デルフィニウム 季節の花-ボリューム感のある長い花穂を伸ばす花-イパネマおやじ
- デルフィニウム (Chinese Delphinium) は、キンポウゲ科で本来は多年草ですが日本では一年草扱いをしています。(国内の平地の夏の高温多湿な気候に適応せず一年で枯れてしまうため)花期になると、茎の上部に花序を出して花径4~6cmの花を穂状に咲かせます。
- 葉が変化した萼(がく)が花びらのように色づいて目立ちますが、中央部にあるのが本来の花です。矮性種は25cm位から高性種は2m近く伸長するものもあります。旧属名にもなっているDelphiniumは、ギリシャ語のイルカを意味する「デルピニオン」に由来しているそうです。この種の仲間の中に、ツボミの形がイルカに似ている品種があることから呼ばれています。
草丈が高くなり存在感のある花
- 分類:キンポウゲ科チドリソウ(シネンセ系)属 / 原産地:ヨーロッパ、西アジア、シベリア、中国
- 別名:オオバナヒエンソウ(漢字表記:大花飛燕草)
- 学名:Consolida grandiflorum (=Delphinium grandiflorum)
- 英名:Siberian larkspur, Chinese Delphinium
- 園芸分類:多年生草本 / 耐寒性
- 草丈:25~180cm
- 開花期:4月中旬~6月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- オオバナヒエンソウは、原産地では多年草ですが、国内では夏の高温多湿に弱くて花後に枯れてしまうので一年草として扱います。古くから観賞用として広く栽培されていますが、園芸品種の多くはデルフィニウム・エターラム種(Delphinium elatum)、またはデルフィニウム・グランディフロラム種(D. grandifrorum)を基に作出した園芸品種が広く栽培されています。
- ヨーロッパ、北アメリカ、アジアから熱帯アフリカの山岳地帯まで、約250種類以上が分布しています。日本へは明治初期に渡来、切り花や花壇栽培の中でもイングリッシュガーデンの構成には欠かせない花として人気があります。
- 近縁種・主な園芸品種
- エラータム系→ピレーネ山脈から西アジアに自生するデルフィニウム・エターラム種を基に作出された品種群です。
- グランディフロラム系→デルフィ二ウム・グランディフロラム種を中心とした品種群。草丈が低くくて花つきは少ないが繊細な趣のある品種です。
- シネンシス系→中国北部からモンゴルにかけて自生する、デルフィニウム・グランディフロラム種を基に作出された品種群です。草丈が低く、一重咲き清楚な花を咲かせます。代表的な”ミストラル”は、スプレー咲きの繊細な花姿で人気があります。
- ベラドンナ系→エラータム種とグランディフロラム種の交雑により作出。エラータム系とシネンシス系の中間の性質をもつ。
- ユニバーシティー系→エラータム種にカルディナレ種やヌディカウレ種を交配した系統。赤色系の花を咲かせる貴重な種です。
タネまきでも増やせるが初心者には難しい
- 用土
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土に石灰も一緒に混ぜ込んでおきます。
- 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して腐葉土と石灰を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 最近は、「元肥入り」と袋に書かれて販売されている培養土をよく見かけます。配合されている成分を具体的に記入している製品から、「元肥入り」とだけ記入されているものまであるので、過肥にならないよう購入時によく確認しましょう。
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として緩効性の化成肥料と有機質肥料の堆肥を混ぜ込んでおきます。
- タネまき
- 適期は9月下旬~10月です。発芽適温は15~20℃まで、以上だと発芽に適しません。平鉢や育苗箱で、新鮮な赤玉土やバーミキュライトを入れた用土にまきます。発芽後、本葉が2~3枚になったら根を傷めないように1本ずつビニールポットへ移します。さらに、本葉が5~6枚に育ったら、鉢や花壇へ定植します。
- 植え付け
- 苗の植えつけ適期は、11月~2月です。
- 鉢植えの場合、6号鉢に1株が目安です。
- 地植えの場合、株間は30cm以上とって植えつけます。
- 植え替え
- 夏越えは困難で、一年草として扱う場合は植え替えの必要はありません。
- 寒冷地など限られた環境で、多年草として栽培されている場合は、植えつけ後3~4年が経つと大株になり枝葉が混み合ってくるので、株分けを兼ねて植え替えましょう。適期は2月頃、掘り上げたら土をふるい落として、芽が付いた状態で2~3株に分けます。
- 株分け
- 植え替えの項目にも書いたような状況であれば、適期は2月頃、掘り上げたら土をふるい落として、芽が付いた状態で2~3株に分けます。
う。
花後に茎を切り戻して2番花を咲かせる
- 水やり
- 花や花茎など、株全体に水がかからないように株元へ施します。
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。
- 手入れ
- 切り戻し→花後は、株元から出ている勢いのある腋芽を2~3本だけ残して、他の茎は切り取ります。約2ヶ月後に2番花を咲かせます。この作業を繰り返すことにより長期間花を楽しめます。
- 支柱たて→全体のバランスからみて茎が細いので、草丈が長くなり、茎が倒れやすくなったら適時に支柱を設置しましょう。
- 病気→うどんこ病
- 害虫→ヨトウムシ、ナメクジ
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 日当たり
- 基本的には日当たりのよい場所を好みます。
- 西日や真夏日の直射日光には弱いので避けましょう。
- 鉢植えの場合、半日陰の明るい場所へ移動してやりましょう。
- 地植えの場合、株元にワラなどを敷き、夏日の続く7~8月は寒冷紗などで日除けをしましょう。