夏越し 植物のある日中温度を下げる工夫をする-イパネマおやじ
栽培環境の日中の、最高温度が適正温度の上限を越えないようにしましょう。栽培植物の多くの生育適温は、15~25℃くらいです。特に夏場は、この温度を越えやすく、植物は生育をやめ生命を維持するだけの活動になります。適正温度に対して、温度が上がったり下がったりすると、生育に悪影響を与え植物が衰弱します。
真夏の暑さから植物を守るために
高温化する日中の温度管理
関東地方以西の夏は、熱帯よりも暑いといわれるほどの、高温多湿の気候になるので植物にとっては厳しい環境といえます。気温が30℃を超えると、生育が著しく低下して、さらに高温になり生育温度の上限を越すと、枯れてしまう恐れがあります。そのため、夏の間は植物が過ごしやすい環境で栽培する必要があります。
夜間の高温状態にも注意が必要
- 地球温暖化や都市化で、地表は夏の日中温度が40~50℃にも達します。そのため、アスファルトやコンクリートにたまった熱が冷めずに、夜間になっても気温が下がらないため、植物はゆっくりと休むことができずに、弱ってしまいます。(光合成でできた糖が、植物の中を移動できない)
- 昼間はもちろんのこと、夜間の生育環境の温度も下げるようにしましょう。
東向きの軒下の植物は
- 風通しがよく、日の出から午前中の10時くらいまで日が当り、午後は日陰になる庇(ひさし)の下などに置きます。
- 直射日光の当らない場所に置く
- 風通しのよい場所に置く
- 二重鉢にして気化熱を利用する
- 水分が蒸発するとき、周囲の熱を奪う作用を利用して涼しい環境を作り出し、暑さに弱い植物の夏越しを補助します。
- 特に高山植物などの暑さを嫌う植物は、夏の期間を二重鉢にして風通しの良い、明るい日陰に置いてやりましょう。
- ※水やりは外側の鉢にも与えるのを忘れないでください。
夏の水やりは朝夕の涼しい時間帯に
- 朝夕の涼しい時間帯に冷たい水を与えます。鉢植えの場合、日中は鉢土が乾き植物が萎れていたら、タップリと水を与えましょう。
- 真夏は、日差しが強くなり温度が上がる前にタップリと水を与えましょう。また、夕方の日暮れ時に、株全体にシャワーをかけ鉢などの周囲にも打ち水をして、植物と周囲の温度を下げるようにします。こうして回りの環境を整えることによって、夜間にスムーズに糖の移動ができて日の出と共に光合成が行われます。
- バラ等は、たまにハダニの除去のためにも葉水を与えましょう。
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水やりの時間帯
- 朝→気温が高くなる前に、株全体、鉢土の表面にかける。鉢の底穴から流れ出るまでタップリと水を与えます。
- 昼→植物がしおれたら、日中であっても、水が鉢の底穴から流れ出るまでタップリと与えましょう。その日の気温が上限温度を超えるほど高い場合は、鉢の周囲にも打ち水をして、気化熱を利用して周囲の温度を下げるように配慮しましょう。
- 夕方→日が沈むころ、日中の余熱が株全体と容器の鉢に残っているのを下げるために、鉢の底穴から流れ出るほどタップリと水を与えます。そして鉢の周囲にも打ち水をして夜間の温度が下がるようにします。