ローズ ハーブ-バラは古来より鑑賞や香料として利用されたハーブ-イパネマおやじ
バラ (Rose) の起源は、有史以前にさかのぼり、現在までにさまざまな交配や改良が加えられ、品種も多数あります。その系統はワイルドローズ、オールドローズ、モダンローズ(現代バラ)に大別されます。
バラは最も愛されてきたハーブの一つ
- 分類:バラ科バラ属 / 原産地:北半球の全域
- 学名:Rosa spp.
- 別名:バラ
- 常緑低木・耐寒性 / 草丈:30cm~350cm
- 開花期:5~6月 / 栽培方法:地植え、鉢植え(プランター)
- 特徴
- 種による分類⇒
- ワイルドローズ→改良されていない野生種
- モダンローズ→1867年にハイブリッドティー系の第一号に認定された”ラ・フランス”以後の系統をいう。
- オールドローズ→この二つをつなぐのが、ハーブとして利用価値の高いオールドローズです。
- 樹形による分類⇒
- 木立性(ブッシュ・ローズまたは木バラ)→広く栽培されている四季咲き性のモダンローズ(ハイブリッド・ティー系やフロリバンダ系など)の他に、チャイナ系やティー系など一部のオールドローズも含まれます。
- 半つる性(シュラブ・ローズ)
- つる性(つるバラまたはクライミング・ローズ)の3タイプに分けられます。
- ローズの利用法
- 多くの栽培種がありますが、薬効が高いのは野生種やオールドローズです。
- 花弁には優れた収斂・強壮作用・消炎などの効果があり、リラックスできるティーに利用。ローズウォーターは製油を水蒸気蒸留するときに得られる貴重なもので、最高の化粧水になります。無農薬で育てたものは、花弁を食用にできます。
- 特にドッグローズから採れる果実(ローズヒップ)はビタミンCが豊富で、爽やかな風味のあるハーブティーになります。
- ※当ページではモダンローズ(ハイブリッド・ティー系とフロリバンダ系)について掲載しています。
- これらは、低木と同じく自立し、適応した環境であれば春から秋まで開花します。品種により花の大小、花色、香りの強弱など多岐に及びます。苗は秋に地掘りの大苗が、春にはポット植えの新苗が流通し、鉢植えの苗は専門店で年間を通して販売されています。
- 適応
- 特にローズヒップの薬効が優れている
- 便秘、美白、シミ、ソバカス、風邪、疲労回復、生理痛、生理不順、妊娠中の栄養補給
- 料理・飲み物で楽しむ
- ローズヒップティー、ローズジャム(花弁に砂糖を加えて煮る)、ケーキ
開花時期は春は5月頃と秋は10月頃
- 用土
- 水はけがよく、有機質の多い土が適しています。堆肥4:赤玉土(小粒)6の割合で混ぜ込んだ土を使う。市販のバラ専用用土もよい。
- 肥料
- 地植えの場合は、冬に寒肥として発酵油かすなどの固形肥料を施します。花後と秋口にも同じものを追肥として施すと効果的です。
- 鉢植えの場合は、生育期は定期的に液体肥料や発酵油かすの固形肥料などを施します。
- 挿し木
- 適期は、花後の6月または秋の10月から11月。休眠枝挿しは、2月下旬から3月上旬。
- 接ぎ木
- 芽接ぎは、夏から秋にかけて、切り継ぎは冬が適期ですが、台木が入手困難なので一般的ではありません。
- 植え付け・植え替え
- 大苗は11月から2月、新苗は5月から6月、鉢苗は真夏以外の時期はいつでも行えます。
- 鉢植えの場合は、なるべく1年に1回の割合で12月から2月に、植え替えをして新しい用土に入れ替えましょう。
木立性からつるバラに始まり多面的な性質を持つ植物
- 水やり
- 鉢植えの場合は、一年を通じて鉢土の表面が乾いたらタップリと与えます。地植えの場合は、真夏など雨が少なく乾燥する場合のみ与えます。
- 手入れ
- 冬の剪定⇒12月から2月に行います。シュートが出てきたら、早めにピンチをすると樹形が整いやすくなります。
- 参考:シュート・葉を含む枝全体。園芸では、木の根元や株元から長くのび出た若枝をいう。
- 参考:ピンチ・ピンチングともいう、摘芯と同義語。
- 花がら摘み⇒5月の開花後から
- 病気⇒黒星病、うどんこ病
- 黒星病は、主に梅雨時など雨が多い時期に発生しやすく、葉に黒い斑点ができ、やがて黄化して落葉します。黒星病で葉を失うと、極端に生育が悪くなります。
うどんこ病は、主に春と秋に新芽を中心に白い粉を吹いたようになり萎縮します。落葉はしませんが生育が悪くなり、花がきれいに開かないことがあります。 - 害虫⇒アブラムシ、チュウレンジハバチ、カミキリムシ
- アブラムシは、主に春と秋に新芽や蕾につき、樹液を吸います。数が多いと新芽が萎縮して生長が阻害されます。
- チュウレンジハバチは、主に初夏から秋に発生し、成虫が産卵した後は茎が割れ、ふ化した幼虫が葉を食い荒らし、枝や株を食べ尽くしてしまいます。
- カミキリムシは、成虫が初夏に飛来し、枝をかじって枯らします。幼虫は夏以降に株元から幹の中心部を食い荒らし、枯死させてしまいます。
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 日当たり・置き場所
- 日当たりのよい場所を好みます。風通しのよい場所に置きましょう。
- 鉢植えは地面に直置きしておくと、鉢穴から根が伸びてくることがあるので、板などを敷いた上に置きましょう。