病害虫の防除 バラの園芸・作業-イパネマおやじ
バラを育てる愛好家にとって最も気をつかうのは、病気と害虫の防除でしょうね。春になり新芽が伸びだすとアブラムシがつき、うどんこ病やべと病、開花期から黒星病などに注意しなければなりません。
病気と害虫の被害を減らすための手入れ
- ポイントは、日当たり、風通し、排水性、施肥量です
- 病気と害を防ぐには、日当たりと風通しのよい場所に、適度な株間を空けて植えつける、そして水はけのよい土壌に改良するなど、栽培する環境を整えることも必要です。
- 肥料を施し過ぎないことも大切です。肥料過多は株を軟弱にして、病弱を呼び込みます。しかし生育の状況によっては、寒肥の量が少なくて、肥料切れを起こしているようなら追肥が必要なこともあります。
- 鉢植えは雨に当てないように、適時軒下に移動させるなどして管理すると、病害を軽減できます。
- 無農薬栽培:最近は無農薬でバラを育てようとする方が増えていますが、現状では完全な無農薬で病気や害虫を防ぐことはできません。日々、観察して病気の兆候や害虫の早期発見に努め、取り除いたり薬剤散布をしましょう。
- 最近では、病気に強い品種が作出されています。初心者は、最初にに育てるのは強健で栽培をしやすい品種を選びましょう。
- 無農薬栽培は可能なの?
- できれば無農薬で栽培してみたいと思うのは、バラを栽培する人は一度ならずも考えたことがあると思います。残念ながら現状では完全な無農薬で病気や害虫を防除することはできません。
- 基本は、毎日よく観察し、早期に病気や害虫を発見することです。発見したら速やかに、被害が拡大しないよう薬剤で防除しましょう。
薬剤散布のポイント
殺菌剤と殺虫剤は同時に散布する
薬剤は、病気の防除ための殺菌剤と、害虫を防除するための殺虫剤の2種類があります。一般的に、薬剤散布をする場合は、両方の薬剤を希釈して混合して同時に散布します。
薬剤の濃度を遵守すること
薬剤を使用する際には、交能書をよく読んで使用法をよく理解しておきましょう。濃度を高めると、効果が上がるわけではなく、むしろ病原菌や害虫が、耐性を有する原因となり、やがて効果が無くなってしまいます。また、薬剤の濃度が高すぎると、薬害で生育が止まったり、葉が黄変したり、縮んでしまうこともあります。
春先の散布には、べと病予防薬剤を混合する
散布する際には、必ず殺菌剤と殺虫剤を併用しますが、気温の低い春先には、薬害によるべと病の発生を抑えるために「マンネプ水和剤」を混合して使用しましょう。
- 身支度と整え、風向きを確認する
- 散布を行う場合、必ずマスク、ゴーグル、カッパを着用して、風向きを確認してから散布します。
- 散布する量が過剰にならないように注意しましょう。そして、持続力と高めるために、希釈をする際に展着剤も併用すると効果がアップします。
- 薬剤散布の用具
- 噴霧器:栽培しているバラの株数により、器具の容量を選ぶ
- 10本未満なら・1リットル程度を目安
- 10本以上であれば4~10リットルを株数に応じて選ぶ
- 葉裏から薬液を噴霧するために、ノズルの先が上を向いているものがよい
バラの薬液を使用する際には事前に注意書を確認する
病気・害虫名 | 適応農薬(商品名で表示)成分 | 希釈濃度 |
---|---|---|
うどんこ病 | サルバトーレME(テトラコナゾール)液剤 バイレトン(トリアジメホン)乳液 |
4000倍 3000倍 |
黒星病 | サプロール(トリホリン)乳液 | 1000倍 |
べと病 | マンネブダイセンM(マンネブ)水和剤 | 1000倍 |
アブラムシ | アクテリック(ピリミホスメチル)乳液 | 500倍~ |
カイガラムシ類 | アクテリック(ピリミホスメチル)乳液 | 500倍~ |
チュウレンジハバチ | オルトラン(アセフェート)液剤 | 250倍~ |
ハダニ(卵用) | テデオン(テトラジホン)水和剤 | 500倍~ |
ハダニ(成虫) | コロマイト(ミルベメクチン)水和剤 | 2000倍 |
バラゾウムシ | スミチオン(MEP)乳剤 | 1000倍 |
ケムシ類 | アクテリック(ピリミホスメチル) | 500倍~ |
薬剤の種類と作用:製造メーカーのサイト(住友化学園芸)
- 希釈倍液の算出法
- 作りたい希釈倍数で割り算すると、配分量が分る→
- 1リットルの薬液を作る場合→
- 1000倍液:水1リットルに対して 1000ml÷1000=1ml(水和剤は1g)
- 800倍液:水1リットルに対して 1000ml÷800=1.25ml(水和剤だと1.25g)