鉢植えで育てるバラ バラの園芸・作業-鉢と鉢植えに適した用土-イパネマおやじ
鉢栽培は、集合住宅のベランダやテラスなど、庭や花壇でなくても、バラは日が当たればどんな場所でも鉢植えで育てることができます。大柄なつるバラでも、大鉢を利用すれば育てることができます。まず手始めに、四季咲きバラを育ててみませんか。
置き場所や植えつける種類によって鉢を使い分ける
様々な鉢が市販されていますが、玄関わきに一つ大きなポイントを作るなら、大型の鉢や樽などがあります。バラの生育に適した鉢といえば鉢壁から適度な空気の流通のある材質の中深鉢です。
- 鉢の選択
- 鉢植えでバラを育てるには、最初にやるべきことはバラが元気に育つ用土と鉢を選ぶことです。
- 用土を選びます
- バラの根の状態に合わせて用土の配合を考えます。
- 鉢でバラを育てる場合、用土の質が生育を左右します。簡単な方法は、バラ専用の培養土が市販されているので利用しましょう。
- 市販の培養土は平均的な肥料の配合ですから、生育状況に応じた配合が必要なこともあります。
元気な大苗を鉢で育てる
- 大苗を育てる場合
- 6~10号鉢を使用する場合:大きな鉢に植える場合は、用土を使い分け、水はけをよくする。鉢が小さくなる場合は小粒の用土を使って水もちをよくする。
- 例1→赤玉土(中粒)6:赤土1:もみ殻くん炭1:ピートモス2の配合土(一般的によく用いる用土)
- 例2→赤玉土(中粒)7:もみ殻くん炭1:ピートモス2の配合土
- 元気なミニバラや新苗を鉢で育てる
- 3~5号鉢を使用する場合
- 例1→赤玉土(小粒)7:もみ殻くん炭(又はパーライト)1:ピートモス2の配合土
- 例2→赤玉土(小粒)8:パーライト1:堆肥1の配合土
- 細根がない苗や発根したばかりの挿し木苗を鉢で育てる
- 3~5号鉢を使用する場合
- 根の長さが15cm程の大苗で、細根のないもの、ゴボウ根のもの、その他発根したばかりの挿し木苗は、細根を早く出すので、土中に酸素が一杯含まれた清潔で粒子の粗い用土が適します。細根は呼吸しているので酸素が必要です。
- 例1→赤玉土(中粒)7:パーライト2:ピートモス1の配合土
- 細根が多い苗を鉢で育てる
- 3~5号鉢を使用する場合
- 例1→粒子の細かい用土が適する・赤玉土(中粒)7:完熟堆肥またはピートモス1:もみ殻くん炭1:赤土1の配合土
- 輸入苗を鉢で育てる場合
- 輸入苗は輸出をする際に根洗いをしてから日本へ輸送されてきます。根洗いの段階で傷ついていることもあるので、雑菌などのない清潔で水はけのよい用土で植える必要があります。
- 植えつけ後は、鉢土の表土に根腐れ防止効果のあるゼオライトを少量のせておきます。
- 例1→赤玉土(中粒)7:パーライト2:ピートモス1の配合土
- 市販の培養土を使う場合
- 価格が高くても質のよいものを選びましょう。元気な大苗は、そのまま植えてもよいが、その他の苗は赤玉土やピートモスなどを適量加えて使いましょう。
- 例えば、新苗やミニバラを植える場合は、ピートモスを3割程度加えるとよいでしょう。
置き場所や管理状態で使い分ける
バラの生育に最も適した鉢は、鉢壁から適度な空気の流入がある材質の中深鉢です。
置く場所の日照状況や管理の状態により適する鉢と用土が異なってきます。よく乾燥する場所や水やりの際に手間がかかる状況などであれば、一般的にはあまり好まれない、合成樹脂製の方がよい場合もあります。
- 大苗を植えつける (7号鉢)
- 適期は9月下旬~翌年3月
- 用土(赤玉土(中粒)6:赤土1:もみ殻くん炭1:ピートモス2の配合土)それとゼオライト少々 注:用土は乾燥したものを使いましょう。
- 作業後の管理
- 霜の当たらない場所を選び、鉢土の表面が白く乾いたら、晴れた日の午前中にタップリと水を施しましょう。
- 水道水が冷たい場合もあるので、バケツなどに汲み置きしておいてから施しましょう。
- 植えつけと管理のポイント
- 秋に植えて冬までに根を張らせるとよい→最近は9月下旬から大苗が流通しています。バラの生育は、通常の気候であれば10月まで、暖冬ならば11月頃まで続きます。
- 秋に苗を植えつけ、寒さが厳しくなる前に根を張るようにすると、冬に枯死することもなく翌春から元気に生育を始めます。
- 伸びた芽や枝は絶対に切らないこと
- 9月下旬から10月に植えつけると、新芽が伸びてツボミもつきます。芽や枝を切ったり、葉を摘み取るのは厳禁です。
- 新芽は植えつけてから1ヶ月程で、長さ20cm程に生長します。ツボミがつき、開花の準備ができた枝は充実してきて樹皮が固まり、冬の寒さに耐えることができます。
- 通常は10月下旬になると、朝夕の気温が下がりバラは生育を停止します。11月中旬頃になると初霜が降り休眠期に入ります。寒くなってから出た未熟な葉も、蓄えた栄養分を根に養分を戻して冬を迎えます。この頃になると、新しく伸びた枝の樹皮は冬越しができるように成熟しています。
- 植えつけ後に伸びた枝は1月下旬から2月に整理する
- 春にしっかりした丈夫な枝を伸ばし、大きな花を咲かせるために植えつけ後にのびた枝を忘れずに切り取りましょう。
- 新苗を植え付ける
- 適期は4~6月です。(6~7号鉢がよい。苗は4月から夏まで流通しています)
- 6~7号の素焼き(駄温鉢)や合成樹脂製の鉢に清潔な用土を入れ、上記の”大苗を植えつける”と同様に植えつけます。