ヤマモモ ハーブ-雌雄異株なので2株植える必要がある-イパネマおやじ
- ヤマモモ (yamomo) は、4月頃になると葉の脇芽から花穂を出して小さな花を咲かせます。株は、よく枝分かれして丸い樹形になり最大15mの高さに生長する常緑高木です。雌雄異株で、鉢植えでの栽培もできます。モモという名前が付いていますが、お馴染みのバラ科のモモとは異なる科と属に分類される植物です。
- 雄花を咲かせる樹と、雌花を咲かせる樹があるので、果実を採取するには両方の樹を植える必要があります。
やせ地でも丈夫に育つ植物
- 分類:ヤマモモ科ヤマモモ属 / 原産地:日本、中国南部、インド
- 別名:ジュバイ、ヨウバイヒ
- 学名:Myrica rubra
- 園芸分類:常緑高木 / 耐寒性(やや弱い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:1~15m
- 苗の植え付け適期:4月下旬~5月上旬、9月
- 植え替え適期:3月下旬~4月上旬
- 接ぎ木:3月下旬~4月上旬
- 開花期:4月
- 栽培方法:地植え、鉢植え ※記載している各適期は温暖地での目安です。(温暖地以外の場所は、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- ヤマモモは、千葉県以南の太平洋側の山地に分布しています。株姿がよいことから、古くから庭木や街路樹などとして栽培されてきました。少し寒さに弱いですが、暖地であればやせ地でも丈夫に育ちます。根に根粒菌という細菌が付いるので、酸性のやせた土壌でもよく育ちます。
- 雌雄異株の他にも、隔年結果という性質があり、果実の収穫量が多い年と少ない年が交互に繰り返されます。
根に根粒菌が共生するのでやせ地でもよく育つ
- 適応(ハーブ、漢方としての適用)
- 楊梅皮(ようばいひ)→下痢止め、口内炎、扁桃腺
- 料理・飲み物で楽しむ
- 生食も可能だが腐りやすいので加工される→ヤマモモ酒、塩漬け、ジャム
- 用土 水はけと水もちのよい土壌を好みます
- 鉢植えの場合、赤玉土(小粒)6:腐葉土3:黒土1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、掘り上げた土に対して完熟堆肥や腐葉土2~3割を混ぜ込んで有機質タップリの環境を作っておきます。(水はけが良すぎる場合は黒土を1~2割加える)
- 肥料 根に根粒菌を持つのでほとんど必要ありません
- 鉢植えの場合、定植後の施肥は、7月、1月下旬~3月上旬に骨粉入り固形油かすを少量置肥します。
- 地植えの場合、定植後の施肥は、7月、1月下旬~3月上旬に骨粉入り固形油かすを少量置肥します。
- 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部にまきます。
- 植え付け 根はとても傷みやすいので根鉢は崩さずに植え付ける
- 苗の植え付け適期は、4月下旬~5月上旬、秋が9月です。
- 「用土」の項目で準備しておいた土壌に、植え付けていきます。
- 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。定植したら、用土を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、根は浅く広い範囲に張るので大きな植え穴を掘り上げます。定植したら、用土を混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻して高植えにします。植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、3月下旬~4月上旬です。
- 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、1~3年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い根を切り取り、新しい用土を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- タネまき
- 可能ですが、実を付けるまでは十数年かかるといわれます。接ぎ木で増やしましょう。
- 接ぎ木
- 適期は、3月下旬~4月上旬です。これも多くの植物の接ぎ木の中でも、成功率が低いとされます。実生(タネまき)より早く、4~5年で結実します。枝先を10~12cmの長さで切り取り、実生2年生の台木に接ぎ木します。(苗木を購入するのが簡単ですね)
多くの実を付けるので摘菓は枝ごと切り取る
- 水やり
- 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。夏季の水切れに注意しましょう。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 摘蕾・摘果→ヤマモモの実は多数を付けるので、1個ずつの摘菓は難しいので実付きの多い年は、実の付いた枝ごと切り取り株の消耗を抑えます。
- 剪定→適期は、3~4月です。自然に任せると、スグに2mを越える樹高になるので、鉢植えの場合、切り詰めて150cm位で仕立てるとよいでしょう。伸び過ぎた枝や、樹形を乱している枝を切り詰め樹形を整えます。。(枝分かれしている付け根の部分から切り取る)3月~4月に軽く剪定することで、実付きがよくなります。
- 害虫→テッポウムシ、ミノムシ
- 収穫
- ヤマモモは収穫量が安定せず、豊作の翌年はほとんど実らなかったりします。これを隔年結果といいます。安定した収穫のためには、春の剪定が必要です。
- 夏の土用の頃に。果実を採取します。食用に加工するか、天日干ししたものが生薬の楊梅皮になります。暗赤色になったら自然落下するので、すぐに回収しましょう。ネットを広げておき、枝をユスッて採取すると傷みにくいです。
- 日当たり
- 日当たりがよく寒風の当たらない場所を好みます。
春の草花が咲く風景