ギョリュウ 季節の花-水を好み湿地にも適した数少ない植物-イパネマおやじ
ギョリュウ (tamarisl) は、ギョリュウ科の落葉小高木です。釣竿のような細長い枝に、針形の葉を密生させます。数ミリの小花が花序になり薄桃色の花を咲かせます。開花期は5月~6月、7月は休んで再び8月~9月という変則的な開花をします。よく似た花名のギョリュウバイという花木がありますが、別の科・属で近縁種でもありません。
樹勢がとても強く丈夫な花木
- 分類:ギョリュウ科ギョリュウ属 / 原産地:ヨーロッパ、トルコ、西アジア、モンゴル、中国、朝鮮半島
- 別名:タマリクス
- 学名:Tamarix chinensis
- 英名:tamarisk
- 園芸分類:落葉小高木 / 耐寒性、耐暑性
- 草丈:3~5m
- 開花期:5~6月、8~9月 (白色、淡い桃色)
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- ギョリュウの仲間は、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの広範囲に約75種が分布しています。その中の、中国中部~南部に自生するタマリスク・キネンシスのことを、和名でギョリュウと呼びます。日本へは、江戸時代の寛保年間(1741~1744)に中国より渡来したとされています。
- ギョリュウバイ(御柳梅)という鉢植えの木が、プロである園芸店でもギョリュウと混同されて流通していることがあります。チョッと紛らわしいですが、ギョリュウバイはオーストラリア原産のフトモモ科の木で、葉の形がギョリュウに似ていて梅のような花を咲かせることから、ギョリュウバイの名前が付いたと思われます。
- 植えつけてから、経年と共に枝が垂れ下がってきて、その姿が柳に似ていることから「ギョリュウ」と名付けられました。日当たりのよい湿り気がある土壌を好みます。(但し排水が悪く、水がよどんでいる場所は嫌う)
- 近縁種
- タマリクス・ラモシッシマ(Tamarix ramosissima)→東ヨーロッパ、西アジア、中央アジア、中国大陸、モンゴル、朝鮮半島に自生する。樹高5~8mの落葉低木。葉は鱗片状で3~4mmの円錐状。花序になり花径は1~2mmの淡いピンク色。
- タマリクス・テトランドラ(Tamarix tetrandra)→和名は、ヨーロッパギョリュウ。南東ヨーロッパ、トルコ、ブルガリア、クリミアに自生する。樹高2~3mで、葉は鱗片状。花序になり花径1~2mm淡いピンク色。
適度な湿り気を好むが水が溜まる場所は避ける
- 用土
- 湿り気のある肥沃な土壌を好みます。
- 鉢植えの場合、市販の草花用の培養土または赤玉土(小粒)4:腐葉土3:黒土3の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土2割に加え完熟堆肥2割をを混ぜ込んで、植え穴に戻します。(乾燥しやすい土壌なら、腐葉土をタップリ多めに混ぜて湿度を保つようにする)
- 肥料
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、2月頃に緩効性化成肥料を施します。他には、生育状態を見ながら年2~3回、固形有機肥料を施します。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料とチッ素・カリウム・リン酸の三大要素の他にミネラル分を補充するために堆肥を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、2月頃に油かす8:骨粉2で混ぜ合わせた有機肥料を施します。
- 植え付け
- 苗の植えつけ適期は、11~3月です。(根が細くて寒さで枯れ込むこともあるので、寒冷地では、4月になってからがよい)
- 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
- 鉢植えの場合、6~8号鉢が目安です。
- 地植えの場合、植え穴は根鉢の3倍の大きさを掘り上げ、堆肥を底に敷いて、掘り上げた土に元肥を混ぜ込んだら、元の植え穴に戻します。植えつけ直後に、タップリと水を施したら支柱を立てて、紐で苗木を誘引します。
- 植え替え
- 適期は11~3月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2~3年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 挿し木
- 適期は6月~7月上旬です。丈夫なので、簡単に発根します。元気な枝を10~15cmに切って挿し穂にします。よく水揚げして、花壇に直に挿します。鉢に清潔な用土を入れて挿してもよい。
強い樹木だが寒冷な時期に植え付けるのは避ける
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
- 手入れ
- 剪定→適期は、12月~2月下旬です。非常に芽吹きがよい木なので、どこで切っても芽を吹きます。スペースや好みの樹形に合わせて、自由に切れるので安心です。あまり、樹形にこだわらないのであれば、幹の下部や中途半端な位置から伸びてくる枝を、付け根から切り取っておく程度で十分です。丈夫なので一度切り取っても、再び同じ位置から芽を吹くので、切り取る際には付け根のギリギリまで切り取りましょう。
- 病気・害虫→特になし
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- 日当たり
- 日当たりがよく湿り気のある場所で育てましょう。