ワイルドストロベリー ハーブ-野性化して自生しているイチゴの仲間-イパネマおやじ
ワイルドストロベリー (Wild strawberry) は、長く伸びた花茎の先に、5枚の花びらを持ち中心が黄色い小さな白色の5弁花を咲かせます。一年中を通して花を咲かせる性質がありますが、気温の低い冬や夏の暑い時期は開花が止まることが多く、実際の開花時期は春と秋です。
北海道では自然の中に自生している
- 分類:バラ科・オランダイチゴ属 / 原産地:ヨーロッパ北部・北アジア・北米・北海道に帰化している
- 学名:Fragaria vesca (=Potentilla vesca)
- 別名:ヨーロッパクサイチゴ(和名:エゾヘビイチゴ)
- 多年草・耐寒性 / 草丈:15~30cm
- 開花期:3月下旬~7月上旬・9月下旬~10月下旬
- 耐寒性、耐暑性ともに優れている:地植え、鉢植え、ハンギング
- 特徴
- 甘くて香りが高いイチゴ⇒高根出葉は葉柄が長くて細く、小葉は3枚で深い葉脈と縁に鋸歯状の切れ込みがあり秋になると赤く紅葉します。茎の付け根から”ランナー”と呼ばれる細い茎が地面を、這うように伸びて先端に子株を付けます。やがて子株が根を下ろして、新たな株になります。
- 現在の栽培種で日ごろからイチゴと呼ばれ、一般的に市販されているのはオランダイチゴです。ヨーロッパでは、かってはこのワイルドストロベリーが広く栽培されていました。
- 和名は、エゾヘビイチゴと呼ばれ、野生種として北海道に分布しています。オランダイチゴと比べると葉も花も小型で果実も小ぶりですが、味は酸味が少なくて甘く香りが高いです。果実は生で食べたり、ジャムやジュースに加工できます。葉と根はハーブティーとして利用します。
- ハンギングガーデン
- ハンギングガーデンは、他の鉢植えや、プランター栽培と比べて、土が乾きやすいのが特徴です。
- 水はけのよい環境では、植物が締まって育つのがメリットである反面、水やりを忘れると大きなダメージを受けてしまいます。
- ハンギングに向いているのは、乾燥に強い種類ということになりますが、対策として自動潅水装置があります。これを使えば、旅行や仕事で忙しいときでも安心ですね。これに任せっぱなしで、日常の手入れを忘れてしまっては生育によくありません。但し、日常生活に負担にならない範囲でハーブ栽培を楽しむことが大切ですね。
- 最近は、たくさんの種類のハンギング用バスケットが売られていますが、台所で日常に使っている水切り用のカゴを使って少し加工をすれば簡単にできますよ。(錆びのでないホーロー製がよい)
ヨーロッパでは古くから食用や薬用に利用された
- 適応
- 下痢、消化管機能促進、肝臓強化、浄化、肌の保護
- 料理・飲み物で楽しむ
- ハーブティーには⇒カルシウムやリン、鉄分が豊富で、腎臓の機能を高めると言われ、体内の浄化作用が促され利尿作用により水太りによる肥満の解消に役立つとされています。
- また、下痢と消化器系の不調に穏やかに役立ち、食欲増進にもなります。果実は、鉄分が豊富ですが、体を冷やす働きがあるので、発熱症状には良いのですが、胃が冷えていたり、冬など寒い時期は、食べ過ぎると消化不良など、逆に消化器系に負担をかけることになります。
- 葉の部分は、通常ハーブティーにして飲みますが、ワイルドストロベリーを香りの強いハーブとブレンドすると、香りをマイルドにする働きをしてくれます。スープストックを作るときに入れるのも、よく知られています。
- 果実は新鮮なうちに生のまま食べたり、ジャム、ケーキ、シロップ、リキュールに用います。果実をワインに漬けておくと”精神をよみがえらせ、心を楽しませてくれる”伝統的な薬酒ができあがるとされ、古くから親しまれています。
- 用土
- 水はけ、水持ちの良い土壌を好みます。
- 腐葉土3:赤玉土7の割合が普通ですが、バーミキュライトを1割ほど混ぜても良いでしょう。
- 肥料
- 地植えの場合は、元肥として堆肥を多めに混ぜ込みます。鉢植えの場合は、元肥として緩効性の固形肥料を与えます。生長の具合を見ながら、追肥として共に、4~6月の間、月に1回程度薄めた液体肥料を与えます。
- さらに、寒肥は共に、1~2月の間、月に1回中旬頃に、油かすの団子を、1株に1~2粒の目安で与えます。肥料の成分に関して、チッソ分が多過ぎると実付きが悪くなることがあり、リン・カリの割合が多い肥料が適しています。
- タネまき
- 適時期は4~5月・秋が9月中旬~10月中旬です。種を蒔いたら、土で覆わずに水を与えます。この状態で発芽まで乾燥させないように管理します。間引きをしながら、本葉が6~8枚に育ったら鉢や庭に移して、植え付けます。
- 株分け
- 適時期は9月中旬~10月中旬です。ランナーから出てくる子株を切り取り、植え付けます。(子株に葉が3~4枚付いたのがよい)
- 植え付け
- 時期は3月中旬~5月・秋が9月中旬~10月中旬です。
- 用土は腐葉土3:赤玉土6:バーミキュライト1の割合で混ぜた土が良いでしょう。
- 植え替え
- 適時期は4~5月です。
- 長い間、植えっ放しにしていると、株が弱り花付きも悪くなります。1~2年に1回は植え替えます。
ランナーの先に子株が出来て簡単に増やせる
- 水やり
- 水はタップリと与えましょう、但し土が常にジメジメした状態は、根が腐ってしまうので、過度の水やりは禁物です。鉢植えの場合に受け皿に、水が溜まるような状態は避けましょう。
- 水やりの際、上から与えて花や果実に水がかかると傷むことがあるので、株元からユックリと与えましょう。
- 手入れ
- 株が生長するにつれて茎の付け根からランナーが地面を這うように伸びて先端に子株を付けます。開花期には、余分なランナーを切り取ることで余分な栄養をとられないようにすることで、花や果実に栄養が行き届き長く収穫を続けることが出来ます。
- 真夏は、高温になると開花が止まることがあるので、スダレや寒冷紗などで50%の遮光をします。
- 果実が肥大するためには、昆虫による受粉が人口授粉の必要があります。
- 病気⇒灰色カビ病、ウドンコ病 日当たりと風通しが悪いと灰色カビ病やウドンコ病の発生につながります。予防法は、適した環境で栽培することです。
- 害虫⇒アブラムシ、ナメクジ アブラムシは新芽やツボミに付いて、植物の汁を吸い取り株を弱らせます。見つけたら、早めに捕殺するか薬剤の散布をしましょう。
- ナメクジは新芽、ツボミ、果実を食べてしまうので見つけ次第に駆除しましょう。(姿が確認できないときは、誘殺剤を使用)
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 収穫
- 収穫期は3~7月・秋が9月中旬~10月中旬です、実が赤くなって熟したら摘み取ります。
- 日当たり
- 日当りと、風通しの良い場所を好みます。
- 日に良く当てることで、花付き・実付きが良くなります。生育適温は15~20℃です。冷涼な気候を好み、やや暑さは苦手です、北海道で元気に自生しているのを見ても性質がわかりますね。真夏は、高温になると開花が止まることがあるので、スダレや寒冷紗などで50%の遮光をします。
- 鉢植えの場合は、半日陰で風通しの良い場所へ移してやりましょう。