ヤナギラン 季節の花-夏の高原に群生する山野草-イパネマおやじ

ヤナギラン (fireweed) は、中部地方以北から北海道の山林にある野原などに自生する山野草です。夏になると日当たりのよい高原に群生して草原を埋めつくす程に開花します。名前の由来は、細長い葉がヤナギ(柳)に似て、花は蘭に似ていることから名付けられたそうです。

ヤナギランはアカバナ科です

夏の暑さに弱いので中部以南では鉢栽培が適する

  • 分類:アカバナ科ヤナギラン属 / 原産地:北半球、国内の北海道、本州中部以北
  • 別名:(漢字表記:柳蘭)
  • 学名:Chamerion angustifolium
  • 英名:fireweed
  • 園芸分類:多年草 / 耐寒性(普通)耐暑性(やや弱い)
  • 草丈・樹高:50~150cm
  • 苗の植え付け・植え替え適期:3月中旬~4月
  • タネまき適期:3月下旬(保存まき)、9月(採りまき)
  • 開花期:6月~8月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター) ※記載している各適期は温暖地での目安です。(温暖地以外の地域は、条件に合わせた栽培を確認してください)
  • 特徴
  • 初夏の頃になると、茎頂部から長い総状花序を出し、花径3~4cmの紅紫色の小花を付けます。葉は、長さ4~7cmの被針形で柄はなく、縁は小さなギザギザのある鋸歯になる。
  • 近縁種
  • エピロビウム・フレイスケリ(Epilobium fleischeri)→ヨーロッパ・アルプスの標高2000~3000mの日当たりのよい岩礫地帯や氷河の堆積土の表面などに群生する多年草です。花は茎の下部から、順に咲き上がります。

多年草です

日光を好むのでしっかり日に当て育てる

  • 用土 鉢は山野草鉢のような水はけのよいものを使う
  • 鉢植えの場合、市販の山野草用か高山植物用の培養土または赤玉土(小粒)2:鹿沼土5:日光砂2:軽石1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(用土に、市販の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥を施します)
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土2~3割を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。(さらに水はけが悪い土壌なら川砂などを1~2割加える)
  • 肥料 
  • 苗を定植後の施肥は、定植後~6月中旬の間、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。または、骨粉入り固形油かすなどを置肥する。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を少量だけ混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、定植後~6月中旬の間、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。または、骨粉入り固形油かすなどを置肥する。
  • 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部にまきます。

紅紫色の花

  • タネまき
  • 箱まき(セルトレーが便利)かポットまきにします。箱まきの場合は本葉が2~3枚になったらポットに仮植えします。ポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。ポットまきも同様に、根が回ったら花壇や鉢に定植します。 ジフィーセブンや小鉢に2~3粒を覆土5mm程の深さで蒔きます。(タネの綿毛の先にタネ粒が付いていないものは結実しないので、綿毛が開いて先に茶色い粒が付いているのを確認して毛を取り除く)毛が付いたままでも覆土をすれば問題ない。
  • 植え付け・植え替え 根が細長いので傷めないように注意する
  • 苗の植え付けの適期は、3月中旬~4月です。
  • 「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に、植え付けていきます。
  • 鉢植えの場合、深鉢タイプの鉢に鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように植え付けます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと2株が目安)
  • 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、3月中旬~4月です。
  • 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするためと培養土が古くなってきたら、1~2年に1回を目安に行いましょう。新しい用土を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、基本は必要ありません。
  • 株分け
  • 適期は、3月中旬~4月です。植え替えの作業と同時に行いましょう。伸びているランナーを切り取って分けます。ランナーは根を多く付けているものを選びましょう。 

ヤナギラン属です植物仕切り線大

高温多湿を嫌います

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、水を好みので基本は毎日1回施します。真夏は夕方に、鉢中と鉢の外側全体にタップリと水をかけて夜間温度を下げるようにします。春~秋は朝方に施しましょう。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 花がら摘み→花後の枯れた花は小まめに切り取ります。タネを採取しない場合は、花後は早めに切り取ることで、株の疲れを防ぐようにしましょう。
  • 病気→うどんこ病、軟腐病
  • 害虫→アブラムシ、カメムシ、ハダニ
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
  • 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。

植物仕切り線大