レンギョウ 季節の花-開花すると春の訪れを感じる花木-イパネマおやじ
- レンギョウ (Golden Bells) は、モクセイ科の落葉低木です。英名がゴールデン・ベルといわれるのもナルホド!と納得してしまう程、大きな花弁を広げて咲く鮮やかな黄色の花弁は「鈴」のような花形をしています。
- 3月中旬~4月中旬の、咲く花が少ない時期に明るい色彩で楽しませてくれます。公園や庭の生垣などに利用されているのを、一度は見かけた覚えがある花木ですね。樹高は2~4m、灰白色で節の部分を除いて中空になり落葉樹にしてはまとまりの良い樹形になります。
冬枯れの時期に鮮やかな花を咲かせる
- 分類:モクセイ科レンギョウ属 / 原産地:朝鮮半島、中国
- 別名:レンギョウウツギ、イタチハゼ(レンギョウ・漢字表記:連翹)
- 学名:Forsythia suspensa
- 英名:Golden Bells
- 園芸分類:落葉低木 /
- 草丈:2~4m
- 開花期:3月中旬~4月中旬
- 栽培方法:地植え、鉢植え
- 特徴
- 一般的に、レンギョウ属の植物を総称してレンギョウと呼んでいます。中でも中国原産のForsythia suspensa という種は、早くにヨーロッパへ紹介され、広く栽培が普及している代表的なレンギョウです。レンギョウ属は中国大陸、朝鮮半島、日本で自生しています。いずれも春の訪れを知らせる花として親しまれています。
- 我国へ伝わったのは、天和年間(1680年代)以前に中国から渡来したとされています。シナレンギョウ、チョウセンレンギョウ、アイノコレンギョウなどが北海道南部から九州まで、広範囲に栽培されています。日本原産のヤマトレンギョウやショウドシマレンギョウなどの種もありますが、花数が少ないため、あまり栽培されていません。
- 近縁種
- アイノコレンギョウ(Forsythia x intermedia)→ドイツで作出された、レンギョウとシナレンギョウの交雑種で、欧米で人気があり広く栽培されています。国内では、洋種レンギョウと呼ばれ、切り花に利用されています。
- シナレンギョウ(Forsythia viridissima)→中国東部、朝鮮半島南部に分布する種です。花弁が細長く4裂して少しよじれるのが特徴。1800年代頃にヨーロッパへ紹介されて植物園などで広く栽培されています。葉に斑の入る品種もある。
- チョウセンレンギョウ(Forsythia koreana)→朝鮮半島の原産で、花弁が4裂して他の種と比べると、やや幅広いのが特徴。分類上、シナレンギョウの変種とされることもある。
果実は漢方に利用される
- 適応・(ハーブ、漢方としての適用)
- 連翹(れんぎょう・生薬)→消炎、利尿、解毒薬、抗菌作用(ブドウ状球菌、百日咳杵菌)
- 用土
- 水はけがよく有機質に富んだ土壌を好みます。
- 鉢植えの場合、市販の草花用の培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土2:黒土2の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に腐葉土2~3割と堆肥を混ぜ込んで、植え穴に戻します。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、1~2月に寒肥、5月は花後のお礼肥、ともに緩効性化成肥料を施します。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料とチッ素・カリウム・リン酸の三大要素の他にミネラル分を補充するために堆肥を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、1~2月に寒肥として有機質肥料と、石灰や草木炭などのリン酸の多い堆肥を、5月は花後のお礼肥として化成肥料を施します。
- 植え付け
- 苗の植えつけ適期は、12~3月です。やや湿り気のある土壌を好みます。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
- 鉢植えの場合、6号鉢目安に植えつけます。植えつけ直後にタップリの水を施したら、支柱を立てて紐で苗木を固定します。最初に大き過ぎる鉢に植えつけると、根の張りが追いつかず株がしっかり定植しません。毎年、適期に根の張り具合をチェックして一回り大きな鉢へ植え替えましょう。
- 地植えの場合、植え穴は根鉢の3倍の大きさで、堆肥を底に敷いて元肥を混ぜ込んだ土を植え穴に戻します。植えつけ直後にタップリと水を施したら、支柱を立てて紐で苗木を誘引します。
- 植え替え
- 適期は、12~3月です。(厳寒期は避けましょう)
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2~3年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 挿し木
- 適期は、4月には前年枝、6~7月に行う場合は当年枝を10~15cmの長さに切り取り、挿し穂にします。半日くらい水に浸してから、清潔な赤玉土(小粒)などの、用土に挿します。明るい日陰に置き、水切れしないように管理して、発根させます。
多くの細長い枝を地際から伸ばしてよく茂る
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたタップリと水を施します。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
- 手入れ
- 剪定→12月~3月上旬に混みあったり重なっている枝や、徒長枝を剪定して樹形を整える程度にします。
- 5月中旬の花後には、伸びすぎた枝を切り詰めます。花芽は、6月中旬~8月頃に形成されるので強い剪定はしないようにします。
- 病気→うどんこ病
- 害虫→カイガラムシ
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- 収穫
- 漢方では、夏から秋に採取した果実を、蒸気で蒸します。これを、天日干しで乾燥させたものを、生薬の連翹(れんぎょう)といいます。
- 日当たり
- 日当たりのよい、やや湿度のある場所を好みます。
- 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。