フクシア 季節の花-花がイヤリングのように釣り下がるように咲く-イパネマおやじ
フクシア (Fuchsia) は、4月頃になると、葉の付け根から軸を伸ばして、イヤリングのような花を下向きに咲かせます。愛称は、イヤリングのように見えることから「貴婦人の耳飾り」と呼ばれます。花弁と萼の色が異なる種が多くあります。亜熱帯性の植物ですが、冷涼な高地や木の生い茂った湿った森林、渓谷などに自生しているので、夏の暑さや、冬の寒さにも弱い繊細な植物です。日本の気候条件では、夏越しの難しい植物ですが、それだけに育てがいのある花ですね。
栽培のポイントは夏越しです
- 分類:アカバナ科フクシア属 / 原産地:中南米、西インド諸島、オーストラリア
- 学名:Fuchsia
- 園芸分類:常緑低木 / 耐寒性(弱い)、耐暑性(弱い)
- 樹高:50~150cm
- 苗の植え付け、植え替え:4月~6月上旬、9月中旬
- 開花期:4月~7月中旬、10月中旬~11月
- 栽培方法:コンテナ(鉢植え、プランター)、吊り鉢
- 特徴
- フクシアの仲間は、中南米から西インド諸島、オーストラリア、ニュージーランドを中心に世界中に110種以上が分布しています。我国へ渡来したのは19世紀中頃で、安政の頃とされています。現在、流通しているのは原種を掛け合わせて作られた園芸品種です。その数は3000品種以上ともいわれ、一大品種群を成しています。栽培は難しいが、独特の花の美しさは魅力がああり、育ててみたいと思いませんか?!
涼しくて湿り気のある場所を好む
- 用土 水はけのよい土壌を好みます
- 鉢植えの場合、市販の草花用培養土、または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 吊り鉢の場合、赤玉土4:ピートモス3:バーミキュライト2:パーライト(真珠石タイプ)1:で混ぜ込んだ土を使います。
- 肥料 真夏や冬の施肥は控えます。
- 鉢植え、吊り鉢の場合、定植後の施肥は、4月~6月と9月中旬~10月に、緩効性化成肥料を置肥して、月2~3回薄めの花用の液体肥料を施します。
- 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部にまきます。植物の根に直接肥料が触れないように注意します。
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、4月~6月上旬、9月中旬です。
- 「用土」の項目で準備しておいた土壌に、植え付けていきます。
- 鉢植え場合、鉢底石を敷き定植したら、用土を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
- 吊り鉢(ハンギングバスケット)の場合、バスケットの中にヤシ殻繊維のマットをセットして、用土を混ぜ込んで用意しておいた先程の土をバスケットに戻します。直後に、タップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、4月~6月上旬、9月中旬です。
- 鉢植え、吊り鉢の場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して、新しい用土を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
- 挿し木
- 適期は、春が5月~6月、秋は10月です。夏の暑さに弱いので、夏越しのために挿し木で苗を育てるとよいです。枝の先端から2~3節の長さで切り取り、下葉を取り除き挿し穂にします。(詳細はサイト内ページ参照)
熱帯夜が苦手で夏越しが難しい植物
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまでタップリと水を施します。
- 真夏は夕方にも、鉢中と鉢の外側全体にタップリと水をかけて夜間温度を下げるようにします。通常の季節は朝方に施しましょう。
- 手入れ
- 置き場所の管理→春と秋は日の当たる場所、冬はマイナスにならない場所に置きます。温暖な地域であれば戸外での冬越しも可能です。
- 切り戻し→適期は、梅雨入り前に夏越しのために刈り込みます。枝の付け根から2節位の長さで切り戻します。
- 花がら摘み→花後の花やしぼんだ花は、花と茎の間の短い枝の部分から摘み取ります。
- 病気→灰色かび病
- 害虫→アブラムシ、オンシツコナジラミ
- 日当たり
- 日当たりと風通しのよい場所を好みます。
- 夏は日陰など25℃以下の場所に置きましょう。