カエデ 季節の花-美しい紅葉と風情のある株姿-イパネマおやじ
- カエデ (Maple) は、秋になると美しく色づく落葉性高木です。しかし、いつも迷ってしまうのは、楓(カエデ)とモミジはよく似ていて、見分け方と分類上の何が違うのかがよく分からないことですよね。
- 実は、どちらも同じカエデ科カエデ属の植物で、植物分類上では同じものなんですね。一般的には、見た目の違いで分けていて、葉の切れ込みが深いものを「モミジ」、葉の切れ込みが浅いものを「カエデ」と呼ばれています。切れ込みの深いカエデを「イロハモミジ」、切れ込みの浅いカエデでは「ハウチカエデ」という具合です。
初心者でも育てやすい植物
- 分類:カエデ(ムクロジ)科カエデ属 / 原産地:日本、北半球の温帯地帯
- 別名:モミジ、カヘルデ(カエデ・漢字表記:楓)
- 学名:Acer spp.
- 英名:Maple
- 園芸分類:落葉高木 / 耐寒性
- 草丈:5m~25m
- 開花期:4月中旬~5月中旬
- 栽培方法:地植え、鉢植え、盆栽
- 特徴
- 一般的にカエデと呼ばれているのは、主に北半球の温帯地域に分布しているカエデ科カエデ属の150種以上ある種の総称です。東アジアを中心に日本に約20種、中国には約30種が分布して、北アメリカ、ヨーロッパまで広がっています。
- 近縁種
- イロハモミジ(Acer palmatum)→日本のカエデの代表種。葉の切れ込みが深く、東北より以南に自生しています。川辺や谷合いなどに自生、樹高は5~10m。手のひら新緑の緑も美しく、秋になると真っ赤に紅葉します。
- ハウチワカエデ(Acer japonicum)→葉の切れ込みが浅く、低山帯に自生して樹高10~15mです。若枝は、紅紫色を帯びて葉や柄、花序の柄には白い軟毛がある。暗紅紫色の花を咲かせます。
- イタヤカエデ(Acer mono)→樹高が高くなり大木になる。”秋風錦”、”名栗錦”、”常盤錦”、”星宿り”などの有名品種がある。
- メグスリノキ(A. nikoense)→赤色にピンク色を帯びた独特の紅葉になる。昔は、樹皮を煎じて洗眼に用いていた。
- クスノハカエデ(A. oblongum ssp. itoanum)→日本に自生している唯一の常緑性のカエデ。関東南部より以西に適する。鉢植えにするとより鑑賞価値が高まる。
- コハウチワカエデ(A. sieboldianum)→ハウチワカエデを小さくした形状で、紅葉は橙色になる。
- ハナノキ(A. pycnanthum)→葉は卵形で、浅く3裂し紅葉が鮮やか。花は花糸が赤色で葯が黄色。天然記念物である。
- オオイタヤメイゲツ(A. shirasawanum)→ハウチカエデに似ていて、紅葉は赤色と黄色がある。
通気性と水はけのよい肥沃な土が適する
- 用土
- 通気性と水はけがよく、適度な湿度がある肥沃な土壌を好みます。
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土1:黒土2の割合で混ぜ込んだ土を使います。盆栽は、赤玉土100%の土壌でもよい。
- 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して腐葉土を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料の堆肥を混ぜ込んでおきます。
- 寒肥を施す→適期は、1月~2月です。落葉後の早い時期に、緩効性化成肥料と有機質の堆肥を混ぜたものを施します。
- タネまき
- 適期は、2月下旬~3月です。野生種はタネまきで増やします。
- 植え付け
- 適期は、鉢植え、地植えともに11月~3月です。
- 植え替え
- 鉢植えの場合、植え替えの適期は2月下旬~3月です。
- 生育旺盛で、鉢の中が根詰まりしやすいので、2年~3年に1回を目安に植え替えましょう。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 挿し木
- 適期は、6月~7月上旬です。挿し木は一般的に困難とされていますが、当年枝の先端部を10~15cm程で切り取り、下葉を取り除き1時間程水揚げしてから植えつけます。挿し木の用土は、赤玉土などの清潔で新鮮なものを選びます。
落葉後には混みあった枝を剪定する
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。夏や乾燥する時期は、朝と夕方の2回は十分に施しましょう。
- 地植えの場合、定植後に根付いたら後は必要ありません。
- 手入れ
- 剪定→適期は、12月~2月上旬です。落葉後に、徒長枝や重なっている枝、混みあっている枝などを切り取ります。
- 病気→うどんこ病、すす病 梅雨時期には、うどんこ病が発生しやすいので要注意。成熟した葉に、すす病が発生しやすくなるので、日当たりと風通しをよくしておきましょう。
- 害虫→アブラムシ、テッポウムシ、コウモリガ 特に新芽や若葉にアブラムシが発生しやすい。テッポウムシは幹を食害して枯れる原因となるので、薬剤で予防しましょう。
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- 日当たり
- 日当たりと風通しのよい場所を好みます。特に高木性の種は、日当たりのよい場所を好みます。