クワ ハーブ-養蚕に無くてはならない桑の葉-イパネマおやじ
- クワ (White mulberry) は、養蚕が盛んな頃は蚕の飼料として栽培されていました。本来、樹高は10mにも及ぶ落葉高木ですが、国内で見かけるものは栽培種なので刈り込んであり、低木状になったものが多いです。葉は葉柄を持った卵型で、4~5月頃に葉腋に穂状の花序を垂らすようにして淡い黄色の花を咲かせます。実際は、花弁に見えるのは萼片が4枚集合したもので花弁はありません。
- 7~8月頃に紫黒色の果穂となって熟します。日本では、この果実を積極的に食用にはしませんが、欧米では「マルベリー」と呼ばれジャムに加工したりジュースなどで愛好されています。
クワの葉はお蚕さんを育てる飼料になる
- 分類:クワ科クワ属 / 原産地:中国、朝鮮半島
- 学名:Morus alba (bombycis)
- 別名:マルベリー、カラグワ、マグワ(漢字表記:真桑)
- 英名:white mulberry, ilkworm mulberry, Russian mulberry,
- 園芸分類:落葉低木・高木 / 耐寒性
- 樹高:5~10m
- 開花期:4~5月
- 果実の収穫期:6月
- 栽培方法:地植え、鉢植え(可能だが難しい)
- 特徴
- クワの原産地は中国とされ、カイコ(蚕)と共に渡来しています。栽培の歴史は古く、”古事記”や”日本書紀”、”万葉集”などに、桑にまつわる記述があります。日本に野生するヤマグワと区別するためにカラグワ(唐桑)と呼んでいます。
- 花は、4~5月頃に雄花と雌花をつけます。円柱形の雄花序は垂れ下がり、雌花序は長楕円形です。ヤマグワは短い花柱があり、カラグワにはありません。
- 近縁種・園芸品種
- ポップベリー→果実が7g程の大ぶり種。自家結実背性があるので受粉枝は必要ない。
- ララベリー→豊産性で自家結実性がある。ポップベリーより少し小ぶりサイズ。
- シャルロットリュス(エンドレスブーケ)→寒くなる秋までの長期に結実する、自家結実性あり。
- ホワイトマルベリー→白い果肉、自家結実性あり。
- 斑入り葉桑→葉に斑模様が入る、果実を楽しむのではなく観葉が目的の品種。
葉は薬用にも利用されてきた
- 適応・(ハーブ、漢方としての適用)
- 桑白皮(そうはくひ)⇒利尿、血糖降下、血圧降下
- 料理・飲み物で楽しむ
- クワ酒⇒クワの実を1ヶ月漬けたもので強壮、疲労回復
- 用土
- どんな土にも適応力がありやせ地でもよく育つ
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、定植する場所の土をよく耕して腐葉土を混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 樹勢が強いので、肥料は控え気味に施しましょう。
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。追加の肥料:3月と6月には速効性化成肥料を、12月に寒肥として緩効性有機肥料を施します。(寒肥は重要なので必ず施しますが、3月と6月は樹が元気であれば省略してもよい)
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料と堆肥を混ぜ込んでおきます。追加の肥料:3月と6月には速効性化成肥料を、12月に寒肥として緩効性有機肥料を施します。(寒肥は重要なので必ず施しますが、3月と6月は樹が元気であれば省略してもよい)
- 植え付け
- 雌雄異株なので、異なる品種を2本以上植えつけると確実に結実します。花粉は風で飛ばされるので人口受粉の必要はありません。
- 一般的な適期は、暖地では3月上旬、寒冷地では3月下旬~4月上旬です。しかし、クワは寒さに強くマイナス20℃まで耐えることができるので、11月~4月までの期間であれば植えつけを行うことが可能です。「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
- 鉢植えの場合、樹が伸びるのが早くスグに高くなるので、品種改良された樹勢の弱い品種を選ぶのがよいでしょう。コンパクトにまとめるために、苗木を思い切って10~20cmの高さに切り詰めます。タップリの水を施したら、支柱を立てて紐で苗木を固定します。
- 地植えの場合、植え穴は根鉢の3倍の大きさで、深さと直径は共に約30~40cm、堆肥を底に敷いて元肥を混ぜ込んだ土を植え穴に戻します。植えつけ直後に、地表から50cm位の高さで苗木を切り戻します。タップリと水を施したら支柱を立てて紐で苗木を誘引します。
- 植え替え
- 適期は、11月~3月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気性を保つために、2~3年に1回を目安に行います。
- 地植えの場合、基本は必要ありませ。
- 挿し木
- 適期は、6~7月です。新しく伸びた枝を、15~20cmの長さに切り取り、先端よりの葉を2枚程残して、下葉は取り除きます。赤玉土などの新鮮な用土に枝を挿します。日陰で乾燥しないように管理して、発根を待ちます。
果実は熟すると赤黒くなり食用になる
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。
- 手入れ
- 摘果→実が大量に付いてくるので株の栄養分を奪ってしまうので、付きすぎたら1ヶ所に2~3個になるよう、実が熟する前に摘み取ります。
- 剪定→6月頃に収穫してからスグに、収穫した枝を2芽ほど残して切り戻します。次に新しい芽が出てきます。生長が早いので、多少の未収穫した実があっても、積極的に剪定していかないと樹が伸びて収拾がつかなくなります。必ず早めの剪定をしてください。
- 病気→菌核病
- 害虫→特になし
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 収穫
- 実が赤色から黒色に変わった時が収穫のタイミングです。
- 日当たり
- 日当たりと風通しのよい場所を好みます。