コンテンツへスキップ
ナビゲーションに移動
- エンレイソウ (trillium) の仲間は、葉が3枚、萼が3枚、花弁が3枚という特徴があり分かりやすい植物です。(花弁を持たない種もある)いずれも多年草で、株元から茎を2~3本伸ばして先端に葉を3枚付けます。そして、先端の葉の付け根に花をつけます。開花期は4月~5月で、花色は白、黄、黄緑、紫、紅色があります。
- 注:園芸分類上の科目は、元々はユリ科だったが、分離されてシュロソウ科に分類されています。
葉と萼に花弁が3枚という特徴のある花形
- 分類:シュロソウ(ユリ)科エンレイソウ属 / 原産地:東アジア、北アメリカ
- ※ 園芸分類では、元々はユリ科だが近年になって、新たにユリ科から分離してシュロソウ科に分類された。
- 学名:Trillium
- 園芸分類:多年生草本 / 耐寒性(強い)、耐暑性(やや弱い)
- 草丈・樹高:20~60cm(品種により異なる)
- 苗の植え付け・植え替え適期:9月中旬~11月
- タネまき適期:9月中旬~11月(発芽から開花まで約10年を要する)
- 株分け適期:9月中旬~11月
- 開花期:4月~5月
- 休眠期:8月下旬~3月中旬
- 栽培方法:地植え、鉢植え ※記載している各適期は暖地での目安です。(暖地以外の地域は、条件に合わせた栽培を確認してください)
- 近縁種 シュロソウ科エンレイソウ属
- エンレイソウ(Trillium smallii Maxim)→北海道、本州、四国、九州、サハリンに分布する多年草。草丈20~30cmで、山地の林に自生する。茎先に3枚の葉が輪生して、茎頂部に短い花柄を出し1個の花を付ける。外花被(萼)、を持ち、エンレイソウの仲間では、内花被(花弁)を持たない種です。
- オオバナノエンレイソウ(Trillium kamtschaticum)→北海道、本州北部の高山地帯の森林に自生する多年草。草丈15~40cmで1本の茎に1つのみ花を付ける。茎先に菱形の葉が3枚ついて、葉の上部に花径5~7cmの花を咲かせる。開花期は4月~5月(原産地では5月~6月)。花色は、白、黄、黄緑、紫、紅色がある。流通する苗は、原産地から素掘りしたものが多い。
- コジマエンレイソウ(Trillium amabile)→北海道、サハリンに自生する多年草。草丈30~60cmで、花色は紅紫色で花径3~4cm。外花被片は3個で内花被片は無いものと、あるものがある。開花期5月~6月。花後には、淡緑色の液果を付ける。
- ミヤマエンレイソウ又はシロバナエンレイソウ(Trillium tschonoskii Maxim)→北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国、ミャンマーに分布している多年草。草丈20~40cmで、茎先に菱形で先の尖った、3枚の葉を輪生する。葉は無柄で幅10~15cmの中央に、花径3~4cmの花を1個付けます。開花は4月~5月。花色は白~ピンク色へ変化する。直径15mm程の黒紫色の果実を付ける。中国では、当種を「延齢草」と呼ぶ。
- トリリウム・エレクツム(Trillium erectum)→和名は、アカバナエンレイソウ。アメリカ、カナダに分布する多年草。草丈35~45cmで、葉は3枚が輪生する。耐寒性が強く下限温度は-35℃。花色は暗紅色で花径3~4cmで、腐敗臭を放ち昆虫を誘引する。開花期は5月~6月。
ハーブとされるが実用性は低い
- 適応(ハーブ、漢方としての適用)
- 根茎を乾燥させたもの・漢方薬の延齢草根(えんれいそうこん)→高血圧、神経衰弱、健胃、食あたり
- 注:中国では、漢方名が延齢草根(えんれいそうこん)と呼ばれ、古来より民間薬として用いられてきた。現在では、一般的に有毒植物として扱われ、注意喚起されている。
- 用土 土はあまり選びません
- 鉢植えの場合、鉢タイプは根が長く伸びるので深鉢がよい。硬質鹿沼土4:赤玉土(小粒)4:腐葉土2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して植物性の完熟堆肥と腐葉土を2~3割を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。(水もちが悪すぎる土壌なら黒土を1~2割混ぜ込む)
- 肥料 チッ素分、リン酸分とカリウム分の均等配合の肥料を使う
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷いてから、苗を定植後の施肥は、晩秋の10月~翌春の5月の間、2ケ月に1回骨粉入り固形油かすを置肥します。更に、肥培するために花後の6月~7月上旬、9月に、3000倍程に薄めた液体肥料を10日に1回水やりを兼ねて施す。
- 地植えの場合、定植後の施肥は、基本的には必要ありません。
- 追肥または地面に埋める場合、枝先の端下に深さ7~8cm程で株元を囲むように穴を掘り、肥料を地面に埋める。(根と肥料が直接触れないように注意する)
- 真夏(7月~8月)や冬季(休眠期)の施肥は控えます。(一般的な共通ポイント)
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、9月中旬~11月です。
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように古い土を落としてから植え付けます。定植したら、用土を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。定植したら、用土を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、9月中旬~11月です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2~3年に1回を目安に行いましょう。新しい用土を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- タネまき
- 適期は、9月中旬~11月です。但し、発芽から開花まで約10年を要するので、苗を購入して植え付けるのが現実的です。
- 株分け
- 適期は、9月中旬~11月です。株分けが可能な、地下茎がしっかり肥大した大株には生育しにくいので、株分けをする機会が少ない。細かく地下茎を株分けすると、株が弱り数年は開花しなくなる。
半日陰のやや湿り気のある場所でよく育つ
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。真夏の水切れに注意しましょう。但し、過湿に弱いので休眠期(夏・冬)は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待ってから)
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 遮光対策:6月~9月初旬は、直射日光が当たる場所では遮光対策が必要。鉢植えは、半日陰で風通しのよい場所へ移しましょう。
- 防寒対策→地植えの場合、関東以南の平地であれば屋外での冬越しは可能ですが、凍結する場所では、防寒シートで覆うか株元にマルチングするなどの防寒対策が必要です。
- 病気→根腐病
- 害虫→ハダニ
- 日当たり
- 3月~4月、9月~10月は日当たりのよい場所に置きましょう。6月~9月初旬は、直射日光が当たる場所では遮光対策が必要。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、落葉樹の木陰などに定植しましょう。