アルストロメリア 季節の花-花色が豊富で花束やフラワーアレンジに人気-イパネマおやじ

  • アルストロメリア (Alstroemeria) は、花色が豊富でパステルカラーや派手なコントラストの色合いのものなどエキゾチックな雰囲気を漂わせる多年瘦です。花弁に縞模様が入るのが特徴で、6枚の花被片を持ち、外側の3枚は丸みがあり模様が無く、内側の3枚に縞模様が入ります。内側の花弁(内花被片)に入る模様のことを条班(じょうはん)と呼び、少数ながら模様の入らない種もあり、スポットレスと呼ばれます。
  • 開花期の5月頃になると、伸びた茎の頂部から花序を見せ、ラッパ形の花を数輪咲かせます。花径5~8cmの筒状花で、葉は付け根で大きくねじれています。基本的には年1回の一季咲きですが、中には環境と場所が適応すると四季咲きのように長期間咲き続ける種もあります。花壇のアクセントや、切花用として人気があります。

アルストロメリアは多年瘦です

初心者は球根からより苗から育て方が簡単

  • 分類:ユリズイセン科ユリズイセン(アルストロメリア)属 / 原産地:南米
  • 別名:
  • 学名:Alstroemeria sp.
  • 英名:Lily of the Incas, Peruvian Lily
  • 園芸分類:多年草(球根植物) / 耐寒性(やや弱い)耐暑性(やや弱い)
  • 草丈・樹高:50~100cm(矮性種30~50cm)

  • タネまき適期:9月中旬~10月

  • 植え付け:3月~4月、9月中旬~10月

  • 植え替え:9月中旬~10月

  • 株分け:9月中旬~10月

  • 開花期:5月~7月 
  • 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) 
  • ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください) 
  • 特徴
  • アルストロメリアの仲間は、南米に約120種以上が分布するユリズイセン科ユリズイセン属の多年草です。数ある種類は、大別するとブラジルタイプとチリタイプに分けられます。低地から高山地帯や乾燥地から湿地まで、適応する環境に自生しています。園芸分類上では、常緑性、落葉性とその中間タイプなど性質も多様です。
  • 18世紀頃からイギリスで品種改良が始まり、以来オランダを中心に多くの園芸品種が作出されています。花色の多彩さや四季咲き性のものなど、栽培が容易な品種が多くあります。日本へ本格的に導入されたのは、1970年代になってからです。
  • 近縁種 
  • ユリズイセン(Alstroemeria psittacina)→ブラジル北部原産。観賞用として世界中で広く栽培されている。南アフリカでは野生化したものが多く見られ、日本でも山野の道端で見かけられる。草丈50~70cm、茎頂部に散形花序を見せ長さ3~5cmの花を数輪を咲かせる。
  • アルストロメリア・オーレア(A. aurea)→アルゼンチン、チリ原産。観賞用の切り花として人気が高く、世界で広く栽培されている。当種を親とした園芸品種も多く、野生化して自生しているのが見られる。草丈30~90cm、茎頂部に散形花序を見せ長さ3~5cmの花を数輪咲かせる。開花期は6~7月、花色は淡い紫色に濃紫色の条班が入る。
  • アリストロメリア・ ペレグリナ(A. Pelegurina)→草丈30~40cm、開花期は4月下旬~6月の一季咲き。花色は白色の6枚の花弁に淡い紫色の模様が入る。

アルストロメリア南米原産

夏や冬に地上部が枯れても球根は生きている

  • 用土
  • 用土に、市販の草花(または山野草)用の培養土を使う場合、あらかじめ元肥が混ぜ込んである場合があるので元肥の量を調整してください。
  • コンテナの場合、鉢底には鉢底石を敷いて、市販の草花用の培養土または赤玉土(小粒)6:腐葉土3:パーライト1:の割合で混ぜ込んだ土を使います。
  • 地植えの場合、掘り上げた土に対して完熟堆肥や腐葉土2~3割を混ぜ込んで、植え穴に戻します。(さらに水はけが悪い土壌なら川砂を1~2割混ぜ込む)
  • 肥料
  • コンテナの場合、植え付けの際に用土の中に元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。定植後の施肥は、4~5月、10~11月に緩効性化成肥料を置肥するか、月3回以上液体肥料を施します。
  • 地植えの場合、元肥は必要ありません。定植後の施肥は、4~5月、10~11月に少量の緩効性化成肥料を置肥します。
  • 置肥をする際には、株元は避け枝先の端下の地表部に散布する。

アルストロメリアは花色が豊富です

  • タネまき
  • 適期は、9月中旬~10月です。
  • タネは一般的に流通が少なく手に入り難いですが、タネまきから育てることも可能です。自家採取したタネがあれば育てましょう。(球根の株分けで増やすのが簡単)
  • 植え付け
  • 球根の植え付け適期は、3月~4月、秋が9月中旬~10月です。アルストロメリルはイモのような根茎(球根)を持っています。
  • コンテナの場合、鉢底石を敷き、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。クラウン(根茎の結合部)を上にして貯蔵根が下になるようにして植え付けます。貯蔵根は千切れやすいので、やさしく扱いながら定植して、覆土は5~8cmです。植え付け直後にタップリの水を施します。
  • 地植えの場合、根茎(球根)の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘りあげます。根が深いので50cm程の深さに耕しておきます。クラウン(根茎の結合部)を上にして貯蔵根が下になるように植え付けます。貯蔵根は千切れやすいので、やさしく扱いながら覆土は5~8cmします。定植したら「用土」と「肥料」の項目で用意した土を植え穴に戻します。植え付け直後にタップリと水を施します。(耐寒性は低いが、霜が降らない地域であれば屋外での栽培可能)
  • 下図のイラストは栗のような形状の球根ですが、アルストロメリアの球根は細長いサツマイモのような形状の貯蔵根をしています。
球根の植え付け

深さ10cm程 複数植えるなら株間20cm以上

  • 植え替え
  • 適期は、9月中旬~10月です。芽の付いた地下茎を切り分けます。
  • コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、年に1回を目安に行いましょう。新しい用土と元肥を入れた一回り大きな鉢に植え替えます。
  • 地植えの場合、基本は必要ありませんが2~3年目になると花数が少なくなるので植え替えましょう。株が混み合ってきたら植え替えますが、2~3年を目安に植え替えるようにしましょう。
  • 株分け
  • 適期は、9月中旬~10月です。植え替えと同時に作業しましょう。

アルストロメリアの開花期は5~7月

植物仕切り線大

イモのような根茎(球根)を持っている

  • 水やり
  • コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。過湿に弱いので、休眠期は控えめに施しましょう。(表土が乾いてから2~3日待つ)
  • 地植えの場合、基本的には必要ありません。
  • 手入れ
  • 冬越し→地植えの場合、霜が降るような場所では、根茎の保護のために敷きワラなどでマルチングをしましょう。
  • 花がら摘み→花後の枯れた花茎は、早めに抜き取りましょう。(茎を引っ張ると簡単に抜けます)
  • 支柱立て→草丈が高くなると、花の重みで倒れやすくなるので支柱を設置しましょう。
  • 病気→灰色カビ病
  • 害虫→アブラムシ、ハダニ、ヨトウムシ
  • 日当たり
  • 日当たりと水はけのよい場所を好みます。冬季は霜の降らない軒下などへ置きましょう。
  • 凍らない程度の低温に当たった時期を経て、暖かくなると咲くという性質です。地域にもよるが、出来れば温室などで冬越しさせない方がよいでしょう。

植物仕切り線大