ミセバヤ 季節の花-万葉の植物として古来より栽培されている-イパネマおやじ
- ミセバヤ (October plant) は、葉の美しい多肉植物です。草丈は10~30cmで、春になると細い茎が伸びて丸葉が3枚ほど輪生します。丸みのある葉の縁は鋸歯になります。1株から多数の茎を伸ばして、下垂しながら伸長します。
- 秋になると、茎の先端に花径1cm程の小さな桃紅色の花を房状に咲かせます。同時期には、葉も紅葉して美しい紅色になり、やがて落葉します。株元には冬芽を残して休眠期に入ります。
万葉の植物として親しまれている
- 分類:ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属 / 原産地:日本(瀬戸内海沿岸)
- 別名:タマノオ(玉緒)
- 学名:Hylotelephium sieboldii (=Sedum sieboldii)
- 英名:October plant
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性・耐暑性
- 草丈:20~30cm
- 開花期:10~11月 /
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- ミセバヤは、日本原産で古来より万葉の植物として親しまれてきた観葉植物です。現在、栽培逸出ではない野生種が見られるのは小豆島だけといわれます。一方では、園芸品種として古くから栽培されてきたこともあり、全国で広く栽培されています。
- 近縁種
- ミセバヤ(Hylotelephium sieboldii)→花はピンク色の小輪花が集合して開花する。茎は下垂気味に伸長するので、吊り鉢にも適する。
- ヒダカミセバヤ(H. cauticola)→北海道の日高~釧路地方の岩場に自生が見られるミセバヤの近縁種。細い茎が伸長して、葉は卵型で縁が鋸歯になる。
- ユウバリミセバヤ(Sedum pluricaule Kudô)→北海道の夕張岳で近年に発見された品種です。草丈10~15cm、当然ながら耐寒性に優れる。開花期は8月下旬~9月で、複数形花序に紅紫色の小さな花をたくさん付けます。
- ツガルミセバヤ(H. ussurlense var.tsugaruense)→青森県津軽半島~秋田県白神山地で多く見られる品種です。ミセバヤの仲間の中では、一回り大きな株立ち。開花期は9~10月で、白色の花を付けるのが特徴。細い茎は少しもろくて折れやすいが耐寒性は強い。草丈10~20cm。
- エッチュウミセバヤ(H. sieboldii var. ettyuense)→越中の名前の通り、富山県で栽培されている品種。草丈10~30cmで、ミセバヤの仲間の中では、一回り大きな株立ちになり見応えがあります。開花期は10月で、複数形花序を見せピンク色の小輪花を付けドーム状に開花します。
水はけのよい土壌を好む
- 用土 水はけのよい土壌を好みます。
- 用土に、市販の山野草用の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので元肥は控えめにします。
- 鉢植えの場合、茎が伸長すると下垂する性質があるので、高さのある鉢がおすすめです。鉢底石を敷いて、市販の草花用の培養土または鹿沼土(小粒:)5:赤玉土(小粒)3:軽石砂2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して鹿沼土や火山レキ、軽石砂を5割以上混ぜ込んで、植え穴に戻します。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を少量だけ混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、4月下旬~6月に緩効性化成肥料を置肥します。夏場の施肥は避けましょう。(置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部に散布する)
- 地植えの場合、施肥の必要はありません。
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、3月下旬~4月です。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備した土壌に植え付けていきます。
- 鉢植えの場合、茎が下垂するように伸長するので、鉢の口径以上の高さがある深鉢がお奨めです。鉢底に、鉢底石を敷いてから植え付けます。
- 地植えの場合、水はけと風通しのよい場所に定植してください。準備しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、3月下旬~4月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために鉢から根が伸び出てきたら、、1~2年に1回を目安に行いましょう。新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 株分け
- 適期は、3月下旬~4月です。植え替えの際、株分けも同時に行います。3~4芽で1株にまとめます。
- 挿し芽
- 適期は、5月~6月です。葉のついた茎を3節の長さに切り、用土に挿します。(用土は赤玉土や鹿沼土などの清潔なもの)
日当たりと風通しのよい場所を好む
- 水やり 葉は肉厚だが水は控えすぎずに、普通の草花と同じように適湿で管理する。
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。冬は表面が乾いてから2~3日経ってから施す位の乾かし気味に管理する。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 花がら摘み:花後の枯れた花は早めに摘み取ります。
- 病気→軟腐病 過湿になると発生しやすい
- 害虫→アブラムシ、アオムシ、ナメクジ 特にアブラムシに注意
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- 日当たり
- 日当たりと水はけのよい場所を好みます。出来れば風通しのよい場所を選びましょう。