オキナグサ 季節の花-花後に白くて長い毛のある果実を付ける-イパネマおやじ

  • オキナグサ (Rasque Flower) は、本州、四国、九州の草原や川原などに分布する多年草です。数10年前までは、野山で自生しているのが多数見かけられましたが、現在は絶滅危惧種に指定されています。数が減ったのは、生育が遅いことや野草として育つ自然環境が少なくなったことが原因だと思われます。
  • 4月~5月になると、地下にある太いゴボウ状の根茎から芽を出します。白い毛で覆われた花茎を伸ばし、茎頂部に短い毛で覆われた、花径3~5cmの赤紫色がかったチョコレート色の花を付けます。花は、少し下垂して咲きますが、花びらのように見えるのは正確には萼片です。花後に、白くて長い毛のある果実ができる様子が、老人の白髪のように見えることからオキナグサ(翁草)の名前が付いたとされます。晩夏になると花芽をつくり、葉が枯れた後に綿毛に包まれた花芽が残った状態で越冬します。

オキングサは濃紫色の花を咲かせる

暗紫色の花のように見えるのは萼片

  • 分類:キンポウゲ科オキナグサ属 / 原産地:日本、朝鮮半島、中国
  • 別名:ハクトウソウ(漢字表記:)
  • 学名:Pulsatilla cerna
  • 英名:Rasque Flower
  • 園芸分類:落葉性多年草 /  
  • 草丈:20~40cm
  • 開花期:4中旬~5月下旬 /
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
  • 特徴
  • オキナグサの仲間は、北半球の温帯地域を中心に約45種が分布しています。国内では、オキナグサの他にツクモグサが自生しています。手間のかからない育てやすい植物ですが、冷涼を好む種もあり暖地では育てにくいものもあります。
  • 近縁種
  • ルイコフイチゲ(Pulsatilla tatewakii )→三大オキナグサの一つです。樺太原産の多年草。草丈15~20cm、葉は拳状形で長さ6~9cm全草が細毛で覆われる。開花期は4~5月、花径4~6cmの青紫色の花を咲かせる。
  • プルサテラ・プラテンシス(P. pratensis)→ヨーロッパ北欧~東欧の原産の多年草、草丈10~30cm。葉は糸状に細かく分かれ、全草が銀白色の毛で覆われている。開花期は、早春で花径2~3cmの紫色の花を付ける。花びらに見えるのは萼片(がくへん)で、花後に花柱が伸びて、白くて長い羽毛状になる。
  • プルサティラ・ヴルガリス(P. vulgaris)→和名が西洋オキナグサ。ヨーロッパ原産の多年草。草丈約20cm、葉は根出葉で長さ5~20cm。開花期は、春先で花径5~8cmの紫色の花を咲かせる。花茎の長さは10cm程で春先は白毛で覆われているが、開花期になると薄くなる。

オキナグサは根茎のある種類もある

  • 用土  水はけのよい土壌を好みます。
  • 用土に、市販の山野草用の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので元肥は控えめにします。
  • 鉢植えの場合、市販の山野草用培養土または赤玉土3:鹿沼土(小粒)4:川砂3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して山野草用培養土や腐葉土2~3割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。(水はけが悪い土壌なら川砂を1~2割混ぜ込む)
  • 肥料 暑さで弱っている夏季と冬の休眠期は肥料は施しません。
  • 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を少量だけ混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、4月中旬~6月下旬に肥料3大要素のバランスが等量の液体肥料を施す。9月下旬~10月中旬に2週間に1回、リン酸分の多い液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、4月中旬~6月下旬、9月下旬~10月中旬に緩効性化成肥料を置肥します。
  • 置肥をする際には、株元を避け枝先の直下の地表部に撒きます。

オキナグサは多年草です

  • タネまき
  • 適期は、5月中旬~6月上旬です。タネは一般では流通が少ないので、採りまきで増やします。種子を採取したら、タネを取り出しスグにまきましょう。
  • 植え付け 根鉢を崩されるの嫌います。
  • 苗の植え付け適期は、春が2月下旬~3月中旬、秋が9月下旬~10月中旬です。
  • 「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に、植え付けていきます。
  • 鉢植えの場合、根茎のある種は、直根で深く真っ直ぐに伸びるので深さのある深鉢を選びます。材質も、蒸れやすいプラスチック製や表面に釉薬のかかっていないタイプにしましょう。(素焼き鉢、テラコッタ鉢が適する)植え付け後、2週間位は明るい日陰に置いて直射日光は避ける。
  • 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。細い根の種は、根を傷めないように定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、9月下旬~10月中旬です。
  • 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために鉢から根が伸び出てきたら、、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩さないように、新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。根茎のあるタイプは、ゴボウ状の根が傷みやすいので、秋季に行いましょう。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。
  • 株分け
  • 適期は、植え替えと同じ9月下旬~10月中旬です。植え替え作業と同時に行います。ゴボウ状の根茎タイプは、切り取った部分に殺菌剤を塗布しましょう。

オキナグサは白くて長い毛が特徴です

野菜・果実の仕切りライン大

タネの流通が少ないので採りまきで増やす

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、休眠期(夏・冬)は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
  • 真夏は夕方に、鉢中と鉢の外側全体にタップリと水をかけて夜間温度を下げるようにします。通常の季節は朝方に施しましょう。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 花茎を切り取る→タネを採取しない場合は、花後の花茎は切り取ります。
  • 病気→白絹病、軟腐病
  • 害虫→アブラムシ、アオムシ、ナメクジ、ヨトウムシ
  • 日当たり
  • 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
  • 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。

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