ベルガモット(モナルダ) ハーブ-初夏から秋にかけ輪散状の花を咲かせる薬草-イパネマおやじ

  • ベルガモット (Bergamot) は、花の形が燃え上がる炎のような形をしていることから、タイマツバナの和名もある北アメリカ原産の多年草です。赤、白、ピンク、紫などカラフルで美しい花を咲かせます。葉や花をハーブティーとして利用することも出来ます。
  • 全草に爽やかな芳香があります。ベルガモットの名前は、イタリア産のベルガモットオレンジの香りに似ていることから名付けられました。ハーブティーとして楽しむ場合は、生葉を紅茶に浮かべたり、花や葉を乾燥させて利用することもできます。乾燥葉のハーブティーを煎れるとアールグレイに似た香りがあります。
  • (※ ミカン科の植物にも、ベルガモット・Bergamot(Citrus x bergamia)という同名の植物があります)

ベルガモットはシソ科ヤグルマハッカ属

燃える炎のような形をした花

  • 分類:シソ科ヤグルマハッカ属(モナルダ属) / 原産地:北アメリカ
  • 学名:Monarda sp.
  • 別名:モナルダ(英名・Monarda)、ビーバーム、ホースミント、タイマツバナ(松明花)、ヤグルマハッカ(矢車薄荷)
  • 園芸分類:一年草 または多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(強い)
  • 草丈・樹高:60~100cm
  • タネまき:3月中旬から5月、秋は9月中旬~10月中旬
  • 苗の植え付け:3~4月、9~10月(育苗後または流通する苗もある)
  • 植え替え:3~4月、9~10月
  • 株分け:3~4月、9~10月
  • 挿し芽:4月~5月
  • 開花期:6月~9月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
  • 特徴
  • ベルガモットは、北アメリカに約20種が分布するシソ科モナルダ属(ヤグルマハッカ属)の、一年草または多年草です。観賞用として栽培されている主な品種は、タイマツバナとも呼ばれるモナルダ・ディディマ (Monarda didymae) や、ヤグルマハッカの和名があるモナルダ・フィスツローサ (M. fistulosa) です。その他にも多くの園芸品種が作出され流通しています。
  • 開花期の6月頃になると、真っ直ぐに伸長した茎頂部に花径5~8cm程の頭状花を咲かせます。この花は、筒状の先端が上下に分かれて唇のような形になる唇状花です。小さな唇形花の集合体で、中心から放射状に伸ばして花を形成します。
  • 一般的には、ビーバームやモナルダなどの名称でも呼ばれますが、モナルダ (Monarda) は学名でもありモナルダ属の総称です。ビーバームの由来は、花が甘い香りとミツバチが好む蜜を備えていることからだといわれます。
  • 近縁種 
  • ワイルドベルガモット(M.fistulosa var. menthaefolia)→変種名のmenthaefoliaは、葉がミントに似ていることから付きました。大振りの見事な花を咲かせ、葉は料理の香味付けに利用される。
  • ベルガモット・パープル(M.didyma “Purple”)→ベルガモットの紫の花色の園芸品種。多数の園芸品種が出されています。切花に適しています。
  • レモンベルガモット(M.citriodora)→レモンの香りのする葉を持つ。フレッシュでもドライでも花もちが良い種です。
  • ベルガモット・クロフツウェイピンク(M.didyma ‘Croftway Pink’)→ベルガモットの園芸品種、ピンク色の花が美しく、葉にほのかな香りがある。
  • ベルガモット・ケンブリッジスカーレット(M.didyma ‘Cambridge Scarlet’)→大型の真っ赤な花を咲かせます。

ベルガモットまたはモナルダ

利用法や効能と食用に使える

  • 適応(ハーブ、漢方としての適用)
  • 胃腸障害、食欲促進、抗菌、月経痛、気管支炎
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • 若い芽はサラダ、ワインの香り付け、詰め物料理に。花びらは、サラダに添えたりクッキーやパンに入れる。ハーブティーにも。
  • 用土
  • コンテナの場合、市販の草花用培養土、または腐葉土3:赤玉土(小粒)6:バーミキュライト1の割合で混ぜ込んでおきましょう。(バーミキュライトは水もちをよくします)
  • 地植えの場合、植え付けの1週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、掘り起こした土に土壌改良用の腐葉土と赤玉土などを(1㎡当たり2~3kg / 土壌の2~3割位の配合比率)を混ぜ込んでおきます。過湿は嫌いますが、やや湿気のある土壌を好みます。
  • 肥料
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、春と秋に、緩効性化成肥料を置肥、加えて春から開花までの間、月2~3回規定値に希釈した液肥を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として緩効性化成肥料(1㎡当たり60g)を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、3月~4月の間、秋は9月~10月に、緩効性化成肥料を置肥します。
  • 肥料食いですから、生育期に肥料が切れると枯れることもあるので注意しましょう。

ベルガモットは多年草です

  • タネまき 発芽適温15~20℃
  • 適期は3月中旬から5月、秋は秋は9月中旬~10月中旬です。
  • 箱まき(セルトレイが便利)かポリポットまきで、1ケ所に数粒まいて覆土は1cm程です。箱まきの場合は、弱い苗を間引きながら本葉が2~3枚になり茎がしっかりしたら、ポリポットに移して仮植えします。ポリポットまきの場合(箱まきからポットに移植した苗も同じ)、薄めの液体肥料を施しながら本葉が5~7枚になって茎がしっかりしたら、花壇やコンテナに移して定植します。
  • 植え付け
  • 適期は、3~4月、秋は9~10月です。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土をコンテナに入れます。根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。根を土になじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、3~4月、秋は9~10月です。
  • コンテナの場合、根の生育が旺盛で、根詰まりしやすいので、年に1回植え替えましょう。
  • 地植えの場合、同じ場所で1~2年以上が経つと、株が混み合ったきて風通しが悪くなります。3年位までは刈り込んでやることで対処できますが、いずれ限界になるので3~4年に1回は、株分けを兼ねて植え替えましょう。
  •  挿し芽
  • 適期は4~5月です。
  • 元気な地下茎を先端から10cm位で切り取り、挿し込む部分の葉を取り除き約1時間ほど、水に浸けて吸水させてから、川砂かバーミキュライトに挿します。根が出るまで、乾燥させないように明るい日陰で管理します。
  • 株分け
  • 適期は3~4月、秋は9~10月です。
  • コンテナの場合、の株分けを兼ねて2年に1回は植え替えして若返りをさせるのがよいです。秋に植え替えをする時は、株元から15cm位の高さで茎を刈り取ってから、堀り上げて地下の茎を切り分けます。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。地下茎がよく増えるので、増えすぎた際には株分けを兼ねて植え替えしましょう。

モナルダ

ハーブの仕切りライン

日当たりと水はけのよい場所を好む

  • 水やり
  • 過湿は嫌いますが、やや湿気のある土壌を好みます。
  • 乾燥すると生育不良になるので、特に真夏はマメな水やりが必要です。基本は土の表面が乾いたらタップリと水をやるようにしましょう。
  • 手入れ
  • 花が咲き終わったら、花首のあたりで切り落とします。ベルガモットの枯れた花を放置しておくと、タネが出来て栄養をとられてしまったり、株が疲れてしまい開花期間が短くなったり、葉が枯れてしまいます。
  • また高温多湿の時期には、枯れた花からカビが生えて病気の原因になるので、定期的に殺菌剤を散布してして予防をしましょう。
  • 株が大きくなって枝葉が混み合ってくると、蒸れてきて下葉が枯れ上がってきたり病気にかかり易くなるので、混み合った部分は刈り込みをして風通しを良くしましょう。

※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。

  • 収穫
  • 花が咲き終わる頃に花茎の根元から刈り取ります。適期は7~8月です。
  • ベルガモットの葉は、レモンのような香りがします。チモールと少量のカルバクロールを含んだ精油が採れます。若い芽はサラダや、ワインの香り付けや詰め物料理に利用します。
  •  日当たり
  • 日なたを好みますが真夏の強い直射日光に当たると、乾燥して生育が衰えたり葉焼けをおこします。
  • レイズベッド花壇など地植えする場合は、午前中は日当たりが良く、午後は日陰になる場所を選んで植え付けをしましょう。
  • 鉢植えの場合は、夏は半日陰に移してやり、他の時期は日当たりの良い場所に置いてやりましょう。

苗色大