ホトトギス 季節の花-葉の脇から紫色の斑点の入る花を付ける-イパネマおやじ
ホトトギス (Toad lily) は、花形が鳥の杜鵑(ほととぎす)に似ていることに由来しています。やや湿り気のある山地や樹林下などの、よく風の通る明るい日陰に自生しています。8月頃になると、白地の花弁に直径2~3cmの紫色の模様が入った花を咲かせます。。他にも、白色や黄色の単色花もあります。2~3輪が上向きに開花して、枝は分枝が少なく、真っ直ぐに伸長して時には枝垂れることもあります。
風通しのよい明るい日陰が適する
- 分類:ユリ科ホトトギス属 / 原産地:日本(本州、四国、九州)
- 学名:Tricyrtis hirta
- 英名:Toad lily
- 別名:トード・リリー
- 園芸分類:多年生草本 / 耐寒性
- 草丈:30~100cm
- 開花期:9~10月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- ホトトギスは、北海道西南部から本州の関東以南、四国、九州地方に13種類が分布して、その内10種類が日本の固有種です。ホトトギス属の仲間は、日本、台湾、朝鮮半島にも19種が分布しています。最近は、実生や挿し木で繁殖したものが流通して、比較的安価に販売されています。春に芽が出て、夏に向けて葉が伸びて開花します。秋になると落葉して、冬には地上部がなくなり休眠します。
- 日陰を好み栽培も簡単で、狭い空間でも育てられるので入門者向きの山野草です。個性的な花を咲かせることから海外での人気も高まり、種子の需要も高まっているようです
- 近縁種
- キバナノホトトギス(Tricyrtis flava)→九州南西部に自生。草丈10~20cmで、地植えにすると、他の植物に負けてしまうので鉢植え向き。
- シロホトトギス(Tricyrtis hirta f. albescens)→ホトトギスの弁色に斑点が入らない。
- タイワンホトトギス(Tricyrtis formosana)→沖縄県、台湾に自生する。草丈30~80cmで、茎先に散房花序を付け3~6個の花を上向きに咲かせる。
- タカクマホトトギス(Tricyrtis ohsumiensis Massam)→大隅半島の固有種で、九州南部の一部に自生する希少種。
水はけがよければ土質は選ばない
- 用土
- コンテナ・鉢植えの場合→
- ホトトギス、タイワンホトトギス及びその交配種→市販の草花用培養土か赤玉土(小粒)4:パーライト3:腐葉土3を混ぜ込んだ土を使います。
- 上記3種類以外の種類→赤玉土(小粒)3:日向土3:鹿沼土(硬質)3:腐葉土1の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合→
- 植え穴を掘り上げて、腐葉土とバーミキュライトかパーライトを全体の2~3割程度混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を少量だけ混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、3~5月は親指大の固形完熟油かすなどを月1個。6~9月はリン酸の多い液肥(規定の1/2に薄める)を月2回施す。
- 地植えの場合、植えつける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、3~5月は親指大の固形完熟油かすなどを月1個。6~9月はリン酸の多い液肥(規定の1/2に薄める)を月2回施す。
- タネまき
- 適期は、2~3月です。花後の10月下旬~11月上旬に種子を採取してスグに採りまきをします。又は、タネを保存しておいて早春の2~3月にまいてもよい。
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、春が2月下旬~5月、秋は9月中旬~10月です。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
- 鉢植えの場合、6~7号鉢の長鉢がよいでしょう。
- 地植えの場合、ジョウロホトトギス以外は、地植えの方がよく育つようです。
- 植え替え
- 適期は、2月下旬~3月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 株分け
- 適期は、2月下旬~3月です。地中をランナーが伸びて新芽がでるので、2~3年に1回は堀り上げて株分けしましょう。3芽程が1株になるように分けて植え付けます。
- 挿し芽
- 適期は、5月~6月です。2節分の挿し穂を切り取り、下葉を取り除きます。鹿沼土や赤玉土(小粒)などの清潔な用土に節が埋まるように挿します。
風通しのよい明るい日陰を好む
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。株全体も乾燥させないように管理しましょう。
- 地植えの場合、夏の厳しい乾燥時期を除いては自然にまかせてもよい。
- 手入れ
- 支柱たて→5~6月に草丈が長くなり、茎が倒れやすくなったら支柱を設けます。
- 水やり→日常の水やりは当然ですが、夏はよく乾くので株元への水やりと、霧吹きで株全体に吹きかけます。
- 病気→白絹病
- 害虫→ナメクジ、カタツムリ 湿り気のある環境で育てるので発生しやすい。食害するので見つけ次第捕殺します。
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- 日当たり
- 明るい日陰を好みます。午前中は日が当たる、少し湿った場所がよい。
- 地植えの場合、夏に日陰がない場所では60%程度の遮光ネットを張りましょう。