ゲウム 季節の花-品種により草丈がかなり異なる-イパネマおやじ
ゲウム (Geum) は、バラ科ダイコンソウ属の宿根草です。日本国内にも一重咲きになる、ゲウム・ジャポニカという原種の他、5種があります。園芸店などで流通している、品種の多くはヨーロッパで作出された園芸品種です。ダイコンソウの仲間で、根出葉が大根の葉に似ていることから呼ばれていますが、イチゴの葉茎にも似ていると思いませんか。
乾燥を嫌うので高温期は明るい日陰で育てる
- 分類:バラ科ダイコンソウ属 / 原産地:南北アメリカ、ユーラシア
- 別名:ダイコンソウ(漢字表記:大根草)
- 学名:Geum
- 園芸分類:多年草・低木 / 耐寒性(強い)、耐暑性(普通)
- 草丈:30~60cm
- 苗の植え付け適期:3~4月、10月
- タネまき適期:4~5月中旬、9月下旬~10月
- 開花期:5~6月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)
- 特徴
- ゲウムはダイコンソウの仲間で、北半球の温帯地域を中心に約50種が分布しています。先述したように、日本には5種が自生しています。葉の形が、大根の葉に似ていることから呼ばれています。花形は、シンプルな一重咲きが中心ですが、ヨーロッパで作出された園芸品種は、バラの花形と花色のものも多数あります。園芸店などに出回っているものの多くはヨーロッパの園芸品種が大半を占めています。
- 近縁種 バラ科ゲウム(ダイコンソウ)属
- ゲウム・ジャポニカ(Geum japonicum)→日本の原種で、和名はダイコンソウ。日本の北海道、本州、四国の高山地帯に分布する。草丈40~80cmで、花径2~3cmの黄色い5弁花を咲かせる。
- チングルマ(G. pentapetalum)→日本の原種で、漢字表記は稚児車。なぜ車なの?と思ったら、果実の形が、子供のおもちゃの風車に似ているから、という説があるそうです。草丈10~15cmで、花径3~4cmの白色の頭頂花を咲かせる。果実は花柱が伸びて、羽状の毛が生える。開花期は7~8月。
- オオダイコンソウ(G. aleppicum)→日本の原種で中部以北に自生、漢字表記は大大根草。草丈100cm程で、2cm程の黄色い5弁花を咲かせる。開花期は6~9月。
- ゲウム・クッキー(G. cooccineum ‘Cooky’)→ヨーロッパで作出された園芸品種で、和名はベニバナダイコンソウ。草丈20~40cmで、花径3~4cmの橙赤色の花を咲かせる。開花期は4~6月。
- ゲウム・マイタイ(G. ‘Maitai’)→園芸品種で、半八重咲きのボリュームのある花姿はクリスマスローズに似ている?草丈40~45cmで、花径4~5cmでバラ科の仲間なのだと改めて感じる花形。花色はアプリコット色で、開花期は4~5月。
水はけがよく保水性のある土壌を好む
- 用土 一定の保水性がある土壌を保つ。
- 鉢植えの場合、市販の山野草用培養土が確実です。自分で配合する場合は、赤玉土(小粒)5:腐葉土3:パーライト2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に、市販の山野草用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥を施します)
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土2~3割を混ぜ込んでおきます。
- 肥料 植物の根に直接肥料が触れないように注意します。夏の高温期に肥料分が残らないようにする。
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、3中旬~4月、秋は10月に緩効性化成肥料を置肥します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として牛ふん堆肥などを混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、3中旬~4月、秋は10月に緩効性化成肥料を置肥します。
- 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部にまきます。
- タネまき
- 適期は、3~4月、秋が10月です。箱まきかポットまきにします。箱まきの場合は本葉が2~3枚になったらポットに仮植えします。ポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。ポットまきも同様に、根が回ったら花壇や鉢に定植します。
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、3~4月、10月です。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に、植え付けていきます。
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、植え付けます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。株間は30~40cm空けて植え付けます。
- 植え替え
- 適期は、3月、秋が10月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために鉢内に根が回ってきたら、1~2年に1回を目安に行いましょう。新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。株が大きく育ちすぎたら株分けを兼ねて植え替えましょう。
- 株分け
- 適期は、3月、秋が10月です。植え替えの際に、同時に作業しましょう。
夏越しをするめには乾燥させずに水はけをよくする
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。特に夏の高温期は、水切れに注意しましょう。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 花がら摘み→花後の枯れた花は茎の元にある小さな芽の上から切り取ります。但し、珍しい形なので実にも観賞価値があるので、適時摘み取らずに残してもよい。
- 害虫→アブラムシ
- 日当たり
- 日当たり風通しのよい場所を好みます。
- 真夏の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。