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- ディル (Dill) は、春になると複散形花序に黄色い花を咲かせます。日本の食卓には、まだ馴染みのうすいハーブですが、家庭の食卓には是非ほしい味わいのあるハーブです。
- ディルは1年草なので、毎年種子を作って自然にタネを落として翌年も芽を出します。交雑すると芳香が失われてしまうので、特に近くにフェンネルを植えると交雑しやすいので注意しましょう。
葉は軽やかな辛味があり料理の香り付け
- 分類:セリ科イノンド属 / 原産地:インド、イラン、西アジア
- 学名:Anethum graveolens
- 別名:イノンド (和名・ヒメウィキョウ)
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(普通)、耐暑性(普通)
- 草丈・樹高:80~120cm
- タネまき適期:4月~5月、9月中旬~10月中旬
- 苗の植え付け:4月~5月、9月中旬~10月中旬
- 植え替え:なし
- 開花期:5月~7月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- ディルは、西アジアからインド、イラン、今では広くヨーロッパ地中海沿岸にも分布しています。栽培の歴史は古く古代エジプト時代にまでさかのぼり新約聖書にも登場しているそうです。dillの語源は、古代北欧の言葉で「なだめる、穏やかにする」といういみだそうです。
- 軽やかな辛味のある葉は、ピクルス、酢、魚、卵との相性がよいハーブとして愛用されています。サーモンマリネの上に乗せてあるのを見かけますね。種子はスパイスとして利用します。スカンジナビア料理には、よく利用されているのが有名です。ヨーロッパでは、魚との相性がよいので愛用され、特に北欧ではサーモン料理には必ずといってよいほど使われるそうです。
- 薬草として、民間療法にも用いられてきました。葉茎の持っている独特の芳香は、神経を鎮めるのに用いられました。日本に渡来したのは、江戸時代の中期で生薬として利用されていました。ハーブとして料理やハーブティーとして利用されるようになったのは、ごく最近のことです。
観賞用としても楽しめるハーブ
- 料理・飲み物で楽しむ
- ピクルス、魚料理、ハーブティー
- 用土
- コンテナの場合、8号鉢か65cmプランターを使います。市販の草花用培養土かハーブ用培養土、または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。野菜の場合、酸性土壌が苦手なので、苦土石灰を混ぜ込みます。
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます(1㎡当り100~150g)さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当り2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、3月~5月、9月~10月の間、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は必要ありません。
- タネまき
- 適期は、4月~5月、秋は9月中旬~10月中旬月です。移植を嫌うので、定植するコンテナや花壇に直接まいて、間引きをしながら育てます。
- 春まきの場合、初夏には花が咲いてしまうので短い間しか、葉の収穫ができません。秋まきの場合は、翌春になって花が咲くまでの間、葉の収穫ができます。
- ポリポットまきにして苗を育てます。弱い苗を間引きながら、本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇や鉢に定植します。
- コンテナ(8号鉢か65cmプランター)へ直まきする場合、「用土」と「肥料」の項目で準備した土をコンテナへ入れます。8号鉢では、4~5粒をまき、1株に仕立てます。65cmプランターでは、1穴に4~5粒、3~4株を目安に仕立てます。
- 花壇へ直まきする場合、幅100cmの畝を立て、2筋のまき溝を作ります。タネが重ならないようにまいて、間引きながら株間25cm以上空けて仕立てます。
- 植え付け
- 育苗ポットで育てた苗や、購入した苗を植え付けます。適期は、4月~5月、9月中旬~10月中旬です。
- コンテナの場合、8号鉢か65cmプランターに鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。土と根をなじませて定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cmプランターだと3株が目安)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。(株間は25~30cmで植え付けます)
- 水やり
- 少々湿り気のある場所を好むので、乾燥させないように管理します。
- 鉢植えの場合は、表面が乾いたらタップリと水やりをしましょう。鉢底から水が流れ出すくらいに、与えましょう。春は朝夕の2回タップリと与えます。
ピクルスや魚料理に利用される
- 手入れ
- 株が生長してきたら支柱を立てる。水きれさせないように管理しましょう。
- 病気→なし
- 害虫→アゲハチョウ 好んで卵を産み付けます、見つけ次第に取り除きましょう。孵化した幼虫が葉を食べてしまうので、定期的にチェックしてください。
- 収穫
- 適期は5~7月です。
- タネを収穫する場合は、開花後に熟して褐色になった頃に、株の根元から刈り取り風通しのよい場所で吊るして乾燥させます。
- 葉の収穫は、株の下の部分から摘み取って収穫します。
- 葉の収穫のみで、種子は収穫しない場合は、20cmくらいに育ったら順次刈り取ってしまいます。
- 花が咲くと葉は硬くなってしまい、食用には適さなくなるので、開花前に収穫しましょう。
- 日当たり
- 普通のハーブ以上に、日差しに強く日当たりを好むので日陰になる場所は避けましょう。日当りが悪くなるほどに、収穫量が減ります。