チコリ ハーブ-香りと苦味がある歯ざわりのよい野菜-イパネマおやじ
チコリ chicory は、野生種はヨーロッパから北アフリカ、シベリアに分布してヨーロッパで栽培化されました。株の大きさは40~50cmで、開花期には草丈は100~150cmにもなります。根出葉で、明緑色の細長く先が尖った葉を持ち、3cmくらいの薄青紫色の花を咲かせます。
毎朝あたらしい花を咲かせ昼過ぎには閉じる
- 分類:キク科・キクニガナ属 / 原産地:ヨーロッパ・シベリア、アフリカ北部
- 学名:Chicorium intybus
- 別名:アンディーブ・サッカリー(和名・キクニガナ)
- 多年草(園芸上は1年または2年草として栽培)・耐寒性 / 草丈:120~150cm
- 開花期:6~10月 / 栽培方法:地植え、(大きくなるので鉢植えはお勧めしません)
- 特徴
- 毎朝、新しい花を咲かせますが、昼過ぎには閉じてしまいます。きれいな薄青紫の花は、観賞用としても十分に楽しめます。軟白栽培した葉は野菜として、ほろ苦くサラサラとした食感で愛用されます。
- 乾燥させた根をティーとして、ローストしたものはコーヒーの代用として広く知られています。
- 穏やかな強壮作用があり、気管支炎や貧血の症状を改善するといわれています。
- 日本への渡来は、明治初期ですが近年まで、あまり普及はしませんでした。
- 注:チコリコーヒー→掘り上げて乾燥させた根を、細かく刻んで煎ったものを、コーヒーと同じくドリップしたものです。第二次大戦中のヨーロッパでは、産地からコーヒー豆を輸入することが出来ず、チコリが原料の代用コーヒーとして飲まれていました。
- 元々チコリコーヒーが開発されたのは18世紀のドイツ国王が、広く国民が愛飲していたコーヒーの生豆輸入による、外貨の流出を防ぐためにコーヒー禁止令を制定しました。どうしてもコーヒーを飲みたい庶民が試行錯誤の結果、代用品として作り出したといわれます。
- 適応
- 強壮、貧血、気管支炎、利尿
- 料理・飲み物で楽しむ
- 飲み物で楽しむ:チコリコーヒー、軟白栽培した葉をサラダやグラタンに利用されています。
- 用土
- アルカリ性土壌を好みます。腐葉土4:赤玉土6の割合で混ぜ込んだ土に、さらに苦土石灰を混ぜて耕しておきます。耕す際は、深く掘り下げておくと根の生育が良くなります。
- 肥料
- やや肥料を好みます、植え付ける2~3週間前に、予め元肥の有機肥料を混ぜて耕しておきます。
- 3~5月・10~11月の期間は追肥として、薄めた液体肥料を与えます。他にも、置肥として固形肥料を与えましょう。
チコリの増やし方は?
- タネまき
- 通常の適時期は9月、軟白栽培は5~6月です。
- 植えつけ
- 苗は、元肥を混ぜ込んだ土に株間20~30cmで植え付けます。軟白栽培の場合は、植え付け時期は9月です。
- ※軟白栽培→初夏に種子を蒔き、5ヶ月くらい株を育てた後に堀り上げてから、植え付けをします。約4週間すると収穫できます。
- 秋に根を掘り上げ、腐葉土を混ぜた用土に、上部が隠れるくらいに植え込み、10℃以上の場所でほぼ100%遮光して、15~20cmまで育てます。
- 冬野菜としてサラダやグラタン、炒め物に利用します。用土を入れる容器は、7号鉢以上の素焼きの鉢に、掘り上げたチコリを3株植え付け、同サイズの鉢を被せるか、黒いビニール袋やダンボールなどで覆いをします。
観賞用ならば日光に当てても問題ない
- 水やり
- 適度な湿気を好みます。土の表面が乾いてきたらタップリと水を与えましょう。
チコリに必要な手入れは?
- 手入れ
- 暑さに弱いので、夏は直射日光が当らない場所を選んで植え付けますが、それでも当る場合は日除け対策には柵や板などで、遮蔽物を設置しましょう。株元にワラや腐葉土を敷いてやる等の工夫をしましょう。
- 花茎が高くなるので一度咲いたら時期をみて根元から切り取ります、そうすると再び新しい花茎が出てきます。丈が高くなり倒れやすくなるので支柱を立てましょう。高温多湿が嫌いなので、手入れして環境を改善しないと病気の原因になります。
- 病気→高温多湿だと軟腐病、芯腐れが出やすい
- 害虫→ハダニ、アブラムシ 早期発見して駆除すれば無農薬で栽培可
※ ハーブの栽培手入れ⇒トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 収穫
- 軟白栽培した根の収穫は、秋になり掘り上げた根を再び、用土に植え付けてから約4週間後です。
- 日当たり
- 日当たりの良い場所を好みます。寒さには強いので、冬越しの対策は必要ありません。