スイレン 季節の花-水面に浮かぶ葉と花の対比が美しい-イパネマおやじ
- スイレン(Water lily)は、水面に葉を浮かべ水中から伸ばした花茎の先に花を咲かせます。5月~10月頃にかけて花を咲かせ、形のよい花形で水に浮かぶ涼しげな様子に見惚れてしまいます。
- スイレンには、温帯性(耐寒性)スイレンと熱帯性スイレンとに大別されますが、当ページの育て方の解説は、「温帯性スイレン」の例で説明しています。家庭で育てる場合は、鉢などの容器で栽培されるのが一般的なので、水練鉢で育てると想定して説明しています。
水生の多年草で温帯性と熱帯性がある
- 分類:スイレン科スイレン属 / 原産地:世界の温帯地域
- 別名:(漢字表記・睡蓮)
- 学名:Nymphaea cv.
- 英名:Water lily
- 園芸分類:水生多年草 / 耐寒性
- 草丈:
- 開花期:5月中旬~10月 /
- 栽培方法:水耕栽培
- 特徴
- 日本に自生しているのは、未の刻に咲くことからヒツジグサと呼ばれる品種があります。
- スイレンといえば、よく混同されるのがハス(蓮)ですが、スイレンはスイレン科でハスはハス科であり、別種の植物です。見た目の違いは、スイレンは、葉が水面に浮かんで花も水面付近で開花します。一方のハスは、切れ込みの無い葉形で水面より上に伸長して、花も高い位置に開花します。これを知っていれば、その違いは一目瞭然というところでしょうか。
- 近縁種
- スイレンは、熱帯性スイレンと温帯性スイレンに大別されます。
- 熱帯性スイレンは、青や紫色などの彩色の強いものが大半です。寒さに弱く、水温が15℃以下になると、弱ってしまい枯れてしまう場合もあります。花は、昼咲きと夜に咲くものもあります。
- 耐寒性スイレンは、主に昼咲きで、柔らかい色調が特徴です。白、黄色、ピンク、赤色などで、多彩な花形をした品種があります。
- アーカンシェル(Nymphaea ‘Arc-En-Ciel’)→葉に白色やピンク色の多様な斑が入る。花弁は細くて淡い桃色。
- ダーウィン(Nymphaea ‘Darwin’)→丸みのある花弁がフンワリと開いて咲く。花弁の中心がより濃い赤色になり、ボカシの入る花色が美しい。花弁数が多いのも特徴。
- ピーチグロウ(Nymphaea ‘Peach Glow’)→淡い黄色で薄くピンク色がかる。花弁数が多く桃の花のような華やかな花色。次々と開花する多花性。
- 用土
- 荒木田土などの粘土質で重たい土がよい。
- 肥料
- 睡蓮鉢で育てる場合、植えつける際に元肥として骨粉を混ぜ込んでおきます。じっくりと効きめが長続きする緩効性でリン酸を多く含んでいるので、茎を育て花を咲かせるのに適しています。
- 植え付け
- 適期は、4~5月です。植木鉢は6~7号鉢を目安にします。生長が早く小さな鉢だと根詰まりを起こしやすいので大きめのサイズを選びましょう。
- 芽の伸びるスペースを考慮して、芽が土の上に出るように浅植えにします。一鉢に一株が基本です。
- 植え替え
- 適期は、4月~5月です。
- 生育旺盛で、鉢の中が根詰まりしやすいので毎年新しい用土に植え替えをしましょう。
- 株分け
- 適期は、4月~5月です。3年に1回が目安です。
- 株分けをするには、一株に一芽が付くように鋭いカッターなどで株を分けます。乾燥しないように株分けをしたら、根の腐った部分などを取り除き速やかに植えつけます。
泥中の根茎から長柄を伸ばし葉を水面に浮かべる
- 水やり
- 水没させているので、水やりの必要はないが、睡蓮鉢などの水が減ってきたら補充しましょう。夏場は水が傷みやすく、濁ってきたら新しい水に入れ換えましょう。
- 水の手入れ→
- 水中に沈めて栽培するわけですが、根元まで充分に日光が当たらないと花つきが悪くなります。生育期には、次々と葉が出てきて水面を覆うようになり、根元までの日光が遮断されるので、枯れている葉は小マメに取り除き、元気な葉であっても太陽光が株元や全体に当たるように、あえて刈り取ることも必要です。
- 夏場は水温が上がり、水が汚れやすくなり葉や茎が腐りやすくなるので、小マメに枯れた葉や茎は根から取り除きます。
- 夏場は水が傷みやすいので、早めに新しい水に入れ換えましょう。
- 病気→特になし
- 害虫→アブラムシ
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。根元まで日光りが当たるようにします。高温期は水温の上がりやすい場所は避け、涼しい場所へ移しましょう。
- 温帯性(耐寒性)スイレンは、寒さに強く水中で越冬するので、冬でも特別な保温は必要ありませんが、熱帯性スイレンは、水温が15℃以下にならないように保温する必要があります。