ベニバナ ハーブ-キク科一年草で種子から紅花油が採れる-イパネマおやじ

ベニバナ safflower は、春か秋にタネまきをすると、初夏~夏にかけて花を咲かせるキク科の花です。古代エジプトのミイラの衣服は、ベニバナの染料で染められていたことで知られています。現在も、染料や化粧品の原料として利用されていて、広く栽培されています。花は染料や化粧品、薬用に利用されタネから紅花油が採れます。

ベニバナはキク科ベニバナ属

アザミに似た花は染料や漢方に利用

  • 分類:キク科ベニハナ属 
  • 原産地:エジプト、地中海沿岸、アジア南西部
  • 学名:Carthamus tinctorius
  • 別名:スエツムバナ(末摘花)、サンフラワー
  • 1年草または越年草・半耐寒性(~-10℃) / 草丈:60~120cm
  • 開花期:6~7月 / 栽培方法:地植え、鉢植え(プランター)
  • 詳細
  • 一般には越年生草本ですが、春に播種(ハシュ)すると1年生草本になります。(※播種とは:作物の種をまくこと。タネまき)
  • わが国へは、3~4世紀頃シルクロードを経て渡来しました。日本の古書「本草和名(ほんぞうわみょう)」に記述があり、万葉集に「末摘花(すえつむはな)」「くれなゐ」として度々登場します。また、源氏物語の巻名(第6帖 末摘花)」にもなっているほど古くから親しまれている植物です。
  • 夏になると真っすぐに伸びた茎が枝分かれして先端に鮮黄色から紅黄色に変わる花を咲かせます。葉は長楕円形から広披針形で、縁にはギザギザの鋭い鋸歯があります。色合いは異なりますが、アザミに似た姿をしています。

ベニバナは一年草です

頭頂花の末端の花弁を摘むので未摘花とも呼ぶ

  • 適応
  • 腰痛、冷え性、更年期障害
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • ベニバナ油、ベニバナ酒
  • 用土
  • 水はけのよい、堆肥や腐葉土がタップリ入って有機質の土壌を好みます。乾燥気味を好み、酸性をきらうので植え付ける前に花壇の土をよく耕して、苦土石灰を混ぜ込んで中和しておきます。石灰を入れた後、すぐには植え付けをしないで10日から2週間程放置して馴染ませます。
  • 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合の用土に苦土石灰を少量だけ混ぜ込みます。
  • 肥料
  • 肥料は控えめが基本です。
  • 地植えの場合、土をよく耕して堆肥と腐葉土を入れて、ゆっくりとした効き目のある緩効性化成肥料を一緒に混ぜ込んでおきます。
  • 鉢植えの場合、植え付け前に、用土に緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおき、追肥として月1回のペースで液体肥料を与えます。
  • 肥料が過多になると草丈は元気よく伸びて、茎も太くなりますが株全体の強度が軟弱になり倒れやすくなります。

ベニバナはドライフラワーにも利用される

  • タネまき
  • 適期は秋まきが9~10月、春まきが3~4月です。
  • 秋にまいた方が、生育期間が長いので株が大きく育ち花もよく咲きます。平地や暖地で秋まきの場合、開花期は5~6月。
  • 春まきの場合、7月頃が開花期です。
    他にも、春まきは開花時期が梅雨と重なり、花が雨に当たるとカビが生えやすい植物なので、地域によっては不向きといえます。
  • 寒冷地の場合、雪解けを待って春先から4月下旬以降にまいた方がよいでしょう。
  • 直根性で、真っすぐに下へ伸びるので、苗を育ててから植え替えのために、移植をしようとすると根を傷めやすく、タネは直まきにしたほうがよいです。直まきして、間引きしながらそのまま定植させてください。
  • 他には、ビニールポットにタネをまいて本葉が5~6枚に育ったら、定植場所に畝幅60~70cm位にしてタネが重ならないようにして植え付けます。
  • ポットから根鉢のまま、土と根をくずさないで抜き取り植え付ければ、根を傷めるリスクが軽減されます。
  • 植え付け・植え替え
  • ビニールポットで育てた苗を、植え付ける場合は株間を20~30cm以上空けましょう。
  • 花が咲いた後、結実したら枯れてしますので植え替えの必要はありません。

ベニバナは英名がsafflower

ハーブの仕切りライン

黄色から徐々に橙色を帯びてから鮮紅色に変わる

  • 水やり
  • 乾燥気味を好み、ジメジメした湿気の多い環境を嫌うので水やりは土の表面が乾いてから与えます。
  • 土の表面が乾いた日から、2~3日経って位のタイミングが基本ですが、よく観察して対処してください。
  • 高温多湿期に、葉に水が直接かかると、炭疽病の原因となるので、水が飛び散らないように株元からユックリと水やりをしましょう。
  • 手入れ
  • 草丈が勢いよく伸びて倒れやすいので、早めに支柱を立てます。開花した花が雨などで濡れると、灰色カビ病によりカビが発生することがあります。もしカビが生えてしまったら、放置しないでこまめに摘み取ります。
  • 花芽を摘む→灰色カビ病の対策のために、こまめに開花して濡れたり枯れた花を摘み取りましょう。
  • 病気→炭疽病 高温多湿の時期に発生しやすい病気です。葉茎に小さい斑点ができて、やがて褐色の斑点になります。発生初期なら薬剤の効果もありますが、雨風によって他の株へも伝染するので、発生した株は早めに抜き取り処分したほうがよい。
  • 種子伝染もするので自家採取のタネは殺菌剤で消毒してから、まきましょう。
  • 害虫→アブラムシ

※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。

  • 収穫
  • 7月の上旬~中旬に開花します。加工品にする場合は、7~8分咲きで収穫します。
  • ベニバナはトゲがあるので、すり花や紅もち等にする場合は、早朝の朝露が残る頃に収穫、乱花にする場合は晴れた日の日中に収穫します。
  • ドライフラワーにする場合は、満開時に株元から切り取って、風通しのよい日陰に干しておきます。
  • 日当たり
  • 日当りがよく、風通しのよい場所を好みます。
  • 乾燥した気候を好むの性質なので、20℃前後の気温でよく育つ草花なので、高温多湿を嫌います。
  • 半耐寒性(~-10℃)で、比較的低温には耐え、雪や霜に当たっても枯れることは少ないです。寒冷期は、ワラや腐葉土などで株元を覆うなどして防寒対策をしましょう。

ハーブの仕切りライン