ニオイバンマツリ 季節の花-春から初夏に爽やかな香りを漂わせて開花する-イパネマおやじ

ニオイバンマツリ (Paraguay jasmine) は、ナス科バンマツリ属の常緑低木で、ブラジル、アルゼンチンなどの熱帯に,約40種類が分布している熱帯花木です。気温の高い暖地だと、樹高は300cmにも伸長しますが、温暖地などで普通に育てると150cm程に収まります。

寒さにはあまり強くないので、温暖地では庭植えの冬越しが難しいので、鉢植えで育てます。気温の高い暖地では、庭植えで冬越しが可能です。春になると、花径2~3cmの小花を咲かせます。咲き始めは紫色で、徐々に花色が変化して白色になります。

ニオイバンマツリは常緑低木

甘い香りがして夜になると更に強まります

  • 分類:ナス科バンマツリ(ブルンフェルシア)属 / 原産地:ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ
  • 別名:ブルンフェルシア
  • 学名:Brunfelsia australis
  • 英名:Paraguay jasmine
  • 園芸分類:常緑~半常緑低木 / 耐寒性(やや弱い)耐暑性(普通)
  • 草丈・樹高:30~300cm
  • 苗の植え付け:4月中旬~6月
  • 植え替え:6月下旬~7月上旬
  • 挿し木適期:6月中旬~7月上旬
  • 開花期:4月~7月
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(鉢植え、プランター) 
  • ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
  • 特徴
  • 葉は皮革のように厚みがあり楕円形で対生して先端は尖っています。
  • 初夏から初秋にかけて咲く、紫色の花が季節の移り変わりと共に、徐々に白色に変っていくのが見ごたえあります。
  • 一株から、濃淡のある複数の花を咲かせ、生長すると3m程の低木になります。日本へ渡来したのは、明治時代の後半です。
  • 注:バンマツリ属の植物は、葉や果実に有毒物質のアルカロイドを含んでいるので注意が必要です。
  • 近縁種
  • アメリカバンマツリ(B.americana)→西インド諸島原産で、樹高は3~4m。開花初期は白色で徐々に黄色に変化していく。花は芳香があり、夜間は特に強く香ります。開花期は、5月~10月。
  • オオバンマツリ(B.pauciflora)→ブラジル原産で、樹高は60~250cm。開花初期は紫色~ラベンダー色、そして徐々に白色に変化していきます。
  • バンマツリ(B.uniflora)→南アメリカ、西インド原産で、樹高は45~60cm。花には強い芳香があり、開花初期は紫色で徐々に白色に変化する。花付きがよく同種の中ではコンパクトに収まる品種なので鉢植えによく利用されます。

ニオイバンマツリ

関東南部以西の平地では地植えも可能

  • 用土
  • 水はけがよく、肥沃な土壌を好みます。
  • 鉢植えの場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3:の割合で混ぜ込みます。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して土壌改良用の牛ふん堆肥か腐葉土を2割程混ぜ込んで水はけのよい環境を作っておきます。(さらに水はけが悪い土壌なら川砂などを1~2割加える)
  • 肥料
  • 鉢植えの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の施肥は、春から秋の生育中は骨粉入り固形油かすを置肥する。または、月2~3回薄めの速効性液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、植え付ける前に元肥として有機質肥料か緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、春から秋の生育中は骨粉入り固形油かすを、2ケ月に1回程置肥します。
  • 置肥する際は、植物の根に直接肥料が触れないように注意します。真夏(7月~8月)や冬季(休眠期)の施肥は控えます。

ニオイバンマツリはナス科の植物

  • 植え付け
  • 適期は、4月中旬~6月です。
  • 鉢植えの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように根鉢を1/3程(軽く崩す程度で)崩して、古い土を落としてから植え付けます。定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土を鉢に戻します。植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。
  • 植え替え
  • 適期は、6月下旬~7月上旬です。
  • 鉢植えの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2年に1回を目安に行いましょう。根鉢を軽く崩して古い土を落として、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 挿し木
  • 適期は、6月中旬~7月上旬です。当年に伸びた新しい枝を、10cm位に切り取り、挿し穂にします。1時間位水に浸けて吸水させると発根率がよくなります。
  • 挿し床には、清潔な赤玉土(小粒)やバーミキュライトを鉢に入れ、よく湿らせておきます。乾燥させないよう管理すると約1ヶ月で根が出るので、1鉢に1本植えつけます。

ナス科の花木です

植物仕切り線大

温暖地以北ではコンテナ栽培が管理しやすい

  • 水やり
  • 土の表面が乾いたらタップリと水を与えます。特に真夏の乾きやすい時期は、水切れを起こさないように、毎日水やりしてもよいです。開花中は水を欲しがるので、タップリと施します。
  • 秋になり生育が穏やかになったら、それほど水は欲しがらないので土の表面が乾いてから2~3日待ってから施してください。
  • 手入れ
  • 剪定→適期は、花後に行います。長く伸びた枝を、全体のバランスをとるように長い枝は三分の一を目安に、徒長した枝は根元から切り落とします。
  • 切り戻し→春に一度切り戻しをしても、生育が旺盛な時期なので秋までに再び樹形が乱れてしまいます。この場合は、寒くなる前に切り戻しをしましょう。
  • 暖地で露地栽培する例もありますが、温暖地では霜に当たると枯れてしまい越冬は難しいです。(5℃以上が必要)鉢植えにして、季節の温度変化に応じて屋内や軒下などに場所を移してやる必要があります。
  • 地植えで冬越しをする場合は、株元をワラや腐葉土などで覆って、防寒対策をしまょう。
  • 病気→特になし
  • 害虫→アブラムシ、ハダニ、カイガラムシ

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  • 日当たり
  • 日当たりのよい場所を好み、春から初夏はしっかり日光に当てます。
  • 暑さには強いですが、西日には注意してください。真夏は、半日陰に移してやりましょう。
  • 越冬には、5℃以上の気温が必要なので、霜の降る場所や寒風の強い地域では屋内に移してください。
  • 地植えの場合は、株元をワラやビニールフィルムなどで覆って、防寒対策をしましょう。

植物仕切り線大