エンジェルストランペット 季節の花-中南米原産の花木-イパネマおやじ
エンジェルストランペット (Angel’s trumpet) は、ラッパのような花弁が連なって下垂する熱帯花木です。主な開花期は初夏から晩秋の間で、長きにわたり楽しませてくれます。夜になるとほのかな香りを放つ品種もあります。花色は、白やオレンジ、ピンク、黄色などがあります。花はトランペット形、長さ20~30cmで、尖った花冠の先は5裂し外側に反り返る種が大半です。
トランペット形の長い萼を下向きに咲かせる
- 分類:ナス科ブルグマンシア(キダチチョウセンアサガオ)属 / 原産地:エクアドル、ブラジル
- 別名:ブルグマンシア・ウェルシコロル、カシワバチョウセンアサガオ(その他数種)
- 学名:Brugmansia
- 英名:Angel’s trumpet
- 園芸分類:常緑低木~潅木 / 半 耐寒性
- 樹高:2~10m(種により異なる)
- 開花期:5~11月 /
- 栽培方法:地植え、鉢植え
- 特徴
- エンジェルストランペットの仲間は、熱帯アメリカに7種が分布するナス科の花木です。主な分布地域は南アメリカのベネズエラ~チリ北部のアンデス山脈地方からブラジル南部の熱帯地域まで広がっています。江戸時代に渡来して以来、朝鮮朝顔として栽培されていました。以前は、ダチュラ(チョウセンアサガオ)属に分類されていましたが、現在はブルグマンシア(キダチチョウセンアサガオ)属に分類されています。一般的な呼称は「エンジェルストランペット」で流通しています。
- 近縁種
- ブルグマンシア・スアウェオレン(Brugmansia suaveolens)→和名は、キダチチョウセンアサガオで、ボリビア、ペルー、ブラジル大西洋沿岸原産の潅木~低木。樹高3~5mで、葉は20~25cmの長楕円形で長さ25cm程。花は、長さ24~32cmで下垂して咲く。花色は基本的には白色、黄色やピンク色もある。
- ブルグマンシア・カンディダ(Brugmansia x candida)→和名は、コダチチョウセンアサガオで、ペルー原産。樹高1.5~3mの低木で、葉は卵型~長楕円形、長さ20cm程。花は下垂して咲き、トランペット形で長さ25~30cmの白色。
- ブルグマンシア・ヴェルシコロル(Brugmansia versicolor)→エクアドルの太平洋岸グアヤギルの高度300m一帯に自生する。樹高1~3mで、葉は長楕円形、長さ30cm程。花はトランペット形で下垂して咲き、長さ30~50cm。花色は、咲き進むと淡いオレンジ色から杏色へ変わる。
- ブルグマンシア・サングイネア(Brugmansia sanguinea)→コロンビア、エクアドル、ボリビア原産。高度2500m程の地帯に分布。樹高10m程で、葉は長さ20~25cmの長楕円形。花は、長さ15~23cmで香りはなく下垂して咲く。花色は濃橙色。
注:ブルグマンシア属は全草に毒性がり、誤食すると中毒を起こすので注意が必要です。
肥沃な土壌を好むので多肥で育てる
- 用土
- 用土に、市販の草花用(山野草用)の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので元肥は控えめにします。
- 鉢植えの場合、鉢底には鉢底石を敷いて、市販の草花用の培養土または赤玉土(小粒)5:ピートモス(酸度調整済み)3:パーライト2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土2~3割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。
- 肥料
- 多肥を好みます。肥料切れを起こさないようにします。
- 鉢植えの場合、寒さ対策で室内に入れる植物には、臭いの発生しやすい有機質の肥料はなるべく使わないほうがよい。
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、4~10月の間、2ヶ月に1回は固形の緩効性化成肥料4~5個を置肥します。室内に置いて、新しい葉が伸び出てくる株なら、7~10日に1回速効性液体肥料を施す。軒下などに置いた休眠状態の鉢には肥料は施さない。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として牛ふん堆肥と少量の緩効性化成肥料混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、5~10月の間、月1回は速効性化成肥料50gを株の周囲に置肥します。
- 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部に散布する。
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、4月中旬~6月です。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植えつけていきます。
- 鉢植えの場合、10~11号鉢が目安です。植え付け直後にタップリと水を施します。
- 地植えの場合、植え穴は根鉢の倍の大きさで、堆肥を底に敷いて元肥を混ぜ込んでおいた土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、4月中旬~6月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 挿し木
- 適期は、5~9月です。秋に挿せば、冬越し用の小苗づくりもできます。
植え替えは毎年行ってもよい程生育が早い
- 水やり
- 鉢植えの場合、冬は乾かし気味に管理して、4月からは土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。夏場に葉がしおれてきた場合は施しましょう。
- 手入れ
- 冬の剪定→適期は、11月です。鉢植えを室内に取り込む際は、株元から60~100cmの位置で切り戻します。
- 春の剪定→冬の剪定をしなかった場合は、春の生長が始まる前の、4月に切り詰めます。
- 開花した大株をコンパクトにするために5月下旬~6月に切り戻します。しばらくすると新枝が伸びて再び開花します。
- 病気→特になし
- 害虫→アブラムシ、カイガラムシ、ハダニ、ヨトウムシ
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 地植えの場合、強風で傷みやすいので、植えつける前に場所の環境をチェックしてから植え付けます。