フキタンポポ 季節の花-葉がフキに似ている正月の飾り花-イパネマおやじ

  • フキタンポポ (coltsfoot) は、年明けの1月から3月頃に、うろこ状の茎頂部に花径2~3cmのタンポポに似た黄色に花を咲かせます。葉の形がフキに似ていることから、フキタンポポの名前の由来になっています。株姿が福寿草に似ているので、正月用の飾り花として人気があります。
  • 地下茎が匍匐しながら広がり、節から小葉を持った花茎が立ち上がります。花後はタンポポを同じような綿毛が現れ、タネを付けて風で飛んでいきます。そして、花後になると円状心臓形のフキに似た葉を伸ばします。適度な湿めり気のある山野の道端や、荒地に自生しています。

フキタンポポは生薬の款冬花の原料

日当たりを好むが高温多湿を嫌う

  • 分類:キク科フキタンポポ属 / 原産地:ヨーロッパ、中国、シベリア、カナダ、北アメリカ
  • 別名:コルツフット、カントウ
  • 学名:Tussilago farfara
  • 英名:coltsfoot
  • 園芸分類:宿根多年草 / 耐寒性(強い)耐暑性(弱い)
  • 草丈・樹高:10~30cm(花茎は5~10cm、葉丈25~30cm)
  • 苗の植え付け適期:4月~5月
  • 植え替え適期:2月~3月、10月~11月
  • タネまき適期:9月~10月
  • 株分け適期:2月~3月、10月~11月
  • 開花期:1月~3月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター) ※記載している各適期は温暖地での目安です。
  • 特徴
  • 地中海沿岸、アルプス、西・北アジア、ヒマラヤから中国に分布してアメリカに帰化しています。1属1種の山野草で、古来より重要な薬用ハーブとして利用されてきましたが、葉に有毒物質のアルカロイドを微量ながら含んでいるので、服用を禁止している国もあります。(ピロリジンアルカロイドは、肝臓に有害な成分を含むが、煎じることで熱分解される)

フキタンポポはハーブです

地植えの場合も植え替えが必要

  • 用土
  • 鉢植えの場合、市販の山野草用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して腐葉土2~3割を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。
  • 肥料
  • 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として少量の緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、4月下旬~7月上旬と9月~10月に、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。又は、花後と秋に少量の緩効性化成肥料を置肥します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として植物性の有機質肥料か緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、花後と秋に緩効性化成肥料を置肥します。
  • 肥料の3要素は、チッ素分(主に葉を生長させる)、リン酸分(花や実を生長)、カリウム分(根を生長)です。
  • 葉が育ちすぎる、チッ素分を控えめにしないと、葉が増大して株が蒸れ、夏季に枯れることもあります。置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部にまきます。

葉はフキの葉に似ている

  • タネまき
  • 適期は、9月~10月です。箱まき(セルトレーが便利)かポットまきにします。箱まきの場合は本葉が2~3枚になったらポットに仮植えします。ポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。ポットまきも同様に、根が回ったら花壇や鉢に定植します。
  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、春が2月~3月、秋が10月~11月です。
  • 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、2月~3月、10月~11月です。
  • 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を1/3程軽く崩して古い土を落として、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。株分けと同時に作業しましょう。
  • 地植えの場合、植え付けて数年が経過すると生育が悪くなり、やがて株が枯れてしまいます。これは連作障害が原因で、栽培場所を移す必要があります。
  • 株分け
  • 適期は、2月~3月、10月~11月です。植え替えの際に、同時に作業しましょう。

フキタンポポはキク科です

植物仕切り線大

冬は地上部が枯れ根茎だけで越冬する

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、休眠期は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 花がら摘み→花後の枯れた花は茎の元にある小さな芽の上から切り取ります。
  • 病気・害虫→特になし
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 高温多湿を嫌うので、夏季は風通しのよい涼しい場所へ移しましょう。

植物仕切り線大