ワタ ハーブ-花がしぼむとコットンボールが現れる-イパネマおやじ
- ワタ (Cotton) は、アオイの花に似て。底部が濃い黄色の花径5cm程の花を咲かせます。果実が熟すると裂けて、白毛に包まれた綿花(種子塊)が現れます。綿毛は繊維として利用し、繊維を取り除いた種子からは、食用油として使える綿実油が採取されます。
- 一般的に「ワタ」というと、当ページに掲載したアルボレウム(Gossypium arboreum)という品種を指します。通称はアジアワタと呼ばれます。
国内では一年草として扱う
- 分類:アオイ科ワタ属 / 原産地:インド、中央~南アフリカ、アメリカ
- 別名:なし
- 学名:Gossypium arboreum var. indicum
- 英名:Cotton
- 園芸分類:一年草(温帯)多年草(熱帯) /
- 草丈:150cm(品種により20cm程度のものもある)
- 開花期:7~11月 (花後に現れるコットンボールも含む)
- 栽培方法:地植え、鉢植え
- 撮影:2018年9月 多摩の散策路にて
- 特徴
- ワタの仲間は熱帯から温帯まで、約40種類が分布するアオイ科の一年草又は多年草です。本来、原産地では多年草ですが耐寒性が低く、日本では冬の寒さで枯れてしまうので一年草として扱います。
- 最初に日本へ渡来したのは、平安時代初期にインドから種子が伝わったとされています。しかし、この当時は栽培が広まらず、安土桃山時代後期になって中国から種子が渡来して、九州で栽培されるようになったとされています。
- 葉は浅く3~5裂して互生して、夏になると分枝した茎に花径5~6cmの花をつけます。花は淡い黄緑色の5弁花で、花の底部が濃い褐色になります。(品種によっては、ならないものもある)花の構造は、同じアオイ科のフヨウやハイビスカスと共通しています。
- 近縁種
- バルバデンセ(Gossypium barbadense)→通称はペルーワタ。熱帯アメリカ原産で、草丈は150~300cmになる。
- ヒルスツム(Gossypium hirsutum)→通称はケプカワタ。中央アメリカ原産で、草丈は150cm程になる。
- ヘルバケウム(Gossypium herbaceum)→通称はインドワタ。インド~小アジアに分布して、草丈は30~150cmになる。
- 適応・(ハーブ、漢方としての適用)
- 繊維として利用
- 料理・飲み物で楽しむ
- 食用油
- 用土
- 弱アルカリ性の土壌を好むので、土をよく耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきましょう。
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:川砂(軽石):1の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して、苦土石灰と腐葉土を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- あまり多くの肥料を必要としません。
- 鉢植えの場合、植え付けの時に用土の中に少量の緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。花が咲いてきたら、液体肥料を月2回程施しましょう。
- 地植えの場合、元肥は必要ありません。
花後に花弁の奥からコットンボールが現れる
- 植え付け
- 適期は、4月中旬~5月中旬です。移植に弱いので鉢やプランターに、庭植えは定植地に直まきします。
- ビニールポットにタネまきして、本葉が2枚に育ったら植えつけます。苗が育ちすぎてから植えつけると、根づきにくく、その後の生育もスムーズにいきません。
- タネまき
- 発芽温度が20~25℃と高いので、5月上旬~下旬にタネをまきます。タネは綿毛で覆われて水をはじくので、前日にぬるま湯に浸しておいた、直前に軽く揉んで綿毛を取り除いてからまきましょう。植えつけの項にも書いたように、直根性で移植を嫌うためビニールポットなどへの仮まきをせずに、直まきがよいでしょう。
- 株間は30~50cm間隔で点まき、1~2cm程の厚さで軽く土を覆います。水やりをして、乾燥しないよう管理すると10日程で発芽します。
水やりは日中は避けて朝のうちに
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
- 手入れ
- 摘心→本葉が5~6枚、または7月になったら摘心をして樹勢を調整します。摘心をしないと樹勢が強すぎて、株が伸長ばかりして花をつけません。
- 支柱立て→枝が細長くしなりがあるので、株丈が高くったり台風前には支柱を設けます。
- 病気→苗立枯病 育苗中に過湿にすると発生しやすくなる。
- 害虫→ナメクジ、ハダニ、ハマキムシ(ワタノメイガの幼虫) 幼苗期にナメクジの被害を受けやすい。ハダニは葉裏に付着して、葉に白い斑点が現れて、かすり状になります。
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- 日当たり
- 日当たりと水はけのよい場所を好みます。