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- コリアンダー (coriander) は、初夏になると白くて小さな花を茎の先端に咲かせます。花後に枯れる一年草です。春か秋にタネをまいて、育ってきた若葉を収穫して利用します。日当たりのよい場所を好みますが、日照時間の短い日陰でも元気に育ちます。水はけのよい土壌が適しています。
- 春にタネをまくと、充分に育たないうちに花が咲いて、葉が堅くなってしまうことがあるので、寒冷地以外では秋まきの方が育てやすいです。
エスニック料理には欠かせないハーブ
- 分類:セリ科コエンドロ属 / 原産地:地中海沿岸
- 学名:Coriandrum sativum
- 英名:Coriander
- 別名:パクチー、コエンドロ、シャンツァイ(香草)
- 園芸分類:一年草 / 耐寒性(普通)、耐暑性(普通)
- 草丈・樹高:30~60cm
- タネまき適期:3月~4月、9月~10月
- 苗の植え付け:3月~4月、9月~10月(苗も流通するが、移植を嫌うので種から育てるのが一般的)
- 開花期:5月~6月
- 収穫期:3月~5月、9月~11月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- コリアンダーは、古代エジプトでは薬として利用され、古代ギリシアではトウモロコシのパンに種子を入れて焼いていたとされています。16世紀に、スペインによって南米に持ち込まれ、それが定着して現在ではペルー、メキシコ料理には欠かせない食材となっています。
- 日本には中国を経由して10世紀頃に入ってきたとされていますが、結果は定着しなかったようです。和名はポルトガル語由来のコエンドロです。しかし日本で、この名前で呼ばれることは無く、タイ語の「パクチー」中国語の「シャンツァイ(香菜)」の方が知られています。クセのある独特な香りが特徴です。アジアの料理やエスニック料理に多く用いるので、ご存知の方も多いと思います。
- 種子は薄茶の小さな球状で熟すと甘い芳香があり、ほのかな柑橘系の香りも含み、カレーなどのスパイスとしてよく利用されます。
タイではパクチー中国ではシャンツァイと呼ぶ
- 適応
- 食欲増進、防腐、去痰、殺虫、抗菌、消化管機能維持
- 料理・飲み物で楽しむ
- スープ、鍋料理などの風味付け、サラダ
- 用土
- 水はけの良い土壌を好みます。
- コンテナの場合、市販のハーブ用培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土4:の割合で混ぜた土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当り2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、植え付けの際に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後(タネまきして間引きながら育てた苗も同じ)の追肥は、春に植えた場合は追肥の必要はありません。秋に植えた場合は翌年の春頃に速効性化成肥料を少量だけ置肥します。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後(タネを直まきして間引きながら育てた苗も同じ)の追肥は、春に植えた場合は追肥の必要はありません。秋に植えた場合は翌年の春頃に速効性化成肥料を少量だけ置肥します。
- タネまき
適期は3~4月・秋は9~10月です。コリアンダーは、種子の殻が非常に硬いので、発芽率を上げるために前日から一晩の間、水に浸しておきましょう。
- 発芽温度は20℃前後です、半球状の2つのタネがくっついて球状になっています。1粒のタネに見えるのは2ヶのタネが固まっているからで、2つの芽が出てきます。1本づつ発芽させたい場合は、軽く指先で押さえるとキレイに2つに割れます。
- 直根性なので移植を嫌うため、育苗ポットなどにまかずに、コンテナや畑に直接まきます。
- 春にタネをまくと6月頃に、トウ立ちして花が咲いてしまい収穫できる期間が非常に短いので、秋まきにすると株をしっかり大きく育てられ、収穫期間も長いので秋まきがお勧めです。
- コンテナの場合、植木鉢なら5号鉢か65cmプランターに直まきします。
- 地植えの場合、畑や花壇をよく耕して直まきします。(筋まき、点まき、ばらまき何れでもよい)
- 植え付け
- コンテナや畑に、直接タネをまいて弱い苗を間引きながら育てます。
- 鉢植えの場合、5号鉢に1株を仕立てます。65cmプランターで2~3株。
- 地植えの場合、条まき、点まき、ばらまきの何れかでタネまきします。
- 購入した苗を植え付ける場合は、苗が大きくなると根付きにくいので、できるだけ小さな苗を選んで早めに植え付けましょう。
- 植え替え
- 一年草なので一度植え付けると、収穫して枯れるまで植え替えの必要はありません。
- 直根性なので、ゴボウのように太い根が出ていて、枝分かれし難くいので、一度傷つくと生育が衰えてしましうので植え替えはしません。
若葉や茎はサラダや魚料理に使われる
- 水やり
- やや水を好む性質ですので、土の表面が乾いてきたらタップリと水を与えます。夏場は、すぐに乾燥しやすいのでよく管理して小マメな水やりをしてください。
- 鉢植えの場合は、基本は同じですが地植えの場合よりは、少し控えめに水やりをします。
- 過湿になると根腐れを起こすことがあります。常時水やりをするのではなく、表面が乾いたらタップリと与える、というサイクルにしてください。
- 手入れ
- 雨が当たって葉や茎に泥が付着すると病害虫に罹りやすいので株元にワラなどを敷いて泥はねを防ぎましょう。
- 生長してくると茎が伸びすぎて風などで倒れやすくなるので、支柱をしてやりましょう。
- 害虫→アブラムシ、ヨトウムシ
- 収穫
- 若い葉は随時摘み取って利用できます。
- 大きくなった葉は、硬くなり香りも弱くなります。完熟した実は、カレーやピクルス用のスパイスとして利用します。
- 苗が小さい時期に葉を摘み取ると、花が咲かなくなったり実が付かなくなる事があるので、種子を採取したい場合は、注意しましょう。
- 種子(タネ)を採取する時は、完熟して茶色くなってから採取します。
- 茎ごと刈り取り、風通しのよい日陰で吊るして乾燥させます。追塾したら、種子を採取して容器に入れて保管します。
- 完熟していないと強烈な匂いが残り使用には適しません。しっかりと乾燥させないとカビが生えることもあります。
- 日当たり
- やや日陰でも育ちますが、可能な限り日当たりの良い場所で育てましょう。