ワレモコウ 季節の花-小さな縦長の穂が風に揺れる花-イパネマおやじ
ワレモコウ (Garden burnet) は暑い夏になると、細長く分枝した茎頂部から長さ1~2cmの花序を作り小さな花を咲かせます。花弁のように見えるのは萼片で、本当の花弁は退化していてありません。細い茎先に、タワシのような暗紫色で縦長の花を咲かせて風に揺らぐ様は夏から秋の風物詩ですね。花色は紅紫色、黒紫色、桃色など種により異なります。
花は穂の先端から咲き始める有限花序
- 分類:バラ科ワレモコウ属 / 原産地:日本、朝鮮半島、中国、シベリア、ヨーロッパ
- 別名:(漢字表記:吾亦紅)
- 学名:Sanguisorba officinalis
- 園芸分類:多年草 / 耐寒性(強い)耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:20~150cm
- 苗の植え付け:2月中旬~4月
- 植え替え:3月
- 株分け:3月
- 開花期:7月~10月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター) ※記載している各適期は温暖地での目安です。(温暖地以外の場所は、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- ワレモコウは、日本、朝鮮半島、中国、シベリア、ヨーロッパにかけて広く分布するバラ科ワレモコウ属の多年草です。国内では、北海道から九州までの、日当たりのよい草原や畦道などに自生しています。茎先に1~2cmの花穂が付きますが、このように茎の先に一つだけ花を付けるのを単頂花序といいます。
- 近縁種
- サラダバーネット(Sanguisorba minor)→別名はオランダワレモコウと呼ばれるハーブです。(詳細はサイト内ページ)
- ヒメワレモコウ()→タンナワレモコウとも呼ばれ、タンナワは原産地の済州島での呼び方。草丈20~40cmで、赤桃色の小さな花を咲かせます。学名は不詳とされています。ワレモコウの矮性種で、草丈20~30cmのコンパクトな株姿。
- ミヤマワレモコウ(S. officinalis var. longifolia)→原産地は朝鮮半島、中国、台湾、モンゴル、ロシア。花期は8~11月で、ワレモコウより雄しべが長く花序から突き出るように咲きます。草丈は30~100cmで、国内では北海道の日高地方、本州の東北から岐阜県あたりまでの標高1000m前後の湿原に自生する。
植え替えは2月頃から早めに作業する
- 用土 水はけのよい少し湿り気味の土壌を好みます(水はけと水もちのよい土壌の場合))
- 鉢植えの場合、市販の山野草用の培養土または赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込んだ土を使います。(市販の山野草用の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥を施します)
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して土壌改良用の腐葉土2割程を混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。
- 肥料
- 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、春先から秋の間、月に1回くらい少量の緩効性化成肥料を置肥します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、春先と秋の2回、緩効性化成肥料を置肥します。
- 置肥をする際には、植物の根に直接肥料が触れないように注意します。真夏(7月~8月)や冬季(休眠期)の施肥は控えます。(一般的な共通ポイント)
- 植え付け
- 苗の植え付け適期は、2月中旬~4月です。
- 「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた土壌に植え付けていきます。
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと2株が目安)
- 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。株間は30~40cmくらいで植え付けます。
- 植え替え
- 適期は、3月です。
- 鉢植えの場合、年に1回を目安に行いましょう。一回り大きな鉢に底石を敷き、根鉢を軽く崩して古い土を落とし、傷んだ根は切り取ってから植え付けます。定植したら、用土と元肥を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え替え直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、4~5年経ったら株分けを兼ねて植え替えましょう。
夏場は日に1~2回は水やりしましょう
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。一度水切れを起こすと葉が縮れて元に戻らなくなります。(割と水が好きなので水切れには注意しましょう)
- 地植えの場合、基本的には必要ありませんが、真夏日などに乾燥が続いて地面が乾ききる前に水やりをしましょう。
- 手入れ
- 切り戻し:6月に一度、草丈が伸び過ぎないように1/3程を残して切り戻しをしておくとよいです。
- 防寒対策→地植えの場合、地際から地上部を切り取ります。耐寒性が強く、戸外で冬越し出来るので霜除けの必要はありません。
- 病気→うどんこ病
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。
- 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
- 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、葉焼けを防ぐために寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。