レモン ハーブ-観賞用や果実として重宝な果樹-イパネマおやじ
レモン (Lemon) は、国内では広島レモンに代表されるように、庭植えは温暖気候で台風の被害を受け難く年間降雨量の少ない地域での栽培が適しています。寒さに弱いので、柑橘類が栽培されている地域以外では、鉢植え栽培の方が適しています。
芳香のある淡い紫色の花を咲かせる
- 分類:ミカン科ミカン属 / 原産地:インド北東部ヒマラヤ山系
- 別名:レモンの木
- 学名:Citrus limon
- 園芸分類:常緑小高木 / 耐寒性(弱い)、耐暑性(強い)
- 草丈・樹高:2~4m
- 苗の植え付け:3月~5月
- 植え替え:3月~5月
- 挿し木:6月
- 剪定:2月~3月
- 収穫期:10月~4月
- 開花期:5月~6月、11月(白色の小輪花)
- 栽培方法:地植え、コンテナ(植木鉢、プランター) ※記載している各適期は温暖地(中間地)での目安です。(寒冷地、暖地では、環境に合わせた栽培を確認してください)
- 特徴
- レモンは、インド北部のヒマラヤ山系山麓原産の常緑樹です。日本へ渡来したのは、明治時代になってからとされていますが詳細は不明とされています。多くのハーブと同じく、温暖な地中海沿岸のような気候を好みます。
- 柑橘類の仲間の中でも、香りや酸味が強く香料や菓子、シロップなどに広く利用されています。ウンシュウミカンなどのミカン類より耐寒性が劣るので、その栽培地域の北限より南がレモンの栽培可能な地域です。その他の地域で育てるには、鉢植えで育てるのが適しています。
- 近縁種
- リスボン→苗がポルトガルからオーストラリアへ渡ったもの。その後1849年に、アメリカのカリフォルニアに渡り、現在レモンといえばカリフォルニア産といわれています。大型の樹形なので、コンテナ栽培の場合は直径45cm以上の大きなサイズを使いましょう。
- ユーレカ→純粋なレモン種で、1858年にロサンゼルスに渡来しています。トゲの少ない品種で、風味はリスボンに似て耐寒性は劣ります。
- シトロン→インド北東部原産。果実は縦長で、果皮は厚みがある。強い芳香があるが、果汁や果肉が少なく生食には適さない。
- メキシカンライム→インド北東部原産。ライムの代表的な品種で高い品質を誇る。果汁の酸度は柑橘類中で最も高い。レモンより耐寒性が劣り、潰瘍病にかかりやすい。
- ブッシュカン(仏手柑)→果肉や果汁も少なくタネもない。観賞用として人気がある。耐寒性はレモンより弱い。
寒さに弱いので鉢栽培の方が育てやすい
- 適応(ハーブ、漢方としての適用)
- 殺菌、抗毒素、解熱
- 料理・飲み物で楽しむ
- ジュース、菓子、香料
- 用土
- コンテナの場合、10号鉢(直径30cm以上)以上の大きめのサイズを使います。市販の果樹用培養土または赤玉土(中粒)6:腐葉土3:軽石:1の割合で混ぜ込んだ土を使います。
- 地植えの場合、弱酸性~中性土壌を好むので植え付けの2週間程前に、深さ30cm以上に土を耕して苦土石灰を混ぜ込んでおきます(1㎡当り100~200g)さらに、植えつけの1週間程前に、土壌改良用の牛ふん堆肥や腐葉土を(1㎡当り2~3kg)混ぜ込んでおきます。
- 肥料
- コンテナの場合、鉢底石を敷いて苗を定植後の追肥は、3月に春肥、5月と7月に夏肥、9月と11月に秋肥の年5回、油かすや草木灰などの有機質肥料を施します。実をたくさん付けるために、小まめに肥料を施しましょう。
- 地植えの場合、植え付ける前に元肥として、有機質肥料などを混ぜ込んでおきます。定植後の追肥は、3月に春肥、5月と7月に夏肥、9月と11月に秋肥の年5回、即効性化成肥料か油かすや草木灰などの有機質肥料を施します。(オーガニック栽培を目指すなら化成肥料の使用は避けましょう)
- 追肥の際は、植物の根や葉に直接肥料が触れないように注意しましょう。
- 植え付け
- 適期は、3月~5月です。実の付いた苗木が9月頃に流通して、植え付けることは可能ですが、秋~冬期は避けて春に植え付ける方がよいです。
- コンテナの場合、鉢底石を敷き、根鉢の根を傷めないように植え付けます。苗木の接ぎ木部位が、鉢の上端より高い位置を目安に定植します。「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土をコンテナに入れます。土と根をなじませて定植したら、植え付け直後にタップリの水を施します。植えた苗が倒れるのを防ぐために、根付くまでは支柱を立てましょう。
- 地植えの場合、「用土」と「肥料」の項目で準備しておいた先程の土壌に植え付けます。根鉢の2倍の深さと直径2.5倍の植え穴を掘り上げます。土と根をなじませて定植したら、植えた苗が倒れるのを防ぐために、根付くまでは支柱を立てましょう。植え付け直後にタップリと水を施します。
- 植え替え
- 適期は、3月~5月です。
- コンテナの場合、根詰まりを防ぎ通気をよくするために、2~3年に1回を目安に行いましょう。古い根をカットして、根の隙間の土は落とさないように、新しい用土と元肥を入れた1回り大きな鉢に植え替えます。植え替え直後にタップリの水を施します。
- 地植えの場合、基本は必要ありません。
- 挿し木
- 適期は、6月です。充実した枝の先端を挿し穂にします。他の植物と同じく、特別なことは必要ありません。(挿し木:サイト内ページ)
果実を食用にするなら化成肥料は避ける
- 水やり
- コンテナの場合、土の表面が乾いたらタップリと水を施します。特に6月~8月の高温期は、水切れに注意して管理しましょう。
- 地植えの場合、基本的には必要ありません。
- 剪定
- 適期は、4月~7月です。
- 新たに植え付けてから3年間は剪定の必要はありません。その後は2年に1回程度の剪定をします。落葉果樹のような強めの剪定は必要ありません。冬の剪定は樹形を整える程度でよいです。
- レモンは枝の先に花芽を付けるので、枝先を切り取ると花が咲きません。春に伸びた短果枝に、翌年に実を付けます。結実させる予定の枝は切りません。
- 手入れ
- 受粉作業→レモンは自家受粉なので、受粉作業や受粉樹を植える必要はありません。気になる場合亜は、綿棒などで受粉させましょう。
- 摘蕾、摘果→ツボミが多く出過ぎた場合は、間引きをします。房状に開花するので、中心花を残して側花を間引きします。1ケ所に集中して、小さな実が多数付いたら1~2個を残して摘み撮りましょう。(葉が30~40枚で、実を1個残すのが目安)
- 支柱立て→苗木の植え付け時に支柱を立てましょう。
- 防寒対策→地植えの場合、ウンシュウミカンの栽培地域の北限より南が栽培可能地域ですが、凍結する場所では、株元にマルチングするなどの防寒対策が必要です。鉢植えの場合、軒下や屋内などへ移動しましょう。
- 病気→カイヨウ病
- 害虫→アゲハチョウ、カイガラムシ
- 収穫
- 適期は、11月中旬~2月です。果実が大きく育ってきたら収穫の時期です。緑色から黄色へ変わってきたら、実のヘタの部分をナイフなどで切り取って収穫します。
- 日当たり
- 日当たりと水はけのよい場所を好みます。
- 強い風の当たる場所は、カイヨウ病の原因となるので避けましょう。