コルチカム 季節の花-サフランに似た美しい花を咲かせる-イパネマおやじ
コルチカム (Autumn crocus) は、秋になると土中からツボミを出して、サフランやクロッカスに似た美しい花を咲かせます。透明感のある花弁で、花形は一重咲きや八重咲きがあり、花色はしろ、ピンク、淡い紫色です。別名がイヌサフランと名付けられていますが、アヤメ科のサフランとは別科別属の異なる植物です。サフランに外見が似ているからと、イヌというのは、他の植物でも名付けられている例があり、有用な植物に似ているが実際は役に立たないという意味で使われるようです。
地植えコンテナどちらも育てやすい
- 分類:イヌサフラン科イヌサフラン属 / 原産地:ヨーロッパ、北アフリカ
- 別名:イヌサフラン、シボリイヌサフラン
- 学名:Colchicum
- 園芸分類:多年草(球根) / 耐寒性(強い)耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:10~40cm
- 球根の植え付け:9月中旬~10月中旬
- 植え替え:9月中旬~10月中旬
- 分球:5月~6月(葉が枯れてきたら掘り上げる)
- 開花期:9月~10月
- 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター)
- ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- コルチカムの仲間は、ヨーロッパから北アフリカ、中東、西アジアに約60種が分布するイヌサフラン科イヌサフラン属の球根植物です。その中でも、主に栽培されているのはコルチカム・オータムナーレ(Colchicum autumnale)とコルチカム・スペシオサム(C. speciosum)の2種です。そして、この2種を交配して作出された園芸品種です。とても強健な植物で、土と水が無い状態で放置しても、花を咲かせることで有名です。
- 春咲き、秋咲き、冬咲きのタイプがあり、前出の2種は秋咲きタイプで、国内で栽培されているのは夏~秋に球根を植え付け、秋に開花を楽しむ花として親しまれています。
- 近縁種
- コルチカム・オータムナーレ(Colchicum autumnale)→和名はイヌサフラン。原産地は、ヨーロッパ。草丈10~40cmの多年草。葉は披針形の濃緑色で光沢がある。春に出て花が出る前に消えて無くなる。花は葉が消えた後から出る。地中の球茎から4~6個の花茎を伸ばす。花色は白色~ピンク~紫色。開花期は8月~10月。
- コルチカム・スペシオサム(Colchicum speciosum)→原産地は、トルコ、イラン、コーカサス地方。草丈15~50cmの多年草。花色は、白、ピンク紫~紫色。開花期は秋。
- コルチカム・シボリイヌサフラン(C. agrippinum)→和名はシボリイヌサフラン。園芸品種。草丈12~15cmの多年草。花色は、ピンクと白色の市松模様。開花期は8月下旬~10月。
- コルチカム・ビボナエ(C. bivonae)→原産地は、イタリアからブルガリア周辺。花色は、ピンク~ローズ色に紫色の市松模様。開花期は9月~10月。
- コルチカム・ルテウム(C. luteum)→原産地は、中央アジア、アフガニスタン、インドなどの山岳地で冷涼な地域。草丈10~20cmの多年草。花色は黄色。開花期は2月~5月。
土と水がなくても窓際に放置するだけでも花を咲かせる
- 用土
- コンテナの場合、市販の球根用培養土にパーライトを2割程まぜた土、または赤玉土(小粒)5:腐葉土3:パーライト2:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます(1㎡当り100g)さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当り2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料 比較的多肥を好みます
- コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。鉢底石を敷いて、苗を定植後の追肥は、3月~4月、9月~10月の間、緩効性化成肥料を置肥します。春は月2~3回薄めの速効性液体肥料を施してもよいです。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、3月~4月、9月~10月の間、緩効性化成肥料を置肥します。
- 置肥の際は、根に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- 植え付け
- 適期は、9月中旬~10月中旬です。
- コンテナの場合、5~6号鉢に1球です。鉢底石を敷き、定植したら、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。植え付け直後にタップリの水を施します。(覆土は2cm、株間は15~20cm)
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。球根の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。植え付け直後にタップリと水を施します。(覆土は6~10cm、株間は15~20cm)
- 植え替え
- 適期は、9月中旬~10月中旬です。
- 初夏に葉が枯れたら水やりを止めて、雨の当たらない場所に置いて休眠させます。9月になったら植え替えます。
- コンテナの場合、鉢植えは毎年1回、プランターは2年に1回を目安に行いましょう。一回り大きなコンテナに底石を敷き、用土と元肥は「植え付け」と同じです。植え替え直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、水はけさえよければ3年間くらいは植えっぱなしでも問題ありません。ただし暖地では、水はけがよくても球根が腐りやすいので毎年掘り上げて植え替えた方がよいでしょう。
- 分球
- 適期は、5月~6月です。初夏になると、葉が枯れるので掘り上げます。風通しのよい涼しい場所で保管して、秋になったら植え付けましょう。
秋口に植え付けると1ケ月で花を咲かせる
- 水やり
- 初夏に葉が枯れたら水やりを止めて、雨の当たらない場所に置いて休眠させます。
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 手入れ
- 防寒対策→地植えの場合、耐寒性があるので霜除けの必要もなく、屋外での冬越しが可能です。
- コンテナの移動→初夏になって、葉が枯れた場合に植え替えの予定がなければ、雨のかからない風通しのよい涼しい場所へ移動させ、休眠させましょう。
- 病気→白絹病
- 日当たり
- 日当たりのよい場所を好みます。よく日が当たらないと、本来の美しい花色がでません。