球根植物-2 球根の種類は5タイプある-イパネマおやじ
球根植物ー1に続いて、2ページ目の球根植物ー2です。前回は、球根植物の基本てきな説明が中心だったので、今回はもう少し詳細な部分について説明します。
球根植物の栽培や管理について
球根の種類は5タイプに分類
- 球根→
- 根っこの肥大したもの。と考えがちですが一概にそうともいえません。根っこ以外にも地下茎や葉っぱ、茎が肥大して球根になる植物も多くあります。
- 身近な植物では、タマネギは葉っぱ、ジャガイモは茎、ショウガは地下茎が肥大したものです。皆が大好きなサツマイモは根っこです。
- 球根は、どの部分が肥るかで次の5タイプに分けられます。
- 鱗茎(リンケイ)→
- 短縮した茎に肥大した葉っぱや、葉の一部(鱗片葉)が重なり合って球状になります。芯と呼ばれる部分が短縮した茎で、ペリペリと剥がれる一枚づつが鱗片葉です。
- 鱗片葉が層状になった、層状鱗茎とうろこ状に重なり合った鱗状鱗茎があります。
- 代表的なもの⇒チューリップ、アマリリス、ヒアシンス、タマネギなどが層状鱗茎。ユリは鱗状鱗茎です。
- 球茎(キュウケイ)→
- 短縮した茎が肥大して、球状やタマゴ形になります。乾燥した葉の一部が、各節に残って外側を包む薄皮になります。
- 代表的なもの⇒グラジオラス、クロッカス、フリージアなど
- 塊茎(カイケイ)→
- 短縮した茎が肥大したもの。外側を包む薄皮がないので、球茎と区別します。
- 代表的なもの⇒アネモネ、シクラメン、ジャガイモ、球根ベゴニアなど
- 根茎(コンケイ)→
- 地下を走る茎が、球状にならず全体が肥大したもので、地下茎と同じように節があり、そこから葉や根が生じる。
- 少し変わっているのが、地下茎の先端にできる尾状地下茎(びじょうちかけい)があります。これは、肥大した葉っぱが重なって、松かさのようになります。
- さらに、念珠状地下茎(ねんじゅじょうちかけい)があり、節間がふくれ、節の部分がくびれて念珠状になったもの。
- 代表的なもの⇒アキメネス、コーレリアは尾状地下茎。カンナ、レンコン、スズラン、ジャーマンアイリスなど
- 塊根(カイコン)→
- 肥大した根が塊状になる。
- 代表的なもの⇒ダリア、ラナンキュラス、サツマイモなど
分球して球根を増やす
球根は自分の中に栄養をたくさん貯蔵して、花が咲いたあとにタネができるように、親球の周りに子孫ができて増えていきます。里芋を収穫する際に、多数が連なっているのがそうです。植えっぱなしでも毎年勝手に増えていくものもある一方で、人間が手を加えて球根を増やすことができます。
球根を増やすことを分球といいます。球根は、増えたり芽の数が多くなった状態で放置すると、ギッシリと詰まった状態になり、生育不良になります。これを防ぐために分球して充分なスペースを確保してやりましょう。
- チューリップにみる新たな球根ができて自然に分かれる自然分球→
- 鱗茎タイプや球茎タイプに多くみられる自然分球です。
- 最初に植えた親球の周わりに子球ができて、子球が親球サイズに生長する。
- 親球自身が肥大して、数個に分かれる。
- 親球自身が分かれて、更に子球が付く。(上記の2つが合わさった状態)
- ユリの鱗片の挿し木→
- ユリの球根は、ウロコ状の鱗片が重なって一つの球根を形成しています。この鱗片を一枚ずつ剥がして、バーミキュライトなどの無菌の土を入れた鉢に挿して育てます。
- 挿して、しばらくすると根が出て、小さな球根が作られるので、他の鉢に一つずつ植えていきます。ただし、開花するまでに3年以上かかります。
- グラジオラスの木子繁殖とユリの木子・ムカゴ繁殖→
- グラジオラスやユリには、球根の基部や地中の節に、木子と呼ばれる小さな球根が付きます。
- 同じく、グラジオラスやユリの、地上部の茎の節にできる、小さな球根状のものがムカゴです。ある程度の大きさに生長すると自然にポロリと外れます。
- これらは、土に植えてから根が肥大して、花が開くようになるまでに3~4年は必要です。
植えつけの深さと間隔
同じ球根の仲間の中でも、アマリリスのように浅植えを好むものや、ユリのように球根の上部からも根を出すため、深植えが必要なものなど様々です。
⇒それぞれの球根が好む深さは、「ハーブ植物の栽培上手・球根植物ー1」のページを参照してください。
地植えの場合
目安の植えつけ間隔は、球根3個分、深さも球根3個分です。
コンテナの場合
コンテナの倍は、栽培期間を1年間と決めて密に植えつけます。容量が限られるので、なるべく深く根が張れるように浅く植えるのが基本です。
- 花が終ったら
- 乾燥を好む球根や、浅植えを好むため同じスペースに、他の植物を植えることができない球根は、花後に掘り上げます。また、丈夫で根張りのいいものや、掘り
- 上げると傷みやすい鉢ものの一部も、そのままにして適期に球根を整理して植え替えます。
- ネットに入れて、風通しのよい場所で保存する必要があるのは、原産地の厳しい乾期を球根という形で生き延びるものです。しかし、一部の品種には極度の乾
- 燥を嫌うものもあるので、ピートモスの中で保存します。
花後の球根はどうするの?品種別の一覧表
鉢植えのまま適期に植え替える | 植えたままで維持 | 堀上げる必要有り |
アッツザクラ | クロコスミア | アネモネ |
オキザリス | シラー | アマリリス |
カラジウム | スイセン | アリウム |
クロキシニア | スノードロップ | オーニソガラム |
ネリネ | ゼフィランサス | カラー |
ラケナリア | チョコレートコスモス | カンナ |
ハナニラ | グラジオラス | |
リコリス | クロッカス | |
グロリオーサ | ||
サンダーソニア | ||
ダリア | ||
チューリップ | ||
ヒヤシンス | ||
フリージア | ||
ムスカリ | ||
ユリ | ||
ラナンキュラス |
よい球根とは硬くて大きめでしっかり重さがあるもの
掘り上げた後の管理 品種別の一覧表
ネットに入れて風通しのいい場所に置く | 乾きすぎないようピートモスの中で保管 |
アネモネ | アマリリス |
アリウム | カラー |
オーニソガラム | カンナ |
グラジオラス | グロリオーサ |
クロッカス | サンダーソニア |
チューリップ | ダリア |
ヒヤシンス | フリチラリア |
フリージア | ユリ |
ムスカリ | |
ラナンキュラス |
球根の栽培では、開花させることよりも花後の球根をどのように管理するかの方が、重要で難しいといわれます。
球根植物シリーズ(ページリンク) 球根植物ー1|球根植物ー2|球根植物ー3
上記の表のように様々なタイプに分けられます。花後には、よく確認して管理をしましょう。