レモンバーム ハーブ-全草に淡いレモンに似た芳香がある-イパネマおやじ
レモンバーム (Lemon balm) は、葉を揉んでみると淡いレモンの香りを放ちます。古くから、薬用、料理に広く用いられてきました。蒸気蒸留で抽出された精油は、香水などの原料に利用されます。
葉を揉むと淡いレモンの香りがする
- 分類:シソ科・セイヨウヤマハッカ属 / 原産地:ヨーロッパ南部
- 学名:Melissa officinalis
- 別名:(和名:セイヨウヤマハッカ)
- 多年草・耐寒性 / 草丈:30~60cm
- 開花期:6~7月 / 栽培方法:地植え、鉢植え
- 特徴
- 葉の形は、大葉に似た葉は、縁が緩やかなギザギザになっていて縦長のハート型で葉脈が網目状に入っています。夏になると小さなオフホワイトの花を咲かせ、晩秋になると薄い青色に変化します。
- 学名のメリッサはラテン語で”蜜蜂”を意味し、花にミツバチが好んで集まるところから、この名前がついたと言われます。レモンに似た芳香はありますが、酸味が無いのでティーにしたり、料理、入浴剤、ポプリに利用されます。
精油を抽出して香水の原料に利用
- 適応
- 胃腸強壮、解熱作用、発汗作用、頭痛、鎮痛、リラックス効果
- 料理・飲み物で楽しむ
- 生葉はドレッシングやソース、ワイン、紅茶の香り付け(乾燥させたものは、ポプリや入浴剤に)
- 用土
- 水もちの良い肥沃な土壌を好みます。
- 腐葉土3:黒土3:ピートモス2:バーミキュライト2の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 肥料
- 植え付ける際に、緩効性の肥料を混ぜ込みます。追肥として化成肥料を株元にかからない様に与えます。
- 夏場に茎を刈り込んだ後に、お礼肥を与えると、新芽が出てきて、改めて収穫が出来ます。
- タネまき
- 適時期は4~5月・秋が10月です。
- 育苗用の連結ポットに培養土を入れ、表面を指先で軽く押して窪みをつくります。丁寧にタネをまきます。隠れる程度に薄く土をかぶせ、上から軽く押さえて土とタネを密着させ、タップリと水を施します。
- 挿し芽
- 適時期は4~5月・秋が10月です。
- 葉の穂が3節くらい取れる茎を探して、葉の節の少し下でカットします。茎の下部2節くらいの葉を落とし、先端の節の葉をのこした茎で、挿し穂をつくります。(土に挿す前に、約1時間くらい水に浸しておきます)
- 株分け
- 適時期は4~5月・秋が10月です。
- 植え付け・植え替え
- 株が、年を重ねて老化してくると生育が衰え、葉が小さくなってきます。若返りのために、植え替えをします。適時期は4~5月・秋が10月上旬です。
- 茎を地際で切り落として、鉢から抜き出したら古い土を半分程度ふるい落として、傷んだ根や地下茎を手入れして、新しい用土を入れた鉢に植え替えます。
- 植え替えてから、生育を始めるまで1週間前後を要します、この間は直射日光を避けて、乾燥させないよに水やりをしてください。
古くは蜜源植物として利用されてきた
- 水やり
- 少し湿り気のある土壌を好みます。土の表面が乾いたらタップリと水やりをしましょう。
- 地植えの場合も、極端に乾燥はさせないように水やりをします。水切れすると葉が黄ばんできます。
- 手入れ
- レモンバームは高温多湿を嫌います、特に梅雨時になると枝葉が生い茂ると、蒸れて葉が枯れたり病気が発生する原因になります。
- 枝を間引いて、株の内側まで風が通るようにしましょう。枯れた枝や葉は小まめに取り除きましょう。夏の直射日光に当たると葉焼を起こすので、寒冷紗やよしずなどで日よけをして、50%の遮光をします。もちろん水もタップリと与えましょう。
- 摘芯・花芽を摘む→若葉を次々と収穫して、長く利用するためには摘芯と花芽を摘む作業が欠かせません。
- 開花すると花に栄養を取られ、株が老化して茎が堅くなってしまうので小さい蕾のうちに上部3分の1くらいを切って摘み取りましょう。
- 収穫を兼ねて、丹念に摘芯すると枝分かれして、葉の収穫量も増えます。摘み取った後は、株元に2~3ヶ所お礼肥をすると、新しい芽が元気よく出てきます。
- 病気→すす病 高温多湿で風通しが悪い状態が長く続くとカビの一種、すす病が発生する事があります。茎葉が黒いススのように覆ってしまい光合成が出来なくなります。
- 予防には茎葉が込み合ってきたら枝を間引いて風通しの良い状態を保ちましょう。
- 害虫→オンシツコナジラミ 葉の裏に小さな羽虫が付く事があります、枝を揺すると飛んでいってしまいますが、また戻ってきます。
- 栄養を吸い取り生育を鈍らせるので、見つけたら薬剤散布して駆除しましょう。
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 収穫
- 葉の収穫期は4~10月頃です。生葉を紅茶やワインに浮かべたり、乾燥させてポプリや入浴剤としても利用出来ます。
- 葉を乾燥させる時は、株元から刈り取り、束ねてから陰干しします。フレッシュな香りを、長期に楽しみたい場合は、生葉を冷凍保存しておくのもよいですね。
- 日当たり
- 日当たりは、直射日光が当たる場所より明るい日陰の方が、葉の色も鮮やかに育ちます。
- 梅雨時の日の当たらない日が続いた後、夏になっていきなり強烈な日差しが射すようになると、葉が焼けてしまうことがあります。
- 寒さには強いので、特に防寒対策は必要ありません。(-~5℃)