ラミウム 季節の花-地面を這うように枝を伸ばす-イパネマおやじ
- ラミウム (Lamium) は、5月頃になると茎を真っ直ぐに伸ばして、頂部の葉の付け根に花径1cm程の小花を咲かせます。花はサルビアのような花穂で、基部が筒状になり花弁の先端が上下に別れた口唇形の花姿をしています。
- 国内でも、道端や草原などでよく見かけるホトケノザ(Lamium amplexicaule)やオドリコソウ(L. barbatum Siebold et Zucc.)、ヒメオドリコソウ(L. purpureum )、モミジバヒメオドリコソウ(L. incisum Wild., nom. illeg.)などが自生しています。
- 主に栽培されているのは、多数あるラミウムの仲間の中でも花色が紫色のラミウム・マクラツム種(L. maculatum)系統の園芸品種です。花はもちろん美しいのですが、葉の美しさも大いに観賞価値があります。匍匐性で、地面を這うように広がるのでグラウンドカバーや、吊り鉢としても利用されています。
口唇形の花と葉色の美しい草花
- 分類:シソ科オドリコソウ(ラミウム)属 / 原産地:地中海沿岸、アフリカ北部
- 別名:オドリコソウ(漢字表記:踊子草)、ホトケノザ
- 学名:Lamium
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)、耐暑性(弱い)
- 草丈・樹高:20~40cm
- 苗の植え付け適期:3月~6月、10月~11月
- 植え替え適期:3月、秋は10月。
- 増やし方・挿し芽:4月~6月、秋は10月。
- 増やし方・株分け:3月、秋は10月。
- 開花期:5月~6月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター)、ハンギングバスケット
- 特徴
- ラミウムの仲間は、ヨーロッパ、北アフリカ、アジアの広い地域に約50種が分布するシソ科オドリコソウ属の一年草または多年草です。上記のように、国内にも分布しています。
- 近縁種
- ホトケノザ(Lamium amplexicaule)→日本の北海道以南、中国、ロシア、アジア、ヨーロッパ、北アフリカに分布する多年草。国内の開花期は10月~6月。草丈10~30cmで、口唇形の青紫色の花を咲かせる。
- ラミウム・マクラツム(L. maculatum)→原産地ヨーロッパ。国内でも自生が見られるオドリコソウの仲間。最もガーデニングに利用されるのは、花が紫色の当種由来の園芸品種です。主脈の両側に灰白色の斑模様が見られること。花色はピンク~紫紅色の花を咲かせる。開花期は3月~5月。
- オドリコソウ(L. barbatum Siebold et Zucc.)→日本の北海道から九州、朝鮮半島、中国,ロシアに分布する多年草。開花期は4月~5月。草丈30~50cmで、集散花序を見せ。花は唇形、基部が筒状で長さ3~4cmの白色の花を5~7個咲かせる。
- ヒメオドリコソウ(L. purpureum )→西アジア、ヨーロッパ、北アフリカ原産。日本の北海道以南にも帰化して自生している2年草。開花期は、3月~5月。草丈10~25cmで、基部は筒状で長さ2~3cmの口唇形の淡い紫色の花を咲かせる。
- モミジバヒメオドリコソウ(L. incisum Wild., nom. illeg.)→ヨーロッパ、北アフリカ原産。国内には、関東地方以南から九州に帰化して自生しているのが見られる多年草。開花期は11月~7月で、基部は筒状で長さ3~4cmの口唇形の青紫色の花を咲かせる。
水はけがよいが少し湿り気のある土壌を好む
- 用土 水はけのよい少し湿り気味の土壌を好みます(水はけがよく適度に保水性のある土壌)
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:と水保ちをよくするパーライト(真珠岩タイプ)1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して堆肥や腐葉土2割程度を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、生育期の春と秋に、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施すか、醗酵油かすを置肥してもよい。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として完熟動物性堆肥か緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、普通の土壌であれば必要ありません。(やせ地であれば10月頃に緩効性化成肥料を追肥します)
- 追肥または地面に埋める場合、枝先の端下に深さ7~8cm程で株元を囲むように穴を掘り、肥料を地面に埋める。(根と肥料が直接触れないように注意する)
- 肥料の3要素は、チッ素分(主に葉を生長させる)、リン酸分(花や実を生長)、カリウム分(根を生長)です。(一般的な共通ポイント)
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、3月~6月、秋が10月~11月です。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に、植え付けていきます。
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。(5~6号鉢に1株が目安です)
- 地植えの場合、定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。横へ匍匐するので株間は25cm以上空けて植え付けます。
- 植え替え
- 適期は、3月、秋は10月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、年に1回を目安に行いましょう。新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
適期は、3月、秋は10月です。です。植え替えと同時に作業しましょう。
挿し芽
適期は、4月~6月、秋は10月です。匍匐するランナーを伸ばすので、10cm程の長さで切り取り挿し穂にします。下葉を取り除き、横にして用土をかけておけば1ケ月位で発根します。
夏の強い日射しで日焼けしやすい
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。生育の衰える夏季は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。乾燥が続く天候ならば施します。
- 手入れ
- 花がら摘み→花後の枯れた花茎は切り取ります。
- 夏越し→高温多湿の環境が苦手なので、梅雨の時期は雨の当たらない軒下などへ、鉢を移しましょう。夏の直射日光に当たり続けると、葉焼けをおこすので、鉢を明るい日陰へ移動しましょう。
- 病気→斑点病
- 日当たり
- 日当たりと適度に水はけのよい場所を好みます。