サルビア・スプレンデンス 季節の花-夏~秋の花壇には欠かせない花-イパネマおやじ

サルビア・スプレンデンス (Salvia Splendens) は、春まきの一年草です。サルビアの仲間は宿根草も含めて多くの品種がありますが、一般的に「サルビア」といえば当品種を指します。本来原産地では、草丈90cm以上の多年草ですが、日本では寒さに弱く、晩秋には枯れるので一年草として扱います。国内では、主に草丈30~50cmの矮性種が栽培されています。初夏から秋までの長い期間を咲き続ける、鮮やかな緋色の花は、秋の花壇の主役ともいえます。

サルビア・スプレンデンスは赤色セージ

春まきの一年草として扱う

  • 分類:シソ科アキギリ(サルビア)属 / 原産地:メキシコ、ブラジル
  • 別名:ヒゴロモソウ(漢字表記:緋衣草)、セージ類
  • 学名:Salvia Splendens
  • 園芸分類:多年草(日本では一年草扱い) / 耐寒性(弱い)耐暑性(強い)
  • 草丈:30~50cm(矮性種)
  • タネまき適期:5月
  • 苗の植え付け:5月~6月
  • 開花期:6月~11月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター) 
  • ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
  • 特徴
  • サルビア・スプレンデンス (S. Splendens) は、ブラジル原産のシソ科アキギリ属の多年草です。明るくて華やかな花を咲かせることから、観賞用として日本へ渡来したのは明治時代で、昭和になってから広く栽培されるようになりました。見映えのする花として、世界中の熱帯~温帯地域で栽培されている人気の植物です。
  • サルビアとは、シソ科アキギリ属に分類される多くの原種・園芸品種の総称です。その品種は約500種以上があるとされていますが、一般的に園芸で「サルビア」といえばサルビア・スプレンデンスとその園芸品種を指しています。春から秋にかけて、様々な場所でその緋色の花が見かけられます。
  • サルビアとセージの両方の名前で呼ばれる種も多くあります。(ちなみにサルビア属の原種は1000種、園芸品種は約1300種あるとされています。日本原産の、アキギリ属のアキノタムラソウやキバナアキギリほかの植物がありますが、サルビアやセージとは呼ばれません。
  • 近縁種
  • サルビア・コッキネア (Salvia coccinea) →通称はベニバナサルビア。北~南アメリカ原産の多年草ですが、日本では一年草扱いです。草丈は50~70cm程で、茎頂部に穂状花序を付け、花冠は筒状で長さは約2cm。花色はスカーレットまたは濃赤色です。
  • サルビア・ファリナセア (S. farinacea) →通称はブルーサルビアで和名はケショウサルビア。北アメリカ原産の多年草ですが、日本では一年草として扱います。草丈30~90cm、茎頂部に8~20cmの輪散花序を付け、唇形で白色や暗青色の花を15個程咲かせる。開花期は5月~10月。
  • サルビア・ガラニチカ (S. guaranitica) →通称はメドーセージ。ヨーロッパ原産で耐寒性がある。草丈90~150cmの落葉低木。茎頂部に穂状花序を付け、長さ3~5cmの青紫色の唇形花を咲かせる。本来メドウセージとは(S. pratensis)のことだが、日本で誤ってメドーセージと名付けられた。
  • サルビア・ミクロフィラ (S. microphylla) →通称はチェリーセージ(ホットリップス)。中南米~南米原産の多年草で耐寒性があり、暖地では常緑、寒冷地では落葉する。日本では宿根草として扱う。草丈60~120cmで、茎頂部に穂状花序~総状花序を付け、2唇形の花を咲かせる。花色は白色と赤色の2色だが、暑い時期は赤1色に時期により白色のみ、あるいは赤白2色になる。
  • 他にも、アメジストセージ、サルビア・イオダンタ、サルビア・プテンシスなど多くの品種があります。

シソ科の花です

弱酸性で有機質の土壌を好む

  • 用土 
  • 鉢植えの場合、市販の草花用培養土または赤玉土(小粒)5:腐葉土4:くん炭1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を2割程混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。酸性気味の土壌では、植え付けの2週間程前に、よく土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます。(1㎡当り100g→1握り)
  • 肥料 
  • わりと肥料を好み、肥料切れを起こすと花色や生育が悪くなります。用土に、市販の草花用培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので、確認してから元肥を施します。
  • 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける際に元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、1ケ月に1回程度骨粉入り固形油かすなどを置肥します。
  • 追肥または地面に埋める場合、枝先の端下に深さ7~8cm程で株元を囲むように穴を掘り、肥料を地面に埋める。植物の根に直接肥料が触れないように注意します。真夏(7月~8月)の施肥は控えめにします。

代表的なサルビアです

  • タネまき
  • 適期は、5月です。発芽適温は20~25℃と高温性なので、早過ぎる時期にまかないように注意しましょう。
  • 箱まき(セルトレーが便利)かポリポットまきにします。箱まきの場合は本葉が3~5枚になったらポリポットに仮植えします。ポリポットに根が回ったら花壇や鉢に定植します。ポリポットまきも同様に、根が回ったら花壇や鉢に定植します。2~3粒を覆土5mm程の深さで蒔きます。
  • 植え付け
  • 苗の植え付け適期は、5月~6月です。日当たりや風通しがよく、西日を避けた場所を選びましょう。
  • 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように植え付けます。定植したら、「用土」と「元肥」の項目で用意しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。(65cm深型プランターだと2~3株が目安)
  • 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。堆肥を底に敷いて、定植したら、「用土」と「元肥」の項目で混ぜ込んで用意しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。株間は25~30cm位空けて植え付けます。

多くの園芸種がある

植物仕切り線大

日当たりと風通しがよく西日の当たらない場所を好む

  • 水やり
  • 鉢植えの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。植え付け後、根付くまでの間は乾燥させないように管理しましょう。日照りが続いて、極度に乾燥するようならば施します。
  • 手入れ
  • 摘芯→草丈が10cm程になったら、摘芯して多くの脇芽を出させましょう。
  • 切り戻し→花が咲き終わる7月下旬頃に、草丈1/2の高さで切り戻しましょう。秋に再び開花して、よい花を咲かせます。
  • 花がら摘み→花後の枯れた花は茎の元にある小さな芽の上から切り取ります。
  • 害虫→ハダニ
  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好みます。
  • 西日や真夏日の直射に当たるのを避けましょう。鉢を移動してやりましょう。
  • 地植えの場合、植えつける前に場所の環境をチェックして、それでも日当たりが厳しい場合は、寒冷紗などで直射日光を遮るようにします。

植物仕切り線大