイサンボクは、根が太くて粗く軟らかいので、大きくなったものを掘り上げて他の場所に植え替えても根付きが悪く、枯れてしまいます。
  • 苗の植え付け
  • 適期は春から秋です。一度植え付けると植え替える必要はありません。
  • 水やり
  • やや湿り気のある土壌を好みます。
  • 地植えの場合は、植え付け直後のみで、根付いたら水やりをする必要はありません。
  • 鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたらタップリと水やりをしましょう。

タイサンボクは大きな白い花を咲かせる

ハーブの仕切りライン

タイサンボクの手入れは何をすればいいの?

  • 手入れ
  • 剪定→適期は秋の10~11月頃か、真冬を避けて翌春の3月頃です。花が散って間もなくすると枝の内部で花芽が形成されます。秋になると葉芽と区別できるくらい生長します。秋になってから剪定するのは、花芽と葉芽が区別しやすくなるからです。
  • 手入れをされるのをあまり好みませんが、樹高を抑えたい場合には先端を切り取ったり上の部分の枝を切りとって間引きをします。枝を切り取る場合は、分かれている付け根から上の約1cmで葉を残して平らに切ります。枝を長く残したり、途中で切ると枯れ込みやすいので要注意です。
  • 花芽は短い枝や、勢いの弱い枝に付きやすい傾向があるので、間延びした枝や勢いの強すぎる枝は切り落としてもかまいませんが、短い枝はいじらないようにしましょう。ある程度生長すれば自然に樹形がまとまるので株が極端に広がらなければ切り戻しをする必要はありません。
  • 病気→特になし
  • 害虫→カミキリムシ(テッポウムシ):株元や幹の途中に、おがくずのようなものが落ちていたら幹の中にカミキリムシの幼虫が潜んでいる可能性があります。放置すると、樹が弱ったり枯れてしますので早めの対処をしましょう。
  • 幹の穴から薬剤を吹き込むか、針金などで捕殺します。

※ ハーブの栽培手入れ⇒トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。

  • 収穫
  • ツボミを採取して陰干しにする。
  • 葉は開花期に採取して刻んでから、陰干しにして乾燥させる。
  • 日当たり
  • 日当たりの良い場所を好みます。
  • ある程度の耐寒性はありますが、寒さの厳しい地域では落葉する場合があり、厳寒地での地植え(庭園、露地栽培)は避けたほうがよいでしょう。
  • 鉢植えの場合は、霜や寒風を避ける場所や、室内に移動してやりましょう。

ハーブの仕切りライン