クリ ハーブ-高木の果樹-イパネマおやじ
クリ (chestnut) は、秋になると食べたくなるクリの炊き込みご飯や焼き栗、スイーツの材料としても愛される食材として身近な果物ですね。初夏になると淡い黄緑色の小さな花が集って穂のような形になります。独特の強い香りがあり、多くの昆虫を引き寄せる植物です。家庭にはぜひ1本は植えておきたいという果樹ではありませんが、実りの楽しみとして植えておきたいものです。
雌雄同株で白色の雄花を穂状に付ける
- 分類:ブナ科クリ属 / 原産地:日本、朝鮮半島、中国
- 別名:(漢字表記:)
- 学名:Castanea crenata
- 英名:Chestnut
- 園芸分類:落葉高木 / 耐寒性
- 樹高:5~20m
- 開花期:5月中旬~6月中旬
- 栽培方法:地植え、鉢植え
- 特徴
- クリの栽培の歴史は古く、縄文時代の遺跡から炭化したクリの実が発見されています。北半球の広い範囲に分布して、約20種類が栽培されたり自生もしています。樹高は最大で20mにもなり、幹の太さも80cm以上になる落葉高木です。実を採るために植えるのが大半で、盆栽に仕立てる用途も多少はありますが、花壇や街路樹などに利用されることは少ないようですね。
- 近縁種
- クリには早生種から晩生種まで多数の品種があり、生育特性がちがいます。クリは1本だけ植えても結実が難しいので、3品種以上を混植して実が付くようにします。
- 伊吹(いぶき)→9月上旬~10月上旬に採れる早生(わせ)の代表品種。
- 銀寄(ぎんよせ)→大阪が原産とされる。実が大きく風味がある。中生(なかて)で9月下旬~10月上旬に採れる豊産性の品種。
- 利平(りへい)→9月下旬~10月上旬に採れる中生品種。実が大きく甘みがある人気の品種。樹勢が強く育てやすい。
- 森早生(もりわせ)→8月下旬~9月上旬に採れる早生(わせ)の代表品種。極早生品種としては肉質や色艶がよい。
- ※ 園芸用語ガイド
- 早生(わせ)・タネまきしてから収穫までの期間が短いもの。
- 中生(なかて)・早生と晩生の中間のもの。
- 晩生(おくて)・タネまきしてから収穫までの期間が長いもの。
- 適応・(ハーブ、漢方としての適用)
- 漆かぶれ、火傷
- 料理・飲み物で楽しむ
- 焼き栗、栗ご飯、スイーツ
- 用土
- 水はけ水もちのよい土壌を好みます。以外はあまりこだわりません。
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して腐葉土を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。
- 地植えの場合、元肥として多量の有機物や堆肥を混ぜ込んでおきます。
植え付けは秋植えがよく育つ
- 植えつけ
- 適期は、11~12月です。3~4月に春植えもできるが、春植えは根の発達や栄養分の吸収が遅れ、春先の新梢の発生が少ないので、秋植えがお奨めです。
- 鉢植えの場合、苗の樹高を50~60cm程で仕立てるので、鉢サイズは大きめがよい。10~12号鉢の大きめのサイズにします。
- 地植えの場合、直径80~100cm、深さ60~90cmの植え穴を掘ります。元肥として、できるだけ多量の有機物や堆肥を混ぜ込みます。苗の樹高は地表から40~50cmで切ります。
- 植えつけ後3~4週間で活着し、穂木の芽が動き始めます。同時に台木の芽も動くので早めにかき取ります。
- 植え替え
- 適期は、12~2月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気性をよくするために2年に1回を目安に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 増やし方
- 接ぎ木で増やす→適期は、3月中旬~4月の休眠期です。クリは基本的に、別品種との受粉によって結実するので、両種の性質や形が混じります。よってタネの実から育った株は、親と同一の性質にはなりません。
剪定は毎年こまめにする必要がある
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。
- 手入れ
- 剪定→樹形を仕立てる
- 鉢植えの場合、植えつけが完了したら地表から50~60cmの高さで切り戻します。1年目の冬には、新しく伸びた枝の1/3程を切り詰める。2年目の冬にも同様に、新しく伸びた枝の1/3程を切り詰める。
- 地植えの場合、植えつけが完了したら地表から50~60cmで切り戻します。1年目の冬に、伸びた枝の先を10cm程切り詰めます。2年目の冬に、伸びた枝の先を10cm程切り詰めます。内側に伸びる枝や、混みあって重なった枝などを間引きします。
- 摘果→2~3年して結実するようになると、鉢植えの場合だけ、1枝に1果を目安にして他は摘み取ります。果実を充実させ大きく生長させるために必要です。
- 病気→胴枯病 日焼けや凍害が原因で発生する。
- 害虫→クリオオアブラムシ、クスサン、カミキリムシ、クリシギゾウムシ、クリミガ、クリタマバチなど害虫が多い。
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 収穫
- 茶色く色づくとイガが裂けて、自然に実が落下します。
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。日照不足になると、発育不良や実付きが悪くなります。
- 適湿を好むが水はけの悪い場所や、乾燥する土壌は適しません。強風の当たる場所は、早めに落果するので避けましょう。