ピラカンサ 季節の花-生垣や鉢植えとして育てられる常緑低木-イパネマおやじ

ピラカンサ (fire thorn) は、露地植えや、生垣、鉢植え(主に盆栽)として栽培されています。樹高2~7mの常緑低木で、よく分枝して刈り込みにも耐える丈夫な樹木です。特に生垣用として、大正の頃より盛んに栽培されてきました。5~6月に、白色の花で株全体を覆いつくすほど咲かせ、秋には鮮やかな赤や橙色の果実を多数つけます。そして、美しい濃緑色の葉とともに春先まで鑑賞できます。

ピラカンサは落葉低木

丈夫で育てやすい花木

  • 分類:バラ科トキワサンザシ属 / 原産地:中国、ヨーロッパ
  • 別名:ピラカンサス
  • 和名:トキワサンザシ、タチバナモドキ
  • 学名:Pyracantha spp.
  • 英名:fire thorn
  • 園芸分類:常緑低木 / 耐寒性(強い)、耐暑性(強い) 
  • 樹高:2~4m
  • 開花期:5月中旬~6月中旬 
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、盆栽)
  • 特徴
  • 日本では、トキワサンザシ、タチバナモドキ、カザンデマリの3種類が広く栽培されていて、これらの総称が「ピラカンサ」です。ピラカンサの仲間の中でも、ヨーロッパ南西部からアジア南西部に自生するトキワサンザシ(Pyracantha coccinea)は、最も多く栽培されています。
  • 近縁種
  • トキワサンザシ(Pyracantha coccinea)→アジア南西部原産の常緑低木です。樹高3~7mで,新梢は細毛で覆われ、花径1cm程の白色の5弁花を咲かせる。11月~ナシ状果を多数付けて、鮮やかな紅色になる。
  • タチバナモドキ(P. angustifolia)→別名は、ホソバノトキワサンザシ。中国原産の常緑低木。樹高2~4mで、幹には棘がある。葉は長さ2~5cm、幅4~8mmの狭長楕円形。花は直径2~4cmの散房花序に5~10個の小花をつける。11月~12月に直径5~8mmのナシ状果が橙色に熟する。
  • カザンデマリ(P. crenulata)→別名は、ヒマラヤトキワサンザシ。中国、インド、ネパール、ブータン、ミャンマー原産の常緑低木。樹高2~5mで、仲間の中では葉が幅広で3~7cmの長楕円形。枝は毛と棘があり、直径3~5cmの散形花序に小さな花を多数つける。ナシ状果の果実は、橙黄色~橙赤色で、直径3~8mmの球形。

ピラカンサはトキワサンザシ属

生垣や鉢植え・盆栽用として人気がある

  • 用土 
  • 水はけのよい土壌を好みます。土質はあまり選びません。
  • 用土に、市販の山野草用の培養土を使う場合、予め元肥が混ぜ込んである場合があるので元肥は控えめにします。
  • 鉢植えの場合、鉢底には鉢底石を敷いて、市販の山野草用の培養土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土2~3割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。(水はけが悪い土壌なら川砂を1~2割混ぜ込む)
  • 肥料
  • あまり肥料は欲しがりません。地植えの場合、普通の土壌なら不要です。
  • 鉢植えの場合、植えつけの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を少量だけ混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、2月下旬~3月中旬、6月下旬~7月上旬に固形の有機肥料か緩効性化成肥料を施す。
  • 地植えの場合、植えつけの際に肥料は施しません。定植後の施肥は2月下旬~3月中旬に油かすと骨粉入り固形肥料を置肥する。(置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表に散布する)

ピラカンサは樹高2~5m

  • タネまき
  • 適期は、10月中旬~12月です。熟した果実を採取して、種子を取り出したらよく洗ってから採りまきします。
  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、春が3月~4月、秋が9月下旬~10月です。
  • 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。幹や枝には棘があるので要注意。
  • 鉢植えの場合、苗木の丈に応じて鉢を選びます。一般的に1m近いので、9~10号鉢以上がよいでしょう。
  • 地植えの場合、植え穴は根鉢の倍の大きさで、苗を置いたら土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、3月~4月です。
  • 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。
  • 挿し木
  • 適期は、6~9月です。当年枝の先端を10~15cm切り取り葉を2~3枚残し、1時間ほど水揚げして用土に挿します。用土は赤玉土(小粒)や鹿沼土を使います。(清潔なものを使いましょう)

ピラカンサは白色の花を咲かせる

野菜・果実の仕切りライン大

朱赤色の美しい果実を実らせる

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
  • 手入れ
  • 剪定→適期は、開花後の6~9月です。10月頃になると、翌年の花芽が枝の中で作られます。(少数ながら品種によっては、6月頃から形成するものもある)花芽は先がトゲのようになっている短い枝に付き、勢いよく伸長する枝には花芽を付けません。
  • 剪定するのは、長く伸びる徒長枝や樹形を乱す枝です。多くの花や果実を実らせたい場合は、花芽のできる2ヶ月前の、8月までに剪定作業は済ませておきましょう。
  • 病気→特になし
  • 害虫→アブラムシ、ハマキムシ

※ ハーブの栽培手入れ→トップページ「ハーブ植物の栽培上手」をクリックしてください。

  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 半日陰でも育つが、花つきが悪くなったり茎が発育不良で細くなったり間伸びします。

野菜・果実の仕切りライン大