ロウバイ 季節の花-冬枯れの庭に彩りを添える花木-イパネマおやじ
- ロウバイ (Wintersweet) は、ロウバイ科の落葉低木です。樹高は2~5mになり、たくさんの枝を伸ばして、よく茂ります。12月~2月頃に、薄くて堅い卵形の葉が開く前に、2cm程の黄色い花を咲かせます。
- 若木の時期は樹形が乱れやすいのですが、経年と共に自然に樹形が整ってきます。樹高は5m未満で、剪定の手間もそれほどかかりません。耐寒性に優れ、初心者にも育てやすい樹木です。冬枯れの時期に、庭を彩る花木として古くから広く栽培されています。
手間がかからず初心者にも育てやすい
- 分類:ロウバイ科ロウバイ属 / 原産地:中国中部
- 別名:カラウメ(ロウバイ・漢字表記:蠟梅)
- 学名:Chimonanthus praecox
- 英名:Wintersweet
- 園芸分類:落葉低木 / 耐寒性
- 草丈:2~5m
- 開花期:12月下旬~2月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- ロウバイは、中国原産の落葉低木です。四川省、浙江省の海抜600~1100mの山地に分布しています。
- 日本へは江戸時代の初期に、朝鮮半島を経由して渡来したとされています。原産地の中国では、1000年以上も前から栽培されていたそうです。
- 近縁種
- ソシンロウバイ(Chimonanthus praecox)→ロウバイ科ロウバイ属、当ページで取り上げている品種です。写真にもあるように、花径4~6cm程の透き通るような花弁をした黄色い花を咲かせます。一般的に「ロウバイ」として育てられているのは、基本種であるこの品種が多いです。花には芳香がある。
- クロバナロウバイ(Calycanthus floridus)→ロウバイ科クロバナロウバイ属、別名はニオイロウバイ。北アメリカ原産で、開花期は5~6月です。樹高150~200cm。花径3~4cmの暗紫紅色で、萼も同系色になり花弁と一体化した花色。花には芳香がある。
- ナツロウバイ(Sinocalycanthus chinensis)→ロウバイ科ナツロウバイ属、中国東部の浙江省原産です。開花期は5~6月で花径6~10cmの白色花を咲かせる。カップ状の外弁は白~ピンク、内弁は淡い黄色。樹高は150cm~300cmで、ナツロウバイ属に分類されるのは当品種のみ。花の香りはほとんどない。
- 用土
- 水はけのよい肥沃な土壌を好みます。
- 鉢植えの場合、市販の草花用の培養土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に腐葉土2~3割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。
- 肥料
- 寒肥は、一般的には12月中旬~2月上旬に施しますが、ロウバイは品種により12月から開花するので「ロウバイ」に関しては、花後に施します。
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、寒肥を2月下旬~3月、8月下旬ともに緩効性化成肥料か油かすか骨粉などの固形有機肥料を施します。寒肥の効き目が少なければ5月中旬~6月下旬に同じものを少量だけ施します。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料とチッ素・カリウム・リン酸の三大要素の他にミネラル分を補充するために堆肥を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、寒肥を2月下旬~3月、8月下旬ともに緩効性化成肥料か油かすか骨粉などの固形有機肥料を施します。寒肥の効き目が少なければ5月中旬~6月下旬に同じものを少量だけ施します。
- タネまき
- 適期は、9月です。成木は夏~秋にかけて果実をつけるので、中の種子を取り出して、採り蒔きします。赤玉土(小粒)の用土に、タネの3倍くらいの深さにタネまきします。乾燥させないように管理すると、気温が高ければ年内に、低ければ来春には発芽します。本葉が3~5枚に育ったら、鉢に植え替えます。3年程で40~50cmに生長します。
- 植え付け
- 苗の植えつけ適期は落葉期の、2月下旬~3月(厳寒期は避ける)、秋が11月~12月です。クロバナロウバイのポット苗が夏場に出回ることがありますが、ポットで一定期間種苗したものと、開花直前に鉢上げしたものがあります。後者の場合は、根が十分伸びていないので、植えつけは秋まで待ったほうがよいでしょう。ナツロウバイは主に根巻き苗で出回り、基本的にはスグに植え付けますが、中には開花直前に堀り上げた苗が出回ることもあり、スグの植え付けには適しません。信頼のおける専門店などで購入しましょう。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
- 鉢植えの場合、8号以上の大きなサイズを選びます。ポット苗の根鉢を一回り崩してから植え付けます。植えつけ直後にタップリの水を施したら、支柱を立てて紐で苗木を固定します。
- 地植えの場合、植え穴は根鉢の3倍の大きさで、堆肥を底に敷いて元肥を混ぜ込んだ土を植え穴に戻します。植えつけ直後にタップリと水を施したら、支柱を立てて紐で苗木を誘引します。根巻き苗の場合、根巻きは外さずにそのまま植えます。
- 植え替え
- 適期は、落葉期の、2月下旬~3月(厳寒期は避ける)、秋が11月~12月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 挿し木
- 可能ですが、台木を用意する必要もあり、なおかつ発根する確立が低く家庭では難しいです。
水やりは過湿にならないよう控えめに
- 水やり
- 鉢植えの場合、植え付け後、乾くようなら7~10日に1回、タップリと水を施します。夏場の雨が降らない時期も同様の水やりをしましょう。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
- 地植えの場合、植え付け後、乾くようなら7~10日に1回、タップリと水を施します。その後は、極端な乾燥が続く時以外は自然にまかせます。
- 手入れ
- 剪定→若木で樹形が乱れる場合は、花後の新葉が出る前の3月に剪定します。花芽は当年枝の腋芽が、6月中頃から花芽になるので切り取らないように残しましょう。幹から伸びた長い枝には、花が付きにくく短い枝に付きやすい性質です。経年と共に樹形が整うので、基本的には強剪定の必要はありません。
- 苗は、台木に接ぎ木をしてあるので、台木の部分から「ひこばえ」が出やすいので早めに切り取りましょう。(園芸用語:ひこばえ→樹木の根元から生えてくる小枝のこと。別名、ヤゴやシュートともいう)
- 病気・害虫→特にナシ
- 鳥害→小鳥などにより、蕾や花を食害されやすいです。見栄えはよくないが、防鳥ネットを張るなどして防ぎましょう。
※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。
- 日当たり
- 日当たりがよく寒風の当たらない場所に定植しましょう。