ベロニカ 季節の花-スラリとした草姿で爽やかな花を咲かせる-イパネマおやじ
ベロニカ (Veronica) は、北半球の温帯地域に約200種が分布する一年草・多年草です。株が直立するタイプと地面を這うように伸びる匍匐タイプがあります。ボーダー花壇ではアクセントをつけるのに欠かせない花です。他の花に混じって、細長い穂が直立する個性的な花姿がよく見かけられます。
縦長の株立ちで美しい花を咲かせる
- 分類:オオバコ科クワガタソウ(ベロニカ)属 / 原産地:北半球の温帯地域
- その他の別名(仲間):ルリトラノオ、スピードウェル
- 学名:Veronica
- 英名:
- 園芸分類:一年草・多年草 /
- 草丈:20~60cm
- 開花期:春咲き種と夏咲き種が4月~7月、秋咲き種が9月~11月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- 世界中に200~300種が分布、日本には帰化したものを含めて20種が自生しています。暑さ、寒さに強いので育てやすく園芸入門用として適した花です。地植えの場合、根が付けばほぼ放任しても自然に育ちます。一年草、多年草、落葉性、常緑性など多岐にわたり、花色も白、ピンク、薄紫、青色など多彩な品種があります。
- 近縁種 オオバコ科クワガタソウ属(ルリトラノオ属)
- ルリトラノオ(Veronica subsessilis)→原産地は日本の伊吹山に自生、別名がイブキルリトラノオとも呼ぶ。草丈40~90cmの多年草。茎頂に10~20cmの青紫色の花穂を見せ、下部から茎頂へ咲き上がる。開花期は7~8月。葉は狭い卵形で鋭い鋸歯。
- ヴェロニカ・ゲンチアノイデス(Veronica gentianoides)→原産地はイラン、トルコ、コーカサス地方、クリミア半島。草丈30~60cmで、茎頂に総状花序を見せ花径1~1.5cm程の薄青紫色の小花を密生して咲かせる。開花期は5~7月。葉は濃緑色で光沢があり長さ4~8cmで楕円形~被針形。
- ヤクヨウヴェロニカ(Veronica officinalis)→別名はヴェロニカ・オフィキナリス、コモン・スピードウェル。原産地は西アジア~ヨーロッパに自生する多年草。草丈10~30cmで、枝茎は地面を這うように広がり、節から根を伸ばすのでグラウンドカバーとして利用される。花は葉腋から穂状花序を出し、花径5~6mmの白色~薄青色の小花を咲かせる。開花期は4~6月。葉は長さ5~6cmの楕円形で細毛が密生する。北米大陸に多く帰化している。
- セイヨウトラノオ(Veronica longifolia)→別名はヴェロニカ・ロンギフォリア。原産地は、中国、ロシア、カザフスタン、トルコ、ヨーロッパに分布する多年草。草丈40~120cmで、茎頂に総状花序を見せる。花柄は薄紫色で筒状の長卵形約7mm程。開花期は6~8月。葉は長さ15cm程で鋭鋸歯。
- トラノオノキ(Veronica ‘Lavender Lace’)→別名はヴェロニカ ’ラヴェンダー・レース’、ヘーペ ’ラヴェンダー・レース’。園芸作出品種、作出地はニュージーランド。常緑低木で樹高100~150cm。枝先に7cm程の総状花序を見せ花径2~3cmの薄紫色の小花を咲かせる。開花期は7~9月。葉は長さ5cm程の狭披針形。
多くの花を付け脇芽が咲くので開花期が長い
- 用土
- 鉢植えの場合、鉢底には鉢底石を敷いて、市販の草花用の培養土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して堆肥や腐葉土2~3割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性の化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、3月~5月中旬、秋は9月~10月中旬に緩効性化成肥料を少量だけ置肥します。春の芽出し前に施すのは液肥でもよい。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として有機質肥料と堆肥を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、3月~5月中旬、秋は9月~10月中旬に緩効性化成肥料を少量だけ置肥します。春の芽出し前に施すのは液肥でもよい。
- 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部に散布する。
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、春が3月~4月、秋は9月下旬~10月です。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植え付けていきます。
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、苗の根鉢を少し崩してから植え付けます。
- 地植えの場合、堆肥を底に敷いて、元肥を混ぜ込んでおいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、3月です。毎年植え替えた方が綺麗な花が咲きます。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために鉢から根が伸び出てきたら、年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 株分け
- 適期は、3月です。植え替え作業の際、同時に行います。
- 挿し芽
- 適期は、5月、秋が9月~10月です。花芽でない若芽の頂芽挿しか、1節ずつに切り分け節挿しにする。
ボーダー花壇では必ずといっていいほど植栽されている
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。開花前のツボミの時期は、乾かさないように注意しましょう。
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたら、鉢底から少し流れ出るくらいタップリと水を施します。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 花がら摘み→花後の枯れた花がらや茎は速やかに切り取ります。
- 花後の切り戻し→適期は、7月下旬~8月上旬です。茎の中ほどで切り戻します。
- 病気→うどんこ病、灰色かび病
- 害虫→アブラムシ
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- 日当たり
- 日当たりと水はけのよい場所を好みます。