ブドウ ハーブ-果実の中で最も広く栽培される植物-イパネマおやじ

ブドウ (grape) は、身近なフルーツとして生食の他にも、ワインの原料、ジュース、スイーツの材料など日々の食品として愛用されています。つる性の落葉低木で、フェンスやアーチ仕立てにして、果実の収穫や観賞用としても庭植えにしておくと楽しめる果樹です。東北以北地域での露地栽培には適していません。

ブドウはつる性落葉低木

ブドウ狩りを自宅で行ってみたいなら

  • 分類:ブドウ科ブドウ属 / 原産地:中近東
  • 別名:(漢字表記:葡萄)
  • 学名:Vitis vinifera
  • 英名:grape
  • 園芸分類:つる性落葉低木  
  • 伸長:3m以上
  • 開花期:4月中旬~5月中旬
  • 栽培方法:地植え
  • 特徴
  • ブドウの系統は、大別すると西欧系とアメリカ系があります。国内でのブドウの歴史は、弥生時代の遺跡からブドウの痕跡が確認されていることから、限られた地域で自生していたといわれます。具体的な記録があるのは、奈良時代の718年に中国から渡来したブドウの栽培を僧侶の行基が山梨県勝沼の村人に教えたといわれています。古くに伝わったが、日本の自然環境では限られた地域でしか育てるのが難しく、栽培が広まらなかったようです。
  • ヨーロッパ系は原産地が乾燥地帯なので、降雨に強いものが多く日本での栽培は難しいです。但し雨に当たらない環境の温室や鉢植えで栽培すれば育てることが出来ます。有名は品種では「マスカット・オブ・アレクサンドリア」や「コールマン」があります。
  • 対するアメリカ系は、主に東部で自生していたものが多く、雨が多く寒冷な地域なので、日本の風土には比較的適している系統です。有名は品種は「デラウェア」、「アーリースチューベン」、「キャンベルアーリー」、「ナイアガラ」などがあります。
  • 国内では、ヨーロッパ系とアメリカ系の交配品種も多数作出されています。「巨峰」、「ピオーネ」、「安芸クィーン」、「伊豆錦」など有名品種の他にも多くの品種が札出されています。ガラス温室ではなく、ビニールで雨よけした簡易な環境でも栽培可能です。
  • 園芸品種
  • ピオーネ→収穫期は8月下旬~9月上旬。大粒で甘くて爽やかな味。
  • 巨峰→収穫期は8月下旬~9月。ブドウの王様ともいえるポピュラーな品種です。果皮は黒紫色の大粒種。
  • マスカットベリー→収穫期9月。小ぶりな房サイズで、濃厚な香りと強い甘みがある。
  • シャインマスカット→収穫期8月中旬~9月上旬。大房になる。皮ごと食べられジューシーで酸味が少なく甘さもある。
  • シナノスマイル→収穫期9月下旬。鮮紅色の果皮、糖度が高くジューシーで食感がよい。

ブドウは中近東の原産

生活に潤いを与えてくれる果樹

  • 適応・(ハーブ、漢方としての適用)
  • 食欲減退、低血圧症、冷え性
  • 料理・飲み物で楽しむ
  • 生食フルーツ、ジュース、スイーツの材料、ワインの原料
  • 用土
  • 水はけ水もちのよい土壌を好みます。ミネラル分(苦土石灰など)の多い土壌にすると病気予防の対策になります。
  • 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に腐葉土2~3割と苦土石灰を一緒に混ぜ込んで、植え穴に戻します。
  • 肥料
  • 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、2月に有機固形肥料を、6月と9月には緩効性化成肥料を施します。
  • 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料と堆肥を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、9月上旬~下旬、11月に緩効性化成肥料を、できれば野菜くずや堆肥を施すとよい。

ブドウは果樹です

  • 植え付け
  • 適期は、11月下旬~2月です。この時期以外でも、3~6月、9~10月も植えつけが可能ですが、根鉢を崩し軽くほぐします。根を横に広げるようにして植えつけましょう。
  • 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
  • 鉢植えの場合、8号鉢以上に植えつけます。植えつけ直後にタップリの水を施したら、地表から40cm位の高さで苗木を切り戻します。支柱を立てて紐で苗木を固定します。
  • 地植えの場合、植え穴は根鉢の3倍の大きさで、堆肥を底に敷いて元肥を混ぜ込んだ土を植え穴に戻します。植えつけ直後にタップリと水を施したら、地表から40cm位の高さで苗木を切り戻します。支柱を立てて紐で苗木を誘引します。
  • 植え替え
  • 適期は、11月下旬~2月です。
  • 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために生育状況をみて、2~3年に1回を目安に行いましょう。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。
  • 接ぎ木
  • 適期は、1月の休眠枝接ぎか、6月の緑挿しです。接ぎ穂を採取したら、丸1日の間、水に浸して吸水させます。台木と接ぎ穂の断面の、表皮直下の形成層をピッタリと密着させ、フィルムテープで巻いて固定します。台木の先から3cm程の部分に、発根促進剤を散布します。用土に挿していきますが、できれば用土はもみ穀くん炭がよいでしょう。(もみ穀でもよい)
  • 挿し木
  • 適期は、3月の休眠枝挿しです。挿し穂は、11~12月に採取してスグに1時間程水に浸して吸水させます。その後、翌年の3月まで冷蔵庫で保存しておきます。

ブドウはワインの原料になります

ハーブの仕切りライン

手間がかかるが育てる楽しさは格別

  • 水やり
  • ブドウは過湿を嫌います。鉢植えは施しすぎに注意しましょう。
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。
  • 手入れ
  • 仕立て→棚仕立て、棒仕立て、垣根仕立ての3種類があります。農園などでよく目にするのが、棚仕立てです。
  • 芽かき→植えつけ後、1年目の苗は強い芽を2~3本だけ残して他は全てカットします。更に、2年目になり40~50cm程度に伸びたら、一番強い枝を1本だけ残して他はカットします。そして春になると、1ヶ所から複数の芽が出てくるので、これも一番良好な芽を1本だけ残して他は全てかき取ります。4m四方に新梢が14~18本程度になるように間引きます。
  • 剪定→適期は、1~2月です。前年枝の、葉の付け根に混合花芽が分かれ、その芽から新梢が伸びて、巻きひげの部位に果房が付きます。全体の枝の基部2節を残して切るか、または、残す枝は4~5節、あるいは7~8節で切ります。
  • 摘芯→棚が狭くて混みあう場合は、葉数15~16枚で摘芯しましょう。副梢(わきづる)は取り除きます。
  • 花房の整形→適期は、開花が始まったら。実どまりをよくして、房の大きさを抑えるために、花房を切り詰めます。
  • 房の間引き→仕立て棚4m四方に、15~16房になるよう整えます。例えば、デラウェアなら20枚の葉に1房、巨峰なら30枚の葉に1房が目安です。
  • 袋かけ→雨や風による実の痛みを防ぎ、病害虫の防除にも有効です。実の全体にかけるが、上部だけ覆うキャップでもよい。
  • 病気→かっぱん病、黒とう病、うどんこ病
  • 害虫→ブドウトラカマキリ、コガネムシ、チャノキイロアザミウマ、ハダニ

※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。

  • 収穫
  • 適期は、品種により異なるが8月~10月初旬です。
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。

ハーブの仕切りライン