ポレモニウム 季節の花-午前中は日当たりがよくて乾きにくい環境を好む-イパネマおやじ

  • ポレモニウム(Polemonium)は、ヨーロッパ、北アメリカ、中央アメリカ、日本などに約30種が分布するハナシノブ科ハナシノブ属の多年草です。欧米では、セイヨウハナシノブと呼ばれるカエルレウム(Polemonium caeruleum)が広く栽培されているようで、変種にはエゾバナハナシノブ(P. ssp. boreale)があります。(Polemonium は、学名分類の科にあたり通称としても呼ばれます)
  • ハナシノブ(花忍)のような、九州の阿蘇にだけ生息しているという日本の固有種もあります。現在は、園芸品種の種苗も流通していて、北海道、青森、南北アルプスなどで自生しています。花名のハナシノブは、羽状の根生葉がシダ類のシノブの葉に似ていることから名付けられたそうです。開花期は、各品種とも4月下旬~8月の間で、可憐で繊細な薄青紫色の花を咲かせます。

ポレニウムは多年草です

耐寒性は優れているが夏の暑さは苦手

  • 分類:ハナシノブ科ハナシノブ属 / 原産地:北中米、ヨーロッパ、アジア、日本
  • 学名:Polemonium spp.
  • 英名:
  • 園芸分類:多年性草本 / 耐寒性 
  • 草丈:30~100cm 
  • 開花期:4~8月頃 
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 特徴
  • ハナシノブ属の仲間は、いずれの品種も耐寒性はあるが、耐暑性は劣る性質です。関西以西の暖地では夏越しは難しい品種もあります。
  • 近縁種
  • ハナシノブ(Polemonium kiushianum)→日本の固有種で、原産地の九州阿蘇にだけ分布する多年草(または一年草)。環境省では、平成7年に国内希少野生動植物に指定、翌年に保護増殖事業計画を策定する程、希少種として保護されています。現在は、園芸用の種苗が流通しています。草丈30~70cmで、花径1~1.5cmの薄い青紫色の花を咲かせる。開花期は5~7月です。
  • エゾハナシノブ(P. caeruleum ssp. yezoense)→北海道、青森県などに自生する多年草で耐寒性は強い。草丈40~70cmで、花径2~3cmの青紫色の花を咲かせる。開花期は5~6月。
  • ミヤマハナシノブ(P.  caeruleum)→国内の南アルプスや北アルプスの高山草原に自生する多年草です。可憐で繊細は花姿で、薄紫色の花を咲かせます。草丈は30~70cmで、雪解けと共に葉を広げて花茎を伸ばします。茎の先端に花径2~3cmの青紫色の5弁花を咲かせます。開花期は4~6月です。(自生地では7~8月)

歩レオにウムはハナシノブ属です

丈夫で育てやすい植物

  • 用土 
  • 水はけ水もちのよい土壌を好みます。注:用土配合は品種により多少は異なる。
  • 用土に、市販の草花用の培養土を使う場合、予め元肥が混ぜ込んである場合があるので元肥は少量にします。
  • 鉢植えの場合、鉢底に軽石を敷いて、赤玉土(小粒)4:鹿沼土(硬質)3:腐葉土2:パーライト1の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土2割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。(水はけが悪い土壌なら川砂や桐生砂を1~2割混ぜ込む)
  • 肥料
  • 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を少量混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、真夏と冬を除いて月に2~3回薄めの液肥を施します。
  • 地植えの場合、植えつける前に元肥として有機質肥料と堆肥を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、4月中旬~6月に速効性化成肥料を置肥。9月下旬~10月に緩効性化成肥料を置肥します。

ポレモニウムはタネまきで増やします

  • タネまき
  • 適期は、花後の6月頃に採まきするか、保存して春の3月中旬頃にまきます。秋まきの適期は、9月中旬~10月中旬です。用土にまいて、本葉が3枚程出たらポットに移して仮植えします。根が回ったら、株間25~30cmで植え付けます。
  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、春が2月中旬~3月、秋が9月下旬~12月中旬です。
  • 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
  • 鉢植えの場合、6~8号鉢に1株が目安です。
  • 地植えの場合、植え穴は根鉢の倍の大きさを掘り上げ、堆肥を底に敷いて、掘り上げた土に元肥を混ぜ込んだら、元の植え穴に戻します。植えつけ直後に、タップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 活発に根が伸びて根茎が肥大化するので、秋に株分けをしましょう。
  • 適期は、2月中旬~3月上旬、夏を無事に越したら秋は9月下旬~10月中旬です。
  • 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、毎年か2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、鉢植えと同じように秋に植え替えましょう。
  • 株分け
  • 適期は、2月中旬~3月上旬、夏を無事に越したら秋は9月下旬~10月中旬です。株分けを兼ねて行います。但し、株の寿命は短くあまり増える性質ではありません。タネまきをして、常に更新した方がよいでしょう。

ポレモニウムは耐寒性がある

野菜・果実の仕切りライン大

直射日光の長く当たる場所は避けて育てる

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿を避けるために、毎日習慣として水を施すのは避けましょう。
  • 手入れ
  • 花茎の切り戻し→花後は、草丈の1/3を切り戻しておくと脇芽が出て、再び花が咲きます。
  • 病気・害虫→特になし

※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。

  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 午前中だけ日の当たる半日陰でも育ちます。西日や真夏日の直射に当たるのは避けましょう。鉢を移動してやりましょう。

野菜・果実の仕切りライン大